住居区分とは何か? 所有関係・建て方による種類を解説

履歴書などには「住居区分」の記入欄が設けられているケースがあります。自分の家がどの区分に該当するのかわからずに困った経験を持つ人もいるかもしれません。この記事では住居区分とは何かを、総務省の定義に準拠した住居の種類、所有関係、建て方の面から解説します。

住宅か否かの区分

まずは住居の大きな区分として、住宅か住宅以外かに大別されます。住居=住宅とは限らず、住宅以外に居住する人もいるためです。

出典:総務省統計局 住宅・居住地に関する用語
出典:総務省統計局 平成20年住宅・土地統計調査 用語の解説 ≪住宅≫

住宅
総務省の定義において「住宅」とは、「一つの世帯が独立して家庭生活を営むことができる」ように建築・改修された建物を指します。次の設備要件を満たしている必要があり、四つの要件を満たしていれば、アパートなどの完全に区画された建物の一部でも住宅に該当します。

1.一つ以上の居住室があること
2.専用の炊事用流し(台所)があること(共用を含む)
3.専用のトイレがあること(共用を含む)
4.専用の出入り口があること

住宅以外
住宅以外で人が居住する建物として次の四つが挙げられます。

1.会社等の寮・寄宿舎
会社・官公庁・団体などの独身寮をはじめ、生計をともにしない単身の従業員をまとめて居住させるための施設

学生寮は「住宅以外」と定義される

2.学校などの寮・寄宿舎
学校の寄宿舎をはじめ、生計をともにしない単身の学生や生徒をまとめて居住させるための施設

3.旅館・宿泊所
旅行者や出張者など一時滞在者が宿泊するための施設

4.その他の建物
下宿屋、寝泊まりする人のいる社会施設・病院・工場・作業場・事務所、臨時で建てられた建設従業者宿舎などの建物のうち、住宅に改造されていないもの

住宅の所有関係による区分

住居区分は住宅の所有関係から定義することもできます。以下で紹介する区分は、総務省統計局「住宅・居住地に関する用語」の定義にしたがうものとします。

出典:総務省統計局 住宅・居住地に関する用語

主世帯と間借り
ほかの世帯が住んでいる住宅の一部を借りて住んでいるケースは「間借り」と定義されます。間借り以外の、自分の世帯で所有したり借りたりして住んでいる場合を「主世帯」と呼びます。どういった形態の住宅に住んでいるかは関係なく、あくまでも自分の世帯が独立して居住していれば「主世帯」の扱いです。

以下で紹介する五つは、住宅の所有関係によって分けた主世帯の種類です。

持ち家
世帯の住んでいる住宅がその世帯の所有である場合は「持ち家」に区分されます。登記されているかは関係なく、所有している事実があれば持ち家です。所有者が住宅ローンを返済中であっても、現に所有権を有していれば持ち家扱いになります。また、親所有の住宅に住んでいるケースも持ち家扱いです。

公営の借家
世帯が借りて住んでいる住宅が、都道府県や市町村が運営する賃貸住宅・アパートである場合は「公営の借家」に区分されます。「県営住宅」「市営住宅」などに住んでいる場合が該当します。公営賃貸住宅に居住する場合であっても、後に紹介する「給与住宅」に該当する場合は「公営の借家」と見なしません。

都市再生機構・公社の借家
その世帯の借りている住宅が都市再生機構、都道府県・市区町村の住宅供給公社、住宅協会、開発公社などの賃貸住宅・アパートである場合、「都市再生機構・公社の借家」に該当します。「UR賃貸住宅」「住宅供給公社住宅」などに住んでいる場合はここに分類されます。

雇用・能力開発機構がワーカーの能力開発や能力向上、ワーカーの福祉増進を目的として設ける雇用促進住宅(移転就職者用宿舎)に住んでいる人もこの区分です。

なお、後に紹介する「給与住宅」に該当する場合は当区分ではありません。

民営の借家

一般的な賃貸アパートは「民営の借家」

借家に住んでいる世帯のうち、借りている住宅が上記の「公営の借家」「都市再生機構・公社の借家」、次に紹介する「給与住宅」のいずれにも該当しない場合は「民営の借家」に分類されます。民間の一般的な賃貸アパート・マンションに住んでいるケースは「民営の借家」に該当します。

給与住宅
勤務先の会社・官公庁・団体などが所有・管理する住宅に職務の都合上、または給与の一部として居住している場合は「給与住宅」に分類されます。公営・民営といった住宅の所有区分や家賃支払いの有無に関係なく、勤務先で用意した住宅に居住していれば給与住宅の扱いです。

そのため、勤務先の会社が民営の借家を借りて従業員を住まわせる「借り上げ社宅」も給与住宅に含まれます。

住宅の建て方による区分

住居の区分は住宅の建て方によっても分類できます。住宅の建て方による区分を総務省の定義に則って見ていきましょう。

出典:総務省統計局 住宅・居住地に関する用語

一戸建

戸建て住宅

一つの建物が一つの住宅になっている住居が「一戸建」と定義されています。店舗併用住宅であっても、一つの建物に一つの住宅のみが入っている場合、一戸建に分類されます。

長屋建
「長屋建」は、二つ以上の住宅を一棟に建て連ねた住居のことです。連なる各住宅は共通の壁で仕切られており、外部への出入口は各住宅で個別に設けられています。各住宅に専用のテラスや庭が設けられている「テラス・ハウス」もここに分類されます。

共同住宅
一つの棟の中に二つ以上の住宅があるもので、廊下・階段などを複数の住宅で共有しているものや二つ以上の住宅を重ねて建てたものが「共同住宅」です。長屋建との違いは共有部があるかどうかであり、アパートやマンションと呼ばれる物件の多くは共同住宅に該当します。また、1階部分が店舗、2階以上が住宅になっている建物も共同住宅に含まれます。

その他
上記は居住用(もしくは店舗併用)の建物内にある住宅でしたが、中にはそれ以外の施設内に住宅が設けられている場合があります。たとえば、工場や事務所などの一部に居住スペースが設けられているケースが挙げられるでしょう。このような住宅は「その他」として扱われます。

まとめ

住居区分は、住居の種類、所有関係、建て方によって分類することができます。履歴書などで住居区分の記入を求められる場合、住居の所有関係や種類の面で回答するケースが多いでしょう。どのように記入すればいいか迷ったときは、上記で紹介した内容をぜひ参考にしてください。

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