エコ住宅とは? 新築・リフォームに活用できる補助金や助成制度の種類も紹介

近年、特に注目を集めるエコ住宅。新築やリフォームの際に活用できる補助金制度が設けられていることもあり、関心を持っている人は多いでしょう。そこでこの記事ではエコ住宅の概要と主な種類、補助金制度についてまとめました。これからマイホームの建築・購入・増改築の予定がある人は、ぜひ参考にしてください。

エコ住宅とは

エコ住宅とは、冷暖房にかかるエネルギー消費量を抑えることを目的として、断熱性や気密性を高めた住宅の総称です。壁や屋根の内側に断熱材を入れ、気密性の高いドアや窓を用いることにより、外気の影響を受けにくい家になります。冷暖房の設定温度を控えめにしても室内の温度を快適に保てるため、エネルギー消費を抑え、温室効果ガスの76%を占めるとされる二酸化炭素の排出を軽減できるというわけです。電気代やガス代の節約にもつながるため、環境にも人にもやさしい家といえるでしょう。

エコ住宅の主な種類

ここからは、エコ住宅の主な種類を五つ紹介します。それぞれに基準や設備が異なるので、違いを把握しておきましょう。

認定低炭素住宅
二酸化炭素の排出を抑えるための対策がとられた住宅で、自治体の認定を受けたものを「認定低炭素住宅」といいます。認定を受けるには、低炭素化のための新築(増改築)計画を作成して自治体へ申請する必要があります。認定の基準は、まず必須項目として以下の条件をクリアしていること。さらに、節水対策やヒートアイランド対策など決められた九つの項目のうち二つを満たしていることです。

・省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネルギー消費量が20%以上削減されること
・再生可能エネルギー利用設備が設けられていること
・上記二つから得られるエネルギー量が基準一次エネルギー消費量の50%以上であること(戸建て住宅の場合)

なお、認定低炭素住宅は税制優遇措置の対象になります。

ZEH住宅
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、年間エネルギー収支をゼロ以下にすることを目標とする住宅を指します。太陽光発電システムや燃料電池を導入して家庭で使用する電気を作り出すと同時に、高気密・高断熱にすることでエネルギーの消費量を抑えるという仕組みです。建築費用は一般的な住宅に比べて割高ですが、補助金で負担を減らすことができます。また、年間の光熱費が大幅に削減されるのも魅力です。

LCCM住宅
LCCMは、Life Cycle Carbon Minus(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)の頭文字をとった言葉です。LCCM住宅とはライフサイクルを通じて二酸化炭素の排出削減を目標とする住宅を表します。住んでいる間だけでなく、住宅の建設時から廃棄されるまでの二酸化炭素排出量を減らすように計画されるのが特徴です。

性能向上計画認定住宅
性能向上計画認定住宅は、省エネ基準を超え、かつエネルギー消費性能の向上計画が法令に定められた基準を満たすことを自治体が認定した住宅です。認定そのものは建築物すべてが対象で、新築だけでなく増改築や修繕も含まれます。認定を受けた改修工事では、太陽光発電や蓄電池など省エネ性能向上のための設備を設置する床面積について、一部容積率を緩和する特例が受けられます。

長期優良住宅
長期優良住宅は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいた認定制度の基準をクリアし、長期にわたり安全・快適に暮らすための対策が行われたと認められた住宅です。耐震性、省エネ性、バリアフリー性などそれぞれに認定基準が定められ、認定を受けることで補助金の受給や住宅ローンの金利引き下げなどのメリットが得られます。

エコ住宅で受けられる主な補助金や助成制度

次に、エコ住宅で受けられる主な補助金や助成制度を紹介します。エコ住宅は部材や設備にコストがかかるため、一般的な住宅に比べて建築費やリフォームの費用が高額になりがちです。さまざまな補助金や助成制度が用意されているので、積極的に活用しましょう。

ZEH住宅補助金
ZEH住宅の建設や購入に対する補助金制度で、個人が対象になるのは以下の三つです。

なお、登録されたZEHビルダー/プランナーが設計・建築・販売する住宅という要件があるので、ハウスメーカーを選ぶ際は注意してください。

出典:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について - 省エネ住宅 | 経済産業省資源エネルギー庁

地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業とは、地域の木材関連事業者などを通じて、省エネ性能や耐久性に優れた木造住宅を新築する際に受けられる補助金制度のことです。対象となる住宅と補助額の上限は以下のとおりです。

補助金を受けるには、国土交通省の採択を受けたグループに所属する施工事業者に依頼する必要があります。グループに所属しない事業者で建てた場合、補助金の対象にならないので注意してください。

出典:補助対象住宅について|地域の住まいづくりのお手伝い~地域型住宅グリーン化事業採択グループのご紹介~ | 一般社団法人木を活かす建築推進協議会

長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅を長期優良住宅にするためのリフォームに対して補助金が支払われる事業です。リフォーム後の住宅性能で次のいずれかに分けられ、補助限度額が決まります。
・評価基準型:劣化対策や省エネ対策、耐震性が評価基準に達している
・認定長期優良住宅型:劣化対策、省エネ対策、耐震性、維持管理のすべてが長期優良住宅の認定基準に達している

カッコ内は、三世代同居対応リフォーム、若者・子育て世帯のリフォーム、購入した中古住宅のリフォームで一次エネルギー消費量を省エネ基準比マイナス20%とする場合の補助限度額です。

出典:長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 国土交通省

こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯が住宅を取得するときに利用できる補助金制度です。対象はZEH住宅や各種認定住宅の新築・購入で、1住戸につき100万円までの補助が受けられます。ちなみに、子育て世帯は申請時点で18歳未満の子どもがいる世帯、若者夫婦世帯は申請時点で夫婦のいずれかが39歳以下の世帯です。年齢は申請日ではなく、その年の4月1日時点で判定されます。

出典:こどもエコすまい支援事業 | 国土交通省

自治体の補助金
都道府県や市区町村でもエコ住宅に対する補助金や助成金を支給しているケースがあります。国の制度と併用できる可能性もあるので、確認してみましょう。ハウスメーカー選びの段階で担当者に尋ねてみるのも一つの方法です。

まとめ

環境と住みやすさに配慮したエコ住宅は、一般的な住宅と比べると高額です。なるべく負担を少なくするために、国や自治体で運営する補助金事業で活用できるものがないか確認してみましょう。制度によっては、新築や購入だけでなくリフォームも対象になります。ただし、認定を受けた施工会社で建てた住宅でなければ補助金の対象外になるものもあるので、注意してください。そのほかにも制度ごとに細かい要件が設けられているので、しっかりとチェックしましょう。

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