きれいな庭を維持するためには、日々の手入れや草取りが欠かせません。しかし、なかには根が深く張っている雑草もあり、すべての雑草を引き抜いたり、草刈り機を使って取り除いたりするのは大変ですよね。そういうときは、除草剤があると便利です。しかし、除草剤は使用方法を間違えると効果を発揮しづらくなってしまいます。
そこで、この記事では基本的な除草剤の使い方や、雨が降るときに除草剤を使ってもよいのかについてご紹介します。
除草剤の種類とその特徴
ホームセンターではさまざまな種類の除草剤が並んでいてどれを選べばいいのか迷ってしまう人も多いでしょう。除草剤には大きく分けて三つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。特徴を理解して、自宅に最適な除草剤を選びましょう。
粒剤
粒剤は乾いた粒タイプの除草剤です。土に除草剤の効果を行き渡らせることで、雑草の根から成分を吸収させて枯らします。また、土に撒くため地中の種子やこれから生える雑草にも効果的です。雑草が地中から除草剤を吸収して効果が現れるまでには少し時間がかかりますが、一度にたくさんの雑草を枯らすことができ、効果の持続性も抜群です。
ただし、土に作用するため、傾斜地の場合や除草剤の散布後に植物を植えたいときは使用を控えましょう。周囲に農地があるときも、雑草以外の植物に影響を与えてしまう可能性があるため、使用は避けるべきです。
液剤(葉処理型)
除草剤には液剤もあり、そのままストレートで使えるタイプと希釈するタイプがあります。液剤は植物の葉から吸収されるため土壌に影響を与えません。液剤が地面に付着したとしても、地面に落ちたものはすぐに分解されます。そのため、散布後に周辺に植物を植えても問題ありません。
周囲に枯らしたくない植物がある場合や、今後植物を植えたい場合には液剤の除草剤を使いましょう。また、葉から吸収される液剤には即効性があるため、すぐに枯らしたい大きな雑草がある場合にも適しています。
ハイブリッド(液剤)
葉と土壌の両方に作用するハイブリッドタイプの液剤もあります。これは粒剤と液剤(葉処理型)の良いところを併せ持つ除草剤です。葉茎と根の両方から除草剤を吸収させるので、即効性が高く、今ある雑草にもこれから生えてくる雑草にも効果的です。
ただし、土壌に影響してしまうため、粒剤と同じように周囲に農地や傾斜地がある場合や、今後植物を植えたい場合は使用できません。周辺を含め、今後植物を植える予定がなく、とにかく雑草を一掃してしまいたいという場合は、ハイブリッドタイプがおすすめです。
除草剤の種類別使い方
除草剤の使い方は種類によって異なります。誤った使い方をすると十分な効果が得られない可能性があるので、用法を守って使用しましょう。粒剤・液剤それぞれの使い方を説明します。
粒状
粒状の除草剤を撒くときは、土に薬剤が行き渡るようにしなければなりません。そのため、準備として草は最初に刈っておく必要があります。雑草が生い茂っている状態だと、土に届く前に葉や茎にかかってしまいます。地面が見える状態にして、土に直接散布しましょう。除草した庭をきれいに維持したいという場合にも効果的です。
液状
液状の除草剤は、希釈して使用するものと、薄めずにそのまま使用できるストレートタイプがあります。どちらのタイプなのか確認して、必要に応じて希釈をしてください。
そして、じょうろなど使って圴一になるように散布しましょう。このときに使用するじょうろは水撒きに使用しているものと別のものを使います。除草剤の成分が付着したじょうろで水撒きをしてしまうと、大切に育てている植物が枯れてしまう可能性があるので注意しましょう。
除草剤を効果的に撒くポイント
除草剤を撒くからには雑草をしっかりと除去したいですよね。そこで、除草剤を効果的に撒くためのポイントをご紹介します。
使い方を守る
除草剤の種類によって使用方法は異なり、液剤は葉や茎に、粒剤は土に散布する必要があります。
また、液剤は希釈する倍率をきちんと守ることが大切です。記載されている希釈倍率は、最も効果がある濃度になるようにメーカーが定めたものです。
そのため、薄すぎると効果が感じられないことがあるかもしれません。また、すぐに雑草を除去したいからといって濃すぎる除草剤を使ってしまうと安全性を欠くため、決められた倍率を守って除草剤を撒きましょう。
均一に散布する
除草剤の効果を最大限に発揮するには、均一に撒くことが重要です。
そのためには、上記のようにジグザグに撒いていくと均一に撒きやすくなります。散布残しや隙間がないように除草剤を撒きたい場合は、右図のように右から左、少し下がって左から右とジグザグと撒いたあと、左図のように上下方向に動きながら撒いていくと、よりムラなく散布できます。
希釈には汚れていない水を使用する
水が汚れていると除草剤の効果が弱まってしまう可能性があるので注意が必要です。
じょうろの内部が汚れているときも同様です。除草剤がその汚れに吸着してしまい、肝心の雑草に塗布するときに、十分に効果を発揮できないことがあります。雨水も汚れが付着している可能性があるため、なるべく使用しないほうがよいでしょう。
除草剤に関するよくある質問
除草剤を使用する際、「こういう場合に除草剤は使えるのか」など疑問に思うことがあるかもしれません。そこで、除草剤にまつわるよくある質問にお答えします。
雨が降ったらどうなる?
雨が降ると、除草剤が薄まったり、流れたりして、効果がなくなってしまうのではと思う人もいるでしょう。
雨が降る前に除草剤を撒いてしまうと、粒剤の場合は雨によって周囲に流れてしまい、ほかの植物を枯らしてしまうリスクがあります。また、液剤の場合は葉に作用する前に雨で流れてしまう可能性があります。そのため、雨が降りそうな場合は除草剤を撒くのを別の日に変更しましょう。
雨上がりの場合は、土壌が湿っているため粒材を撒くと効果的です。しかし、液剤に関しては葉や茎が濡れていると効果が薄れてしまうため、乾いてから散布するほうがよいでしょう。
風が強いときに散布してもいい?
風が強いときも除草剤の散布は避けましょう。
風が強いときに除草剤を撒いてしまうと、風で意図しない方向へと除草剤が流れてしまい、周囲に影響する可能性があります。
近くに枯らしたくない植物がある場合や、近隣の方が作物を植えている場合などは別の日に散布するようにしてください。植物だけではなく、風によって自分に除草剤がかかってしまう可能性もあるので、その点にも注意が必要です。強風のときは除草剤を散布するのをやめて、可能であれば曇りや晴れが数日続くときに撒きましょう。
皮膚についたらどうする?
除草剤は皮膚には有毒であるものも多いため、撒くときは皮膚につかないように作業しなければなりません。除草剤が皮膚に付着すると皮膚炎になったり、ひどいと火傷になったりする危険性があります。
除草剤を撒くときは、長袖長ズボンを着用し、手袋をはめましょう。突風によって除草剤が舞い上がる可能性もあるので、顔もゴーグルやマスクなどで保護すると安心です。万が一、除草剤が皮膚についてしまったらすぐに洗い流してください。場合によっては病院の受診も検討しましょう。
まとめ
除草剤を撒いたあとに雨が降ると、薬剤が薄まってしまい効果が弱まる可能性があります。雨上がりであれば、粒状の除草剤は散布が可能です。液状の除草剤は雨が乾いてから撒きましょう。
また、どちらの除草剤も使い方を守って塗布することが大切です。特に液状の除草剤は決められた倍率で希釈することで効果を発揮します。薄すぎたり、濃すぎたりしないように、用法を守って使用し、雑草のないきれいな庭を保ちましょう。