ムカデの侵入対策 家の中からいなくなる方法を解説

ムカデは暖かくなるとよく見かけるようになります。ときには家の中に侵入することもあり、その独特な見た目から驚く人も多いでしょう。ムカデは人を咬むこともあるので不用意に近づくと大変危険です。

もし、ムカデが家の中に侵入したらどうするべきなのでしょうか。ムカデの種類と併せて予防法・駆除法を解説します。

ムカデはどのような虫か

害虫として知られるムカデですが、隠れていることも多いので、そもそもどのような虫なのかよくわからないという人もいるでしょう。ムカデの生態と特徴を見てみます。

ムカデの生態・特徴
ムカデは虫ですが昆虫ではなく、ムカデ綱に属する節足動物に当たります。ムカデの体長は80~130mmほどで、各体節に1対ずつ肢があるのが特徴です。

主に春から秋にかけて発生し、5~6月に産卵します。そして、寒くなると冬眠に入ります。平均寿命は6〜10年ほどといわれているので、卵や幼虫の状態で越冬することもあります。そのため、暖かくなる頃に私たちの前に姿を現すことが多くなるのです。

日本では約130種類ものムカデが確認されています。

ムカデによる害
ムカデによる害として一番多いのが、咬みつき(咬傷)です。ムカデの頭部の下には顎肢があり、これに触れると咬みつきます。激しい痛みのほかに、しびれたり、赤く腫れたり、熱を持ったりすることもあります。翌日以降は痛みが軽減していきますが、かゆみが残る場合があります。命にかかわる被害はほとんどないといわれていますが、毒があるため注意が必要です。

特に小さな子どもや、過去にムカデに咬まれたことがあり、アナフィラキシーショック(急激なアレルギー症状)を発症する可能性がある人は危険なので、咬まれたらすぐに病院へ行きましょう。

ゲジゲジ・ヤスデとの違い

ムカデと似ている虫にゲジゲジとヤスデがあります。これらの虫はムカデとどのような違いがあるのか、また人間に害があるのかについて解説します。

ゲジゲジの生態・特徴

「不快害虫」とされるゲジゲジだが、益虫でもある

ゲジゲジはムカデ綱のゲジ目に属する節足動物の総称です。日本全国に生息していて、ムカデと同じく春から秋にかけて見られます。体長は20~40mmで、寿命は5年程度です。ムカデよりも小さく、長い触角が特徴です。

たくさんの細長い足をもち、素早く動くことなどから、嫌われやすい多い虫ですが、実はゴキブリやクモなどを捕食してくれる益虫です。殺虫剤を使わずにゴキブリを駆除してくれるので、家の中でゲジゲジを見つけても殺してはいけないといわれることもあります。ムカデのように人を咬んだりもせず、感染症も媒介しないため、人間に害はありません。

ヤスデの生態・特徴
ヤスデはヤスデ綱に属する節足動物です。日本全国でもさまざまなところに生息していて、体長は18~20mm程度でムカデと比べると小さい虫です。ヤスデもムカデのように咬んだり刺したりしないため、恐れる必要はないでしょう。毒もないので、触れても問題ないとされています。

ただ、その見た目について不快に感じる人が多いため、ゲジゲジと同じく人間に直接的な害はありませんが「不快害虫」と呼ばれることもあります。

ムカデの侵入対策

ムカデは隙間があれば室内にも侵入してきます。靴の中に入っていたり、布団の隙間に潜んでいたりする場合もあるので、注意が必要です。ここでは、ムカデを家の中に侵入させないための対策を解説します。

侵入経路を断つ

サッシに隙間があるときはテープを利用して塞ぐ

ムカデは数ミリの隙間でも室内に侵入してきます。その都度ムカデを退治しても、侵入経路があるままだとムカデの発生は止められません。そのため、ムカデの侵入経路を断つことが重要です。

ムカデの侵入経路となりやすいのが、エアコンのダクト周辺やドレン、通風口などです。ほかにも窓のサッシの隙間からも入ってきます。これらの隙間をテープや網でふさいでムカデが侵入できないようにしましょう。

ゴキブリを発生させない
ゴキブリはムカデの餌になるので、ムカデを寄せ付けないためにはゴキブリを発生させないことも重要です。ゴキブリはダニや生ごみを食べるため、食べかすや生ごみを長期間放置しないようにしましょう。

ゴキブリもムカデと同じく数ミリの隙間から室内に侵入してしまいます。そのため、殺虫スプレーを侵入経路やゴキブリが集まりやすい場所に吹き付けておくのも効果的です。殺虫スプレーに抵抗がある場合は、ゴキブリの嫌いな匂いを発するアロマタイプの忌避剤を使うと安心です。

床下に湿気がこもらないようにする
ムカデは湿った場所を好むので、床下に湿気がこもらないように気をつけましょう。換気や除湿をして、室内環境を清潔に保つことも大切です。

床下に湿気がこもると、ゴキブリのエサになるダニも発生しやすくなります。ゴキブリが増えると、それをエサにするムカデも繁殖しやすくなってしまいます。湿気が多い環境下ではダニだけではなく、あらゆる害虫が増えやすくなるため、適度な湿度を保ちましょう。

薬剤を散布する
ムカデを近づけないためには、薬剤の散布も効果的です。家の周りに薬剤を撒きましょう。玄関ドアや網戸、サッシの隙間などが侵入経路になることが多いので、これらに撒いておくと侵入対策になります。

薬剤には毒餌タイプや忌避剤タイプ、殺虫剤タイプなどがあります。殺虫剤や毒餌タイプは害虫を駆除する目的で作られたもので、ムカデを侵入させないことが目的であれば忌避剤タイプを使うのがおすすめです。粉剤やスプレー、置くだけタイプなどがあるので、場所によって使い分けましょう。

ムカデの駆除方法

いくらムカデが入ってこないように対策をしても、室内に侵入してしまうこともあります。もし、家の中でムカデを見つけた場合はどのように駆除すればいいのか、その方法について解説します。

殺虫剤を使用する

ムカデの駆除には殺虫剤を使用

市販されている殺虫剤はムカデの駆除に効果的です。スプレータイプの殺虫剤であれば、さっと吹き付けるだけで退治できるので手軽さも魅力です。

ただし、ムカデは生命力が強く、一般的な殺虫剤では効果が期待できないかもしれません。ムカデがよく出没する場合では、ムカデ専用の殺虫剤を使うのがおすすめです。ムカデ専用の殺虫剤には、ムカデに効く成分が含まれているので、効率的に駆除できます。一度の吹き付けでは退治できないこともあるので、数回程度スプレーを吹き付けましょう。

熱湯をかける

滅多にムカデが出ない場合、家に殺虫剤がなかったり、切らしてしまったりすることもあるでしょう。その場合、ムカデに熱湯をかけるのも効果的です。ムカデはジメジメした場所を好みますが、熱湯には弱い性質があります。

ただ、室内で直接熱湯をかけてしまうと片付けが大変だったり、そもそも熱湯をかけられない場所もあったりするので、まずはトングなどで捕獲してバケツに入れましょう。そして、バケツの中に熱湯を入れてムカデを駆除すれば、室内が水浸しになるのを防げます。

まとめ

暖かくなると、ムカデが室内に侵入してくることがあります。侵入経路をふさいだり、薬剤を散布したりして、家の中に入り込まないようにしましょう。万が一、室内に侵入してきた場合は、咬まれる危険性があるのでむやみに触ったり掴んだりしてはいけません。殺虫剤や熱湯をかけるなど、安全な方法で駆除しましょう。

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