システムキッチンとは? ほかのキッチンとの違い、メリットやタイプ別の特徴

システムキッチンとは、シンク、調理台、コンロなどを継ぎ目のない1枚の天板で一体化させたものを指します。システムキッチンは素材やカラーなどが統一され、おしゃれで機能性が高いため、マンションや戸建てなど多くの住宅で導入されています。今回は、システムキッチンの特徴や種類、それぞれのメリットなどについて解説します。

システムキッチンとは

システムキッチンとほかのキッチンとの明確な違いがわからない人や、同じメーカーのシリーズでそろえられたキッチンをシステムキッチンだと思っている人もいるかもしれません。ここでは、両者のキッチンの違いについて解説します。

システムキッチンの特徴
システムキッチンとは、シンクやコンロ、収納、調理台などが組み込まれたキッチン設備のことです。簡単な見分け方は、それぞれのパーツを単に並べただけのものではなく、ワークトップと呼ぶ天板ですべてがつながっているかどうかです。

システムキッチン特有のワークトップにより、表面につなぎ目がなく高さも統一され、見た目にもスッキリしています。収納キャビネットなどもすべて素材や色が統一されており、おしゃれで機能的なのが特徴です。

システムキッチンではないキッチンとの違い
システムキッチンではないキッチンは、「セクショナルキッチン」「セパレートキッチン」「ブロックキッチン」などのさまざまな名称で呼ばれています。同じメーカーのシリーズでそろえられたキッチンは確かにデザインやカラーが統一されているため、遠目からではシステムキッチンのように見えます。

しかし、それぞれの設備が独立していて、ワークトップで一体化していないものはシステムキッチンではありません。セクショナルキッチンは、継ぎ目やすき間、段差などがあるのが特徴です。

システムキッチンのメリット

内閣府が実施している消費動向調査によると、2023年5月にはシステムキッチンの普及率が7割を超えています。新築の多くが導入し、それ以上にリフォームの需要も多く、二人以上の世帯での普及率は順調な伸びを見せています。以下に、システムキッチンの魅力について紹介します。

出典:消費動向調査(令和5 (2023)年5月実施分) 調査結果の要点 | 内閣府

デザインがおしゃれ
システムキッチンは、北欧、和モダン、アジアン、カフェ風などデザインの種類が豊富で、どれもおしゃれなものばかりです。リビングのインテリアや自分の好みに合わせて、色や素材を選んでカスタマイズできるのも魅力です。

サイズも選べるため、身長や間取り、使いやすさに合わせて自由に配置できます。キッチンとリビングに統一感を持たせることで、見た目もスッキリとして空間が広く感じられるでしょう。

機能的で使いやすい
システムキッチンはコンロや収納、食洗機などが組み込まれているため、機能的で使いやすいのがメリットです。ビルトイン浄水器やオーブン、ディスポーザーはもとより、タッチレス水栓、ガスとIHヒーター両方を搭載したコンロ、換気扇の自動清掃、IHコンロとスマホとの連携など、昔には見られなかった機能が搭載された商品も出ています。

シンクの形状も水の流れやすさや乾きやすさにこだわり、菌の繁殖を抑え衛生的に使えるよう開発されたものなど、時代とともに進化し続けています。必要な機能を選んで組み込むことで、使い勝手の良いキッチンを実現できるのは大きなメリットです。

掃除がしやすい
システムキッチンは1枚のワークトップ(天板)で一体化されているため、段差や継ぎ目がありません。セクショナルキッチンは、どうしても設備ごとにすき間や段差が生じ、間にホコリや汚れが入り込んでしまうことがあります。

しかし、システムキッチンなら、ワークトップは撥水加工や撥油加工などで防汚対策が施されているタイプが多くなっています。すき間に汚れが入り込むこともないため、お手入れしやすく掃除の手間が省けるのもメリットです。

システムキッチンの主なタイプと特徴

システムキッチンは大きく対面(オープンタイプ)と壁付け(クローズタイプ)の2つに分かれます。どちらにもメリットとデメリットがあるので、間取りやスペース、家族構成や使い勝手などに合わせて選ぶとよいでしょう。ここでは、4つの主なシステムキッチンのレイアウトについて特徴を解説します。

I型キッチン
I型キッチンとは、シンクやコンロ、調理台が一列に並んだ形を表しています。一般的によく見られるベーシックなキッチンですが、壁付けと対面式ではメリットやデメリットが異なる点に注意です。

壁付けは設置スペースが最小で済むため、狭い場所でも導入できますが、間仕切りがないとダイニングやリビングからキッチンが丸見えになります。対面式は、作業をしながら家族と話したり様子を見たりできるのがメリットですが、壁付けよりも広めのスペースが必要になります。

L型キッチン
L型キッチンとは、シンクやコンロ、調理台などがL字型に配置されたキッチンです。壁のコーナーを利用して並べる壁付けタイプのほか、1辺のみ壁付けにして、もう1辺は対面式に配置したものもあります。

L型は、調理台とコンロの距離が近く動線が短くて済むため、作業効率が良いキッチンです。デメリットとしては、一定以上のスペースを必要とし、コーナー奥の収納が出し入れしにくくデッドスペースになりがちです。しかし、ワゴンやトレーにして、キャスターで出し入れしやすく工夫されたものもあります。

アイランドキッチン
アイランドキッチンとは、島(island)のように周囲が壁に接することなく、独立して配置されたキッチンです。遮るものがなく開放感があり、周囲を自由に行き来できるため大勢で作業しやすく、コミュニケーションが取りやすいのがメリットです。

自由な空間設計が可能になりますが、その分、広いスペースが必要となります。リビングやダイニングからはキッチンが丸見えになることと、においや煙、油汚れなどが広がりやすくなる点に注意が必要です。

ペニンシュラキッチン
ペニンシュラとは、英語で半島(peninsula)を意味します。ペニンシュラキッチンとは、1辺が壁に接し、残りの部分が壁から突き出て半島のように配置された対面式のキッチンです。アイランドキッチンほど広いスペースを必要とせず、狭い場所にも設置しやすいのが特徴です。

開放感がある、キッチンが丸見えになる点はアイランドキッチンと変わりません。においや煙、油汚れなどが広がりやすいのも同じですが、コンロが壁側に設置されることが多いため、ある程度は軽減できるでしょう。

まとめ

システムキッチンはデザインが豊富で統一感があるため、インテリアにもなじみやすいのがメリットです。コンロや食洗機を組み込めば雑然とした印象にならず、キッチンがすっきりとして見えます。掃除もしやすく使いやすいので、調理や後片付けの時間も短縮できるでしょう。

システムキッチンのレイアウトは主に4つのタイプがあり、それぞれにメリットやデメリットがあります。部屋の間取りやスペースなどを考慮したうえで、キッチンをメインに使う人に合ったタイプを選びましょう。

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