無印良品が力を入れる「中古リノベマンション」の魅力に迫る! 首都圏でも2,000万円台から、高性能マンションが買える

首都圏のマンション価格が高騰しています。2023年3月には新築マンションの平均価格が1億円を超え、東京23区に限れば2億円を超えました。とても庶民には手が届きそうもありませんが、そんな中、無印良品が中古マンションを購入して“無印良品流”に性能を向上したリノベーションを実施。首都圏でも2,000万円台の低価格で提供する分譲中古マンションに力を入れています。

戸建て住宅は年間300戸販売の実績を持つ

無印良品がマンション販売といっても、ピンとこない人がいるかもしれませんが、無印良品では衣料品から生活雑貨、食品までさまざまな商品を扱っています。家具や収納なども扱い、もともと住宅とも無縁ではありません。

2004年からは戸建て住宅を手がけ、現在では年間約300棟を販売しています。また、2012年からはUR都市機構と連携して団地のリノベーションを手がけ、10年間で1,000戸以上のリノベーションを行ってきました。

その実績を踏まえ、最近は中古住宅を買い取って無印良品流の性能を向上したリノベーションを施して販売する分譲中古マンションの販売に力を入れています。リノベーションマンションの販売を行う不動産会社や工務店などは少なくありませんが、無印良品で培ってきたおしゃれで快適な住まいを、首都圏でも2,000万円台で提供、注目を浴びています。

スケルトン状態にしてからリノベーション

無印良品
ライフスタイルに合わせて変化させられる住まい(画像提供:無印良品)

無印良品のリノベーションマンション、商品名は「MUJI INFILL 0」です。首都圏で2,000万円台という価格の安さは大きな魅力ですが、魅力はそれだけではありません。良質なものを安く提供するという考え方に基づいて、新築マンション並みにリノベーションしたうえで販売しています。

その際のポイントとして、無印では次の3点を挙げています。

➀性能 生命や健康に関わる要素
➁間取り 暮らし方に関わる要素
➂素材 見た目に関わる要素

➀の性能については、耐震性と断熱性が柱になっています。耐震性は、1981年(昭和56年)施行の新耐震基準を満たす物件が対象。新耐震基準は大地震でも倒壊しないことを前提としているため安心です。断熱性に関しては、全戸、国の基準に沿った温熱計算を実施し、高い断熱性能を確保します。

まずは中古マンションの設備や間仕切りなどを撤去、スケルトン(建築物などの骨格)状態にして見えない部分まで確認し、これなら大丈夫と判断したうえでリノベーションを実施します。商品名が「MUJI INFILL 0」となっているのは、スケルトンにしたうえで、ゼロからつくり直すという意味でしょう。

ライフスタイルの変化に対応できる住まい

➁の間取りについては、日当り、風通しの良い広々とした空間にリノベーションします。たとえば、2DKの間取りをワンルームに変え、ゆったりとした住まいにつくり替えて、風通しを良くします。

同時に、可変性の高い間仕切りを採用。当初は夫婦二人暮らしでも、子どもが誕生して成長すれば、ワンルームから子ども部屋を確保できるような、暮らし方の変化に合わせられる可変性の高い間取りとしています。

➂の素材へのこだわりも「MUJI INFILL 0」の大きな特徴です。本当に必要なものだけを残して、暮らしの原点(0)をつくり、自由にパーツやアイテムをプラスしていくという考え方です。

無印のリノベマンションは1平方メートル単価36万円から

無印良品では、リーズナブルな価格帯の物件供給に力を入れています。主に郊外の、築年数はたっているものの基本性能が高く、維持管理状態の良い物件を取得、URとの提携によって培ってきたリノベーションを施して販売します。都心からの距離は比較的遠いですが、在宅勤務が可能な人であれば、通勤時間などはさほど気にしなくていいでしょう。

首都圏でも2,000万円台での販売を中心としていく方針ということですから、住宅ローン負担も軽減され、ゆとりある生活を送ることができるようになります。
無印良品によると、2023年の2月の首都圏のマンション価格を比較すると次のようになるそうです。

・首都圏の新築マンションの1平方メートル単価:101万円(不動産経済研究所)
・首都圏の中古マンションの1平方メートル単価:68万円(東日本不動産流通機構)
・無印良品のリノベーション完成品の平均1平方メートル単価:36万円から

月々のローン返済額は5万円ほどで済む

新築マンションは1平方メートル単価101万円ですから、70平方メートルのファミリータイプのマンションを求めるとすれば7,000万円以上の予算が必要です。中古マンションでも5,000万円近くかかります。

それに対して、「MUJI INFILL 0」なら2,500万円ほどで手に入れることができる計算です。これだけの差がありますから、購入後の負担がまったく違ってきます。

仮に500万円の自己資金を用意できるとすれば、新築マンションなら6,500万円、中古マンションでも4,500万円ほどの住宅ローンを借りる必要がありますが、「MUJI INFILL 0」なら2,000万円ほどで済みます。金利0.4%の変動金利型、35年元利均等・ボーナス返済なしだと、毎月返済額は以下のようになります。

筆者による試算

ローンの負担軽減に加えて、光熱費の削減も

このようにローン負担が大幅に軽減されるのに加え、高断熱の住まいづくりによって、光熱費も削減できます。取り扱っている物件の一例として、国土交通省告示に基づく第三者認証の建築物省エネルギー性能表示(BELS)の最高等級を取得し、一次消費エネルギーを34%削減。無印良品によると、年間光熱費(想定計算値)が約25%低減され、23万円が17万円に減少します。

この無印良品のリノベーションについて、東京の青山、有明、横浜ランドマークタワーにモデルルームを設置しています。自宅のリノベーションの相談や中古物件探し、リノベーションマンションの完成品を購入することも可能です。

その中で、横浜のランドマークタワー11階のモデルルームは専有面積59平方メートルで、可変性の高い間仕切りを利用してリビング・ダイニング・キッチンと寝室2つの2LDKとし、広々とした空間を確保しています。間仕切りは引き戸・家具を利用しているので、暮らし方に合わせていつでも間取りを変更することができます。

キッチンは、無印良品のオリジナルキッチンで、新仕様フローリング、新仕様ユニットバス、広々とした木製洗面台などが展示されています。

購入者からは居住性の高さに満足の声

たとえば、横浜市の若葉台団地のリノベーションマンションを購入した夫婦のご主人はこんな感想を話してくれました。

「性能の高さを実感しています。三方に窓がある住まいですが、窓を二重にしているうえに、壁に断熱材を入れているおかげで、断熱性も防音性も高いですね。エアコンの使用も最小限にできているので、光熱費もリーズナブルになりましたし、音楽を家で聴いたりする際もあまり気兼ねしなくて良いので、快適です」

また、奥さまは「リビングが広いのが想像していた以上に心地よいです。全部の窓から緑が見えて、四季の移り変わりが感じられるところも気に入っています。通気性もよく、窓を開けると、とても風通しがいいんです。夜、窓を開けて虫の音を聴きながらお酒を夫婦で飲むのが、新たな趣味になりました。団地コミュニケーションがしっかりしているところも、子どもがいる私たちにとっては安心感があります」と話しています。

分譲中古マンションは年間100戸の販売目標

3ヶ所のモデルルームでは、これから中古マンションや中古戸建て住宅を購入してリノベーションを検討している人、すでに購入した中古住宅のリノベーションを考えている人、今住んでいる住まいのリノベーションを検討している人などに幅広く対応しています。

また、セミナー、個別相談会、モデルルーム案内会などのイベントを随時開催し、近隣の無印良品の店舗とも連携して、より多くの人に「MUJI INFILL 0」だけではなく、無印良品のリノベーションを広める活動を行っています。

こうした施策によって、無印良品のリノベーションの一段の浸透をはかり、分譲中古マンションに関しては2025年以降、年間100戸の販売を目指していくそうです。抑えた価格ながら性能の高い無印良品流の中古マンションに今後も期待が高まります。

取材協力/無印良品

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