ペットはかわいらしいだけでなく、生活に潤いや温もりを与えてくれる、家族同然の大切な存在です。しかし、かわいいペットとはいえ、どうしても臭いが気になることもあります。そこで本記事では、ペットの臭いの原因や対処法について解説します。
ペットの臭いの原因
そもそもペットは生き物であるため、ある程度臭いがあるのは仕方のないことです。ただし、臭いは病気などが原因になっている場合もあるので注意が必要です。ペットにはさまざまな種類の動物がいますが、本記事では多くの家庭で飼われている犬と猫を主とした臭いの原因について解説します。
ペットの口の臭い
口臭は犬や猫にも発生することがあります。口臭の原因はいくつかありますが、最も多いのが歯周病です。
特に犬は人よりも歯垢が歯石に変わりやすく、歯磨きなどの口腔ケアを怠ると歯周病になりやすくなります。歯周病になると、炎症により膿が発生して腐敗臭のような臭いがします。
胃腸や腎臓、肝臓などの内臓疾患も、口臭の原因になることがあります。口臭にすっぱい臭いがある場合は胃酸過多による胃炎の疑いがあり、アンモニア臭がある場合は腎臓や肝臓の病気かもしれません。
病気以外にも、水分不足で口が乾くドライマウスでも口臭が発生します。エサを食べた後に口臭が強くなる場合は、エサに原因があるのかもしれません。特に、劣化したペットフードなどは口臭の原因になるだけでなく、病気の原因にもなるので注意が必要です。
ペットの体の臭い
猫は犬に比べるとほとんど体臭がありません。猫は獲物を捕らえる際に、自分の臭いが邪魔にならないように、体臭が少なくなったといわれています。猫がしょっちゅう体を舐め、毛づくろいをするのは、体が臭いわないようするためでもあります。
犬の体臭は、汗や皮脂が原因です。定期的に体を洗わないと、皮脂が空気に触れて酸化し、体臭になります。また、犬の皮脂を養分とする常在菌が繁殖することでも臭いが発生します。
糞尿から出る臭い
ペットのトイレは、糞尿がある場所なので当然臭いの原因になります。特に、猫の尿は犬に比べて臭いがきついという特徴があるため、猫を飼っている家では猫の尿により部屋全体が臭くなることもあるでしょう。
ペットや部屋が臭いときの対処法
ペットの臭いを放置しておくと、部屋に臭いが移ってしまうことがあります。ペットの臭いの対処法について解説します。
ペットは定期的にお風呂に入れる
犬は体臭予防のためだけでなく、体を清潔に保つためにも定期的に体を洗うことが必要です。ただし、あまり頻繁に洗いすぎると皮膚病などの原因になることもあります。汚れの様子をみて、月1、2回を目安にペット用シャンプーを使って汗や汚れを洗い流すようにするとよいでしょう。
猫は室内飼いであれば、汚れが目立つ場合を除いて定期的に洗う必要はありません。汚れや臭いが気になる場合は、ペット用のウェットシートで体を拭いてみてください。それでも解消しなければ、ぬるめのお湯を使って洗うとよいでしょう。
なお、ペットによってはこまめなお風呂が向かない場合もあるので、獣医師やペットショップで相談してみてください。
歯石除去や歯磨きなどの口腔ケアをする
ペットの口臭が強いときは、歯周病の疑いがあるので、まずは獣医師に相談し、歯周病になっていないかを確認しましょう。あわせて、必要であれば歯石除去などの口腔ケアをしてもらいます。
口腔ケアは難しいと感じる人もいますが、自宅でもできるペットの口腔ケアグッズがあります。まずは歯磨きが基本ですが、スプレーやサプリ、ガムなどさまざまなものがあるので、ペットに合うものを取り入れてみるとよいでしょう。
部屋に落ちた毛やフケを掃除する
ペットの毛やフケ、唾液などが臭いの原因になることもあります。臭いを解消するには、換気をしつつ、こまめに掃除機をかけ、床や壁などは拭いて清潔に保ってください。
ペット用品を洗う
ペット用品が臭いの原因になっていることもあります。ペットの食器やベッド、タオルなどの布類、トイレ、おもちゃ類などはこまめに洗うようにしましょう。ただし、ペットがよく利用する布類には、香りが強い柔軟剤を使用してはいけません。特に嗅覚が鋭い犬にとって、柔軟剤の香りはストレスになってしまいます。
ペット用品を洗う洗剤は人間用のものでもよいですが、ペット専用の洗剤や柔軟剤を使うとペットの皮膚への刺激が抑えられ安心です。また、ペット専用の柔軟剤には抗菌作用により、臭いの元になる雑菌の繁殖を抑える効果が期待できるものもあります。
カーテンやソファカバーなどを洗う
部屋をこまめに掃除し、ペット用品を洗っているのに、なお部屋の臭いが気になるときは、カーテンやソファカバーなどの表面積が大きな布製品に臭いが染み込んでいる可能性があります。こういったものに臭いが付くと、部屋全体に影響します。
そのため、ペットがよくいる部屋の布製品はこまめに洗うとよいでしょう。水洗いすることにより、臭いだけではなく付着したペットの臭いや毛、汚れなども落ちます。ひんぱんに洗うのが難しいときには、布用のペット用消臭スプレーを吹きかけるのも効果的です。
ペットに害を与えない臭いの取り方
ペットの臭いが気になる場合でも、強力な洗剤や匂いの強い芳香剤、柔軟剤などを使うと、ペットに悪影響を及ぼす場合があります。ここからはペットに害を与えない臭いの取り方を解説します。
ペット専用商品を使用する
ペットを飼っていると、掃除用洗剤を選ぶ際は消臭や汚れ落ちの効果だけでなく、ペットの体に悪影響がないかどうかが気になることもあるでしょう。その際には、きちんとペット専用の洗剤を選んでください。メーカーが「ペットにも安心である」と記載しているものは原料が天然由来の成分などであることが多く、ペットに害を与えずに使用できます。
置き型消臭剤を設置する
ペットがいる部屋に消臭剤を置くのも効果的です。ただし、ペットに悪影響のない成分が使われているものを選びましょう。香りがペットの負担になることもあるため、無臭のものがおすすめです。柑橘系の香りがする消臭剤はよくありますが、犬、猫ともに苦手とされているため、避けるようにしてください。
置き型の消臭剤は手軽に使えて便利ですが、床や低い場所などに置くとペットが口にする可能性があります。置き場所はペットが届かない高所にするなど、注意が必要です。
空気清浄機を稼働する
ペットがいる部屋に、空気清浄機を設置するのも効果的です。空気清浄機はペットの体に悪影響を及ぼす心配がなく、臭いだけでなく空気中に漂うフケや毛の対策にもなります。加湿や見守り機能などの多機能型もあり、サイズも多様です。
トイレの臭いが気になるのであれば小型サイズ、部屋全体の消臭や抜け毛対策には大型サイズなど、使い分けるとよいでしょう。なお、設置の際はペットが上って倒れることのないよう、置き場所や設置方法に気を付けましょう。
まとめ
ペットの臭いの原因には、口臭や体臭、トイレの臭いなどがあります。どんなペットでも、ある程度の臭いはあるものですが、ほとんどの場合は、ペットの口腔ケアやシャンプー、こまめな掃除により、清潔さを保つことで解消できます。
臭い対策として、強い香りの芳香剤や、強力な洗剤などを使用すると、ペットの体に悪影響を及ぼす場合があるので注意しましょう。