住まい選びにおいては、どの会社がいいのか、どの物件がいいのかとあれこれ迷ってしまうもの。そこで、参考にしたいのが、実際にマイホームを建てたり、買ったりした人たちがどの会社の物件を選び、満足度はどうかという点です。株式会社oricon MEの顧客満足度調査は、注文住宅から建売住宅、新築マンションからリフォーム、マンション管理会社まで幅広く調査しており、さまざまなニーズに対応できそうです。
実際に住宅を購入した人を対象とする大規模調査
株式会社oricon MEの顧客満足度調査は2006年から、実際にサービスを利用したり、商品を購入したりした人たちを対象に、大規模なアンケート調査を実施。満足度に関する回答をもとに、顧客満足度ランキングとして公表しています。同社のホームページでは、集計結果のデータや傾向を分析したレポートとともに、利用者の実際の声も見ることもできるので、商品やサービスを選択する際に参考になります。
対象分野は保険、金融から住宅、ビジネスなど幅広く、住宅分野に関しても注文住宅、建売住宅から新築分譲マンション、マンション管理会社、賃貸情報店舗など広範に及んでいます。地域性の強い分野においては、建売住宅ビルダーは全国のブロック別に、新築分譲マンションについては、首都圏、東海、近畿、九州に分けてランキング化されています。
すべては紹介しきれないので、ここでは、注文住宅、建売住宅、新築分譲マンションを中心に調査結果のハイライト部分を紹介しましょう。
注文住宅ではスウェーデンハウスが9年連続のトップ
まず、ハウスメーカー注文住宅総合ランキングを見ると、トップはスウェーデンハウスでした。総合得点は82.3点で、ほかのメーカーが70点台にとどまっているなか、唯一の80点台となっています。スウェーデンハウスがトップになるのは、これで9年連続だそうです。
調査では、「情報のわかりやすさ」「モデルハウス」「ラインナップの充実さ」「打ち合わせのしやすさ」など13項目にわたって評価を聞いていますが、すべての項目においてトップの評価を得ており、圧倒的な強さを誇っていると言えます。
同社の注文住宅は、45mm×120mmの木材でパネルを作成し、床、壁、天井の6面体で建物を支える2×4工法の木造住宅。社名にあるようにスウェーデンなどの北欧では在来工法とも言っていいほどポピュラーな住宅で、もともと寒冷地仕様であるため、断熱性に優れ、SDGsの時代の今こそますます強みを発揮しそうです。
リーズナブルな価格で満足度の高いメーカーも
気になるのはスウェーデンハウスの価格ですが、平均坪(約3.3平方メートル)単価は100万円程度、1棟単価は4,000万円、5,000万円以上と言われていますから、土地の取得から始めて、注文住宅を建てようとすると、予算が相当にふくらんでしまいます。東京の都心などの地価の高いエリアでは、取得は簡単ではないでしょう。半面、断熱性能の高さから、北海道では特に評価が高く、スウェーデンハウスの建物がズラリと並んだ分譲地も少なくありません。
2位以下には、大手住宅メーカーが多く並んでいます。2位は積水ハウスで、3位がヘーベルハウス、4位に住友林業、一条工務店と続いています。
工法的には、木造在来工法の住宅から、鉄骨造やユニット工法のプレハブ住宅までさまざまです。価格に目を向けると、積水ハウス、ヘーベルハウスなどの大手住宅メーカーでは坪単価80万円からが多いのですが、5位の一条工務店は比較的リーズナブルな価格帯で坪単価60万円台からと言われています。それでいて高い顧客満足度を得ていますから、注目しておいていいかもしれません。
地域密着型のビルダーが強い建売住宅
次に建売住宅を見ると、全国のブロック単位で活動しているようなビルダーが強く、首都圏では埼玉県が地盤のポラスがトップに挙がっています。
建売住宅では、「立地」「周辺環境」「情報提供」「引渡し時の住宅確認」などの10項目を評価していますが、ポラスはそのうち8項目でトップの評価を得ています。そのほかの2項目も2位ですから、満遍なく良い評価を得ていると言っていいでしょう。
表にあるベスト10のうち、東栄住宅、一建設、飯田産業、タクトホームの4社は、いわゆる飯田グループに属するビルダーです。グループで年間4万戸以上の注文住宅、建売住宅を販売しており、戸数で言えば大手住宅メーカーや大手不動産会社を上回り、日本一の実績を持っています。
標準仕様で長期優良住宅などの基本性能の高い住まいが実現できることに加え、1戸当たりの平均価格は3,027万円(2024年3月期第一四半期決算)です。大手ハウスメーカーの建売住宅が5,000万円、6,000万円とかかるなかで、格段に安くなっています。大手に負けないだけの基本性能を確保しながら、価格の格段の安さが、顧客満足度の高さにつながっているのではないでしょうか。
ちなみに、飯田グループの各社は注文住宅も手がけていますが、その1棟当たりの平均価格は2,263万円(2022年3月決算)となっており、やはり大手ハウスメーカーの平均価格が4,000万円を超えているのに対して、リーズナブルな価格帯を維持しています。
住宅メーカーの建売住宅では積水ハウスがトップ
建売住宅では、ビルダーのほかに、ハウスメーカーとデベロッパーのランキングも作成されています。
ハウスメーカーの建売住宅では、積水ハウスがトップで、セキスイハイムが2位、トヨタホームが3位でした。積水ハウス、セキスイハイムともに、SDGs時代に対応した省エネ性能の高い住まいや、太陽光発電などの創エネ性能の高い住まいに力を入れています。
積水ハウスでは、新築戸建住宅の91%でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を達成、累積棟数でもトップの実績があります。セキスイハイムは新築戸建住宅のZEH比率が94%(2022年度の実績)に達しており、建売住宅においてはZEH比率が99%。大手のなかでも両社が先陣を切っていると言えます。そうした先進的な取り組みが評価され、高い顧客満足度につながっているのではないでしょうか。
なお、建売住宅デベロッパー総合ランキングでは、三井不動産レジデンシャル、野村不動産、住友不動産がベスト3にランクされています。3社とも新築分譲マンション総合ランキングの5位以内に入っており、マンション、建売住宅ともに力を注いでおり、購入した人たちから高い評価を受けているようです。
近畿圏の新築マンションのトップは阪急阪神不動産
新築分譲マンションのランキングでは、首都圏の顧客満足度トップは野村不動産で、2位が三井不動産レジデンシャル、3位が東京建物と続いています。野村不動産は、ハイグレードマンションのイメージがすっかり定着した「プラウド」シリーズのほか、比較的リーズナブルな価格帯の「オハナ」シリーズを手がけており、三井、三菱、住友などの旧財閥系不動産会社を抑えて、堂々のトップとなっています。
2位の三井不動産レジデンシャルは、「パークマンション」を筆頭に、「パーク」シリーズを展開。3位の東京建物は「ブリリア」シリーズで消費者の人気を獲得しています。上位には大手不動産会社がズラリと並び、メジャーセブンを構成する大手7社のうち、大京を除く6社がベスト10に入っています。
近畿圏では、トップには地元電鉄系の阪急阪神不動産が挙がっています。同社は「ジオ」シリーズのマンションを手がけていますが、近畿圏では住宅地として人気の高い阪急沿線に強みを持ち、立地の良いマンションを比較的リーズナブルな価格帯で提供しています。購入後の資産価値の向上が期待できるとする評価が多く、それが大手不動産会社を抑えてトップに立っている要因のようです。
2位以下は首都圏でも上位に挙がっている野村不動産、三菱地所レジデンス、住友不動産、三井不動産レジデンシャルなどが続いています。
ホームページには購入者の生の声も
ここまで見てきたように、顧客満足度のランキングには上位に挙がるだけの理由があります。自分たちが希望する住宅の形態に合わせてランキングをチェックし、実際に購入した人の口コミも参考にしながら、どの会社の物件が自分たちに合っているのかを考えてみてはいかがでしょうか。
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