屋根リフォームとは? 種類や費用の相場、必要頻度まで紹介します

雨や雪、強い日差しなどから家を守る重要な役割を担う屋根。屋根が傷むと、雨漏りが起こるなど家全体に悪影響を及ぼします。定期的にメンテナンスが必要な屋根ですが、リフォームを行うと大規模工事になるため、費用面が気になり躊躇する人もいるでしょう。本記事では、屋根リフォームの種類や費用相場などについて解説します。

屋根リフォームとは

屋根リフォームとは、屋根部分を修繕することです。屋根をリフォームすると、屋根の耐用年数が向上するうえ、耐震性や断熱性が上がる場合もありますし、外観の印象も変わり美観もアップします。

屋根の種類別リフォーム頻度

屋根にはさまざまな種類があり、屋根材ごとに耐用年数が異なります。屋根の種類とその特徴、必要なリフォーム頻度について解説します。

※耐用年数や再塗装が必要な年数は商品の種類や家の地域によって異なります。本記事ではあくまで目安であることに注意してください。

【スレート屋根】
住宅用としてよくみられる屋根材です。セメントや繊維素材を混ぜて薄い板状にした素材で、軽量で耐震性に優れています。デザイン性や遮音性にも優れていて、初期費用が安いのも特長です。

耐用年数は一般的に20~30年ですが、10年程度で再塗装が必要になり、25年を目安にリフォームが必要です。

【トタン屋根】
銅板や鉄板を亜鉛で覆った素材を使った屋根材で、非常に軽量のため耐震性に優れ、材料や施工費が安いというメリットがあります。ただし、断熱性や遮音性が低く、さびやすいという弱点があります。耐用年数は比較的短く、10年で再塗装、10~20年で葺き替えなどのリフォームが必要です。

【瓦屋根】
神社仏閣など昔ながらの建築にも多く用いられている瓦は、粘土を成型し、高温で焼き上げたものです。耐火性や防音性に優れ、耐用年数が長いのが特徴です。ただし、重量があるため建物全体の耐震性に悪影響を及ぼします。耐用年数は50年以上で、25~30年で点検、補修が必要です。

【ガルバリウム鋼板】
鉄をメッキした鋼板で、メッキの成分は亜鉛とアルミニウム、そしてシリコンです。ガルバリウム鋼板は金属製屋根材の主流になっています。軽量のため耐震性に優れ、塗装も容易でデザインのバリエーションが豊富ですが、メッキが剥がれるとさびやすく、割れない代わりにへこみやすいのが難点です。

耐用年数は20~30年、10年で再塗装、10~20年でリフォームが必要です。

【アスファルトシングル】
アスファルトをガラス繊維の基材に浸透させたシート状の屋根材で、防水性、防音性、耐震性に優れています。加工が容易でデザイン性にも優れていますが、強風などで剥がれやすく、藻が発生しやすいのが特徴です。

耐用年数は20~30年で、5年を目安に剥がれのチェックを行い、20~30年でリフォームが必要です。

屋根リフォームの種類と相場

屋根は耐用年数を過ぎたら補修や葺き替えなどのリフォームが必要です。屋根リフォームには複数の工法があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。また、工法によってリフォーム費用も異なります。以下に屋根リフォームの種類と相場を紹介します。

カバー工法(屋根重ね葺き工法)
【特徴】
新しい屋根材で既存の屋根材を覆う工法です。スレート、トタン、ガルバリウム鋼板、アスファルトシングルなどに採用できます。なお、屋根リフォームでカバー工法を行えるのは1回のみとなり、2回目以降はふき替えが必要です。

【費用相場】
60~80万円(屋根の大きさにもよる)

【メリット】
二重屋根になるため強度が増し、断熱性や遮音性が高まるうえ、費用工期が抑えられます。

【デメリット】
屋根が重くなるため耐震性が下がり、後々のメンテナンスに影響を及ぼすことになります。

葺き替え工事
【特徴】
既存屋根を剥がして新しい屋根に替える工法です。屋根材自体を新たにするので、屋根のトラブルを根本的に解決できます。

【費用相場】
70~150万円(屋根の大きさにもよる)

【メリット】
屋根材だけでなく下地から取り換えることができるため、リフォーム後の耐用年数が長くなります。また、軽量高性能の屋根材を選べ、耐震性、遮音性、断熱性などを上げられます。

【デメリット】
屋根リフォームの工法の中では最も費用が高く、工期も10~20日程度と長くなります。さらに、既存屋根材にアスベストが含まれるときは費用がかさみ、廃材が出るため処理費も必要です。

塗装工事
【特徴】
屋根表面のさびや汚れを落とし、塗り替える工法で、塗料により耐用年数や単価が異なります。なお、既存屋根や下地の劣化が激しい場合はできないこともあります。

【費用相場】
20~50万円(屋根の大きさにもよる)

【メリット】
費用や工期が抑えられ、塗装の際には工事音が出ません。また、屋根の色を変えることで、家全体の外観の印象を変えることができます。

【デメリット】
耐用年数は10年程度となり、リフォーム頻度が高くなります。

一部分のみの補修
【特徴】
屋根全体ではなく、瓦の部分補修や板金交換、雨どい交換など、破損した部分だけを補修するリフォームです。

ただ、一般的に屋根の劣化は均等に進むため、一部のみを補修してもすぐに次の補修が必要になる場合が多く、非効率になってしまいます。雨どいの破損など、明らかな部分劣化以外の場合は、全面補修のほうが結果として費用が抑えられる場合もあります。

【費用相場】
3~30万円(修理する部分にもよる)

【メリット】
工期、費用ともに抑えられます。

【デメリット】
一部のリフォームであっても、足場設置が必要になる場合もあります。また、複数回のリフォームが必要になり、1回ごとの費用は抑えられても、トータルで費用がかさむこともあります。

屋根リフォームはなぜ必要?

そもそも、なぜ屋根リフォームは必要なのでしょうか。以下に屋根路フォームが必要な理由について紹介します。

屋根は劣化する
屋根は降雨・降雪、紫外線のほか、地震の影響などを受けて経年劣化します。屋外に露出している屋根部分が劣化してしまうと、家の中に水や汚れが侵入し、家の内部でカビが繁殖する、柱や梁の腐食を引き起こす、といったことを引き起こします。

屋根の傷みを放置しておくと、台風や大雪の際に屋根が壊れて取り返しがつかないことにもなりかねません。また、屋根材によっては剥がれ落ち、近隣住人や通行人などに被害を及ぼすおそれもあります。

壊れてからのリフォームは費用がかかる
屋根リフォームは、破損がない状態で行えば費用や工期を抑えた工法を採用することができます。しかし破損してからのリフォームになると、採用できる工法が限られ、費用もかかり工期も長期化することになります。大掛かりな工事をしなければならなくなる前に、定期的なメンテナンスが必要です。

まとめ

屋根は、家全体を守っている重要な部位です。ただし、経年劣化は避けられないため、定期的なメンテナンスや、リフォームを行いましょう。屋根材や工法によってリフォーム費用や工期が異なるため、まずは自宅の屋根の素材や、施工年などを確認したうえで、安心できる専門業者に相談してみてください。

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