玄関リフォームの費用と補助金 負担を抑えて理想の玄関を実現する

マイホームを手に入れてからある程度の年月が過ぎ、リフォームを考え始めている人もいるでしょう。玄関リフォームの場合、かかる費用は比較的少額ながら家の印象を大きく変化させられます。リフォームを考えているなら、まずは玄関から始めてみてはいかがでしょうか。

この記事では、玄関リフォームの費用相場や利用できる補助金について解説します。

玄関リフォームの目的とは

玄関リフォームを行うと、どのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、玄関リフォームの目的と効果について解説します。

自然光を採り入れる

明るい玄関は気持ちがいい

玄関リフォームを行うことによって、玄関を明るく開放的な雰囲気にできることがあります。一枚板のドアを採用している場合、玄関に光が入らず暗くなりがちです。窓が設置されていない玄関もめずらしくなく、玄関は自然光を採り入れにくい場所になっています。

しかし、玄関リフォームで窓がついているドアに交換すれば、玄関に自然光が入りやすくなります。たとえば、スリットが入っているドアを選ぶと、プライバシーを守りつつ玄関を明るくすることが可能です。窓がついている親子ドアに変更したり、片袖を設けたりする方法もあります。また、玄関全体をリフォームして新たに窓を設けるのも一つの方法です。

玄関は頻繁に出入りする場所であるため、自然光を取り入れる玄関リフォームをすれば毎日の生活自体が明るくなるでしょう。

断熱性を向上させる
玄関は外気と接しており、出入りも頻繁です。ドアを取り付けてから長い期間が経過すると、ドアと壁や床の間にわずかな隙間が生じている場合があります。普段は気づかなくても、室内の気温には大きな影響を与えている可能性があるため要注意です。家の断熱性を向上させるためには、玄関の断熱性にもこだわる必要があります。

玄関の断熱性を向上させるには、断熱性を考慮したドアを選ぶとよいでしょう。たとえば、枠にパッキンがついていて隙間ができにくくなっているタイプや、採光部が複層ガラス・トリプルガラスになっているタイプなどです。

玄関のドアのリフォームにより断熱性が向上すれば、室内のエネルギー効率の改善を期待できます。

セキュリティを向上させる

スマートロックで防犯性向上

家の出入り口である玄関で何より重視すべきなのは、セキュリティに関することです。最新の玄関ドアはセキュリティ性能が高められています。家の防犯性能を向上させるには、玄関リフォームでドアを取り替えるとよいでしょう。

解錠に時間がかかるドアは不審者が嫌がるため、セキュリティの向上につながります。たとえば、ピッキングで侵入を試みる場合、2ロックがついているドアは、鍵が一つしかないドアと比べて2倍の時間がかかります。

また、スマートフォンアプリを使い、鍵を使わずに開閉できるスマートロック方式のドアならば、物理的に鍵穴がなくなるので、ピッキング、合鍵の偽造などを防ぐことができます。

セキュリティに優れたドアを設置し、不審者の侵入や盗難などのリスクに備えましょう。

家の印象を変える
玄関は家に入るときに必ず通る場所であり、家の顔ともいえます。玄関の印象で家全体の印象が左右されるケースも少なくありません。しかし、家を建ててから時間がたつと、玄関も古びた印象になりやすいものです。

玄関の中でも、ドアは特に目立つ部分です。そのため、リフォームでドアを交換するだけでも家の印象は大きく変化します。すてきなデザインのドアに変更し、玄関の魅力をアップさせましょう。

もちろん、玄関全体をリフォームしつつドアを変更するのもおすすめです。玄関全体の印象が良くなり、来客時にもよりポジティブな印象を与えられる可能性があります。

バリアフリーを実現させる

玄関リフォームでスロープを設置

家を建てたときには気にならなくても、年齢を重ねると玄関の段差が気になってくる場合もあります。高齢になれば、玄関の小さな段差があるせいで使い勝手が悪いと感じる場面は少なからずあるでしょう。玄関リフォームを実施すると、玄関のバリアフリー化が可能です。

たとえば、玄関にスロープを設けると出入りがしやすくなり、車椅子にも対応できるようになります。手すりも設置すれば、より安全に玄関を利用できるようになるはずです。玄関のドアがもともと開き戸なら、引き戸に変更すると開け閉めや出入りがラクになるでしょう。

玄関リフォーム費用の相場

不動産・住宅サイト・SUUMOが実施した調査によると、玄関リフォームにかかる費用相場の中心価格帯は40~60万円です。

ただし、玄関リフォームにかかる費用は、具体的なリフォームの内容や建具の素材などによって大きく異なります。また、リフォームを希望する玄関の状況によっても、実際の費用には差が出る可能性があります。玄関リフォームについて検討する際は、業者に相談して具体的な見積もりを出してもらいましょう。

出典:SUUMO「玄関のリフォームの費用帯別実例」

玄関リフォームで利用できる補助金

玄関リフォームを行う場合、補助金を利用できる可能性があります。ここでは、玄関リフォームで利用できる補助金について解説します。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業
公益財団法人北海道環境財団では、日本全国を対象とする「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」を実施しています。これは、住宅のエネルギー消費効率の改善や低炭素化を実現するため、高性能建材を活用した断熱改修を支援する環境省補助事業です。玄関のドアだけでなく、断熱リフォーム全般が対象となっています。

予算の上限に達すると受付が終了するため、補助金の利用を検討しているなら早めに申請しましょう。公募期間は区切られており、定められた期間内に申請する必要があります。

参考元:公益財団法人北海道環境財団「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」

介護保険制度による補助金(居宅介護住宅改修費の支給制度)
要介護・要支援認定を受けている場合、介護保険制度により居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)の支給を受けられる可能性があります。たとえば、玄関にスロープや手すりを設置したり、段差を解消するために敷居を平滑化したりする場合に申請が可能です。

受け取れる上限額は20万円となっています。

参考元:厚生労働省:「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」

各市区町村の助成金
各市区町村も、介護が必要な人を対象としてリフォームに関する助成金を支給しています。

たとえば、千葉県千葉市では「高齢者住宅改修費支援サービス事業」を展開し、要介護認定などを受けている65歳以上の人を対象に助成金を出しています。助成金を受け取れるのは、段差の解消や手すりの設置などのために家をリフォームする場合です。ただし、助成の対象者となるには一定の要件を満たす必要がありますので、必ず事前に確認をしてください。

参考元:千葉市「高齢者住宅改修費支援サービス事業」

まとめ

玄関は家の顔であり、玄関リフォームを行えば家の印象が大きく変化するでしょう。玄関リフォームを実施する目的は、家庭によってさまざまです。実現したいイメージによって玄関リフォームにかかる費用は大きく変化する可能性があるため、希望と費用とのバランスを考慮する必要があります。補助金や助成金も活用しながら、理想的な玄関リフォームを実現しましょう。

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