転職が住宅ローン審査に及ぼす影響と注意すべきポイントとは?

マイホームを購入しようと思っているときに転職すると、住宅ローンの審査に不利になる可能性があると言われています。
なぜなら、転職により収入が減少するのではないか、またはこれからも転職を繰返すのではないかと思われる可能性が高くなるからです。

今回は転職が住宅ローンの審査(【フラット35】を含む)に及ぼす影響や、転職を予定している人、もしくは転職したばかりの人が住宅ローンを利用する場合に注意すべきポイントについて解説します。

転職が住宅ローン審査に及ぼす影響とは?

転職すると住宅ローンの審査に不利になるといわれていますが、具体的にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

ここでは、転職が住宅ローンの審査に及ぼす影響について解説します。

住宅ローン審査中の転職には大きなリスクがある
住宅ローン審査は、申し込みと同時に行われる仮審査を経て、本審査に移ります。

仮審査では本人確認書類や収入確認書類(源泉徴収票や確定申告書の写し)といった簡易的な書類を提出しますが、本審査に移ると購入する物件の詳細が確認できる書類のほか、納税証明書などより詳細がわかる資料の提出を求められます。
また、他社からの借り入れがある場合は返済予定表の提出が必要です。

住宅ローンを申し込み、審査が始まってから結果が出るまでの間に転職をすると、申告内容と実際の収入や勤続年数などの内容が変わってしまいます。

そのため、住宅ローン審査中に転職をすると再審査となり、最終的に住宅ローンの審査に落ちてしまう可能性や違約金が発生する場合もあるため、審査中の転職は避けるようにしましょう。

転職直後は住宅ローン審査で不利になる可能性が高い
転職した直後に住宅ローンを申し込むと、審査で不利になる可能性が高くなります。なぜなら、申告する勤続年数が短くなるからです。

申告する勤続年数は、現在勤めている会社もしくは経営年数です。前職の勤続年数は含まれません。

また、金融機関によっては申込条件を勤続年数1年~3年以上としているところも多く、条件を満たさなければ申し込みすらできません。

国土交通省が発表している「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書(2022年度)」によると、93.2%の金融機関の審査項目に勤続年数が盛り込まれていることがわかります。
これは「完済時年齢」、「健康状態」、「借入時年齢」、「担保評価」に次いで高い数値です。

このことからも、勤続年数が短いと審査に不利に働く可能性が高いことがわかります。

転職直後に住宅ローンを申し込むと提出すべき書類が増える
住宅ローンの審査に関して必要な提出書類は金融機関によって異なりますが、転職してすぐ後に住宅ローンを申し込むと、提出しなければならない書類がさらに増えるケースが多くみられます。

具体的には、以下の書類の提出を求められる可能性がありますので、事前にどのタイミングでどの書類が必要になるのか、申込先の金融機関に確認しておきましょう。

・転職先での在籍を証明できる書類:採用通知書や雇用契約書など
・転職後の在籍期間証明書類:勤続証明書(勤務先にて発行してもらう)
・転職後の収入額の見込確認書類:見込収入証明書
・転職後に転職先から給与が支払われたことを証明する書類:給与明細書
・転職前の職歴確認書類:職歴書

転職する人が住宅ローンの審査や返済で注意すべきポイントは?

これから転職を予定している人や、転職したばかりの人が住宅ローンの審査や住宅ローンの返済を考えるうえで、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

ここでは、転職する人が住宅ローンの審査や返済で注意すべきポイントについて解説します。

転職前の収入を前提とした無理な返済計画を立てないようにしよう
転職後は、転職前と比べ一時的に収入が下がる可能性があるほか、転職前の収入がずっと続かないことも考えられます。場合によっては無収入の期間が発生するかもしれませんし、ボーナスの有無も考慮しなければなりません。

そのため、転職前に住宅ローンを組む場合は、転職前の収入が続くことを前提とした無理な返済計画を避けるのが賢明です。

できるだけ毎月の返済額を無理のない範囲で設定し、そのうえで転職後に収入が上がって余裕ができれば、繰り上げ返済を利用して効率よく返済する方法を考えましょう。

ボーナス払いを考えている場合も、転職してすぐはボーナスが受け取れないケースも多いため、いったんボーナス払いなしで返済計画を見直すことをおすすめします。

転職後の返済計画を見直そう
住宅ローンを組んだ後に転職した場合は、転職前と同じように余裕をもって返済できるように、改めて返済計画を見直し、計画に無理がないかを確認することが大切です。

転職後はどうしても一時的に収入が下がるケースが多く、また転職前の収入と同じレベルになるまでに時間がかかることも考えられます。その間の返済が家計の負担にならないように、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

返済計画を見直しても返済が困難になりそうだと思ったときは、金融機関に相談することで、現在の返済プランの変更を検討してもらえる可能性があります。返済が困難な状態になる前にできるだけ早く相談することをおすすめします。

金融機関によっては、住宅ローンの返済中に転職した場合は、その旨を報告し必要な書類の提出を求めるところもあります。

転職した時点で速やかに金融機関に報告し、指示を仰ぐようにしましょう。

必要に応じて確定申告をしよう
住宅購入時に住宅ローンを利用し、要件を満たしている場合は「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」を受けられます。

適用を受ける初年度は確定申告が必要ですが、会社員なら2年目以降は年末調整で行えます。年の途中で転職したなら、転職先で年末調整を行う必要があります。

ただ、転職の目的で退職し、そのまま再就職をしないまま年末を迎えた場合は、年末調整は行えませんので、自分で確定申告を行わなければなりません。

確定申告は原則として翌年の2月16日~3月15日までです。国税庁のホームページで申告方法が詳しく紹介されていますので、参考にしながら確定申告書を作成し、提出しましょう。

提出方法は管轄の税務署に持参するほか、郵送やe-Taxなどがありますので、自分が利用しやすい方法で提出しましょう。

転職と住宅ローン審査に関するよくある質問

ここでは、転職と住宅ローンの審査に関してよくある質問について、その回答と併せて紹介します。

住宅ローンを利用していてこれから転職を予定している人や、転職後に住宅ローンを申し込もうと考えている人はぜひ参考にしてください。

転職と住宅ローンの申し込みはどの順番で行うべき?
住宅ローンの返済が困難になるなど、住宅ローン破綻のリスクを回避したいなら、転職後1年以上経過してから住宅ローンに申し込みましょう。これは多くの金融機関が推奨する方法です。

また、より低い金利で多くの金額を借りられるという意味では、住宅ローンの融資が実行された後に転職するほうが有利です。その際には、転職したことを金融機関に伝えることを忘れないようにしましょう。

審査中の転職や退職は絶対に避けるべきです。転職と住宅ローンの審査についてはどちらが先でも、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の事情や優先順位など考慮し、メリット・デメリットを比較したうえで最終的に判断するようにしましょう。

転職直後でも申し込める住宅ローンはある?
住宅の購入のタイミングによっては、転職直後に住宅ローンを申し込むケースもあります。

そのようなときは、転職直後でも申し込める住宅ローンを探しましょう。申込条件は金融機関によって異なり、勤続年数を条件に組み入れていない住宅ローン商品もあります。

たとえば、【フラット35】の申込条件は以下の通りです。
・申込時の年齢が満70歳未満の方
(親子リレー返済をご利用の場合は、満70歳以上の方もお申込みいただけます。)
・日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方

参照元:住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」

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