夏の風物詩のひとつ、風鈴。ガラス製の「江戸風鈴」や南部鉄器を使った「南部風鈴」といった種類がありますが、いずれもその音を耳にするだけで心癒され、涼を感じます。それはなぜなのでしょうか。また、風鈴の音で体温が下がるという噂は本当なのでしょうか?
風鈴がもたらす安らぎと心地よさ、そして涼しさ
風鈴がもたらす効果1:1/fのゆらぎによる「安らぎ」
風鈴の音色に耳を傾けていると、自然と心が落ち着きます。それは、風鈴の音色が「1/fのゆらぎ」であるからだと言われています。「1/fのゆらぎ」のfはfrequencyの略で、周波数や振動数を意味します。波の音や動き、炎の揺らぎや燃える音といった自然界に存在するさまざまな事象には規則的な動きと不規則的な動きがあり、それらがもたらすゆらぎにはリラックス効果があります。風に揺れる度に風鈴がもたらす音の変化にも、同様の効果があると言われているのです。
風鈴がもたらす効果2:高周波音や倍音による「心地よさ」
風鈴の音には、「高周波音」や「倍音」が含まれています。「高周波音」は脳を活性化させてストレスを軽減する効果があると言われ、毎日の暑さにイライラしているとき、そうした気持ちを和らげる効果があります。基音をもとに整数倍の周波数を持つ「倍音」も含み、心地よさを感じさせます。
風鈴がもたらす効果3:脳の働きによる「涼しさ」
かつてテレビ番組が実施した実験によると、風鈴の音を聴き始めると、サーモグラフィーで見る腕の体表面温度が下がったとのこと。風鈴の音色を聴き「風鈴が鳴っているということは風が吹いていて涼しい」と脳が判断し、末梢神経へ脳からの指示が届くことで、実際に体温が下がるのだと言われています。
風鈴の音色にはさまざまな効果があり、暑い夏を乗り切るために最適なアイテムです。この夏は風鈴の音色を聴きながら過ごしてみてはいかがでしょうか。