中古住宅の賢い購入術! 流れと注意すべき点を解説

マンションを中心に新築住宅の価格高騰が話題になるなか、マイホームに中古住宅を選ぶ人が増えています。価格の手頃さなどが魅力の中古住宅ですが、購入にあたってはどのようなポイントがあるのでしょうか。この記事では、マイホームの選択肢として中古住宅を検討している人に向けて、中古住宅購入の流れと注意点を解説します。

中古住宅購入の流れ

はじめに、中古住宅を購入する際の流れについて段階を追って解説します。

住宅の購入計画を立てる
中古住宅に限らず、マイホームの購入を検討するにあたっては、まず「どんな暮らしがしたいのか」を具体的にイメージすることが重要です。暮らしのイメージの希望をすべて叶えられるようなマイホームが理想的ですが、購入計画を建てる際には予算とのバランスも考えなくてはなりません。

理想を実際の計画に落とし込むため、家へ求める条件に優先順位をつけます。戸建て住宅なのかマンションなのか、都市部に住むのか郊外や地方に住むのか、築浅を狙うのか築古も選択肢に入れるのかなど、優先度の高い条件に沿って住宅の種類を決めていきましょう。

譲れない条件と住宅の種類が固まったら、それをベースに資金計画を立てます。世帯年収からどれくらいの住宅ローンを組めるのかシミュレーションし、自己資金や世帯の経済状況も鑑みて予算を決定しましょう。

希望に合った物件を探す
希望条件と予算が見えてきたら、希望に合った物件を探していきます。不動産ポータルサイトや各種住宅広告をチェックして、思い描くイメージに合った物件を探しましょう。

物件探しの段階でなるべく多くの物件情報に目を通しておくと、希望に合う物件に出会える可能性が高くなります。ただし、自力では限界もあるため、不動産仲介会社に物件探しを依頼するのも効果的です。

内覧会に行く

内覧会は積極的に出かけよう

購入前に実際の物件を確認できるのが、中古物件の大きな魅力です。気になる物件があったら、積極的に内覧会や見学会に参加しましょう。前向きに検討したいと感じた物件については、曜日や時間帯を変えて何回かにわたって現地をチェックするのがおすすめです。時間の違いによる環境の変化などがわかり、暮らしのイメージがつきやすくなります。

購入を申し込む
購入したい物件が見つかったら、物件購入の申し込みを行います。具体的には購入申込書(買付証明書)を提出し、売主に対して購入の意思を表明します。あくまでも購入の意思表示であり、この時点で購入が決定するわけではありません。今後、購入に向けた準備や交渉を進めるための手続きととらえましょう。

住宅ローンの事前審査を受ける

金融機関各社から出されている住宅ローン商品

購入申込書を提出したら、金融機関へ住宅ローンの事前申し込みを行い、金融機関による事前審査を受けます。金融機関は申込者の収入や健康状態を確認し、融資を行って問題ない人物かどうかを判断します。事前審査に落ちたら、その金融機関で住宅ローンを組むことはできません。

不動産売買契約を結ぶ
事前審査通過後、重要事項説明を受けたうえで不動産売買契約を締結します。また、この際に手付金を支払います。

売買契約締結時点では住宅ローンの本審査が終わっていないため、融資が問題なく実行されるかはわかりません。そのため、契約書に「ローン特約」を付けるのが一般的です。ローン特約を付けると、住宅ローンを組めなかった場合には無条件で契約解除ができます。

住宅ローンの本審査を受ける
不動産売買契約書を金融機関に提示して住宅ローンを正式に申し込んだら、本審査を受けます。本審査では所得を証明する書類、印鑑証明書や住民票など、多くの書類を提出しなければなりません。審査をスムーズに進めるためにも、計画的に書類を準備しておくようにしましょう。

本審査が通れば金融機関と金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)を締結し、融資の実行が決定します。

決済と引渡し
売主や金融機関と引渡し日を調整し、物件の引渡しを受けます。住宅ローンの融資実行と残代金の決済、所有権移転登記は引渡しと同日に行われるのが一般的です。関係者が融資する金融機関の店舗に集まり、申込者の口座へ融資金が振り込まれます。振り込まれた資金から残代金を決済し、同席する司法書士が登記手続きを行うという流れです。

引渡しと登記が無事終了すれば、引っ越しをして、一連の流れが完了します。

中古住宅購入の注意点

中古住宅は新築に比べて価格が手頃であることに加え、現物を実際に見て購入を決められるなど多くのメリットがあります。一方で、築古物件を中心にリスクがあることも認識しておかなければなりません。以下では中古住宅を購入する際の注意点を解説します。

ホームインスペクション(住宅診断)を検討する

ホームインスペクションを利用するという手もある

2000年の建築基準法改正により、木造戸建て住宅を建築する際の地盤調査が実質的に義務付けられました。それ以前に建築された中古住宅の購入を検討する場合には、地盤の影響や躯体の歪みなどをしっかり確認しなくてはなりません。断熱材の欠損やシロアリによる食害、雨漏りなどの不具合にも注意が必要です。

築古物件で欠陥や劣化が心配であれば、ホームインスペクション(住宅診断)を利用するとよいでしょう。ホームインスペクションとは、建築の専門知識を持った住宅診断士が中立的な立場で住宅の劣化状況や設備機器等の不具合を調査するものです。「住まいの健康診断」とも称され、診断結果に応じて必要な修繕を施すことにより、安心して暮らせる家になります。

旧耐震基準の住宅は避ける
1981年6月の建築基準法改正で耐震基準が見直されたことから、一般に改正前の基準を旧耐震基準、改正後の基準を新耐震基準と呼びます。旧耐震基準で建てられた住宅は、耐震性の不足が想定されることから、住宅ローンを組む際に金融機関独自の要件が設定されるケースがあるなど、融資のハードルが全般的に高めです。

また、住宅ローン控除は1982年1月1日以降に建てられたものであることが要件になっています。旧耐震基準の住宅は、耐震基準適合証明書の取得や耐震改修をしない限り、住宅ローン控除も受けられません。

こうしたことから、中古住宅選びにおいて旧耐震基準の物件は避けたほうが無難でしょう。

瑕疵保険付きの住宅を検討する
中古住宅選びでは、瑕疵保険付きの住宅を購入することで、購入後に発生した住宅のトラブルにも備えられます。

瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険)とは、中古住宅の重大な欠陥や不具合によって購入後に損害が生じた場合、保険金を支払ってくれる保険制度です。先述のとおり中古住宅は新築に比べて欠陥や不具合のリスクが高いことに加え、アフター保証についての基準が明確化されていません。

通常は売買契約書で保証内容を定めますが、万全を期すのであれば、瑕疵保険に加入している売主からの購入を検討しましょう。

まとめ

中古住宅は戸建て・マンションともに、購入を決断してから引渡しまでにかかる期間が1ヶ月〜6ヶ月程度と、新築に比べれば短いのが特徴です。しかし、想定どおりに進まないケースもあるため、余裕を持ったスケジュールで臨む必要があります。引越しを希望する時期の6ヶ月前には準備を始めるようにしましょう。

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