メゾネットは階段があって住みにくい!? メリットとデメリットを解説!

メゾネットの賃貸物件は戸建てのような暮らしができるため、あこがれる人もいるのではないでしょうか。一方で、室内に階段があるため、上下の移動が大変で住みにくいという意見もあります。今回は、メゾネットとはどのような特徴がある物件なのか、メゾネットで暮らすメリットやデメリットを解説します。

メゾネットとは

メゾネットとは、一つの住戸に2階層以上のフロアがある集合住宅のことで、室内に内階段が設置されているのが特徴です。戸建てとは異なり、住戸同士が界壁(各住戸を仕切る壁)を共有しています。テラスハウスやタウンハウスと呼ばれることもあります。ただし、賃貸情報サイトなどでははっきりと区別せず、どれも同じものとして紹介されていることもあるようです。

また、簡易的なはしご階段のあるロフトは、屋根裏収納といった位置付けで、居室にはならず床面積にも含まれないためメゾネットとは呼びません。1階に玄関があり、目の前の内階段を上がって2階に住戸があるタイプの物件(重層長屋)もメゾネットには含まれません。

メゾネットに住むメリット

メゾネットタイプはワンフロアの物件と異なり、上と下のフロアに分かれているのが大きな特徴です。ここでは、メゾネットに住むとどのようなメリットがあるのか解説します。

生活空間を分けられる
メゾネットはワンフロアの物件と異なり、上と下とでしっかりエリア分けができるのが大きなメリットです。たとえば、1階がリビング、2階が寝室など、1階と2階とで生活空間を分けられます。

来客があった際も、2階のプライベートゾーンは見られる心配がありません。また、1階と2階のフロアごとの独立性が確保できるため、テレワークをする場合でも、プライベート空間と仕事部屋をしっかりと区別できます。

上下階のトラブルを避けられる
アパートやマンションなどでは、上下階の生活音が気になることも多いでしょう。特に小さい子どもがいる場合は、走ったり飛び跳ねたり、物を落としたりする音で階下に迷惑をかけていないか心配になるかもしれません。その点、テラスハウスやタウンハウスのメゾネットなら基本的に上下に部屋がないため、騒音トラブルのリスクを下げることができます。

開放感がある
メゾネットタイプの物件のなかには、リビングが吹き抜けになっている間取りもあり、ワンフロアでは得られない縦方向への開放的な空間が生まれます。吹き抜けなら自然光も入りやすく、室内がより明るく感じられるでしょう。上下階でプライベートを保ちつつ、ゆるやかなつながりが持てるのもメリットです。

戸建て感覚で住める
メゾネットタイプのテラスハウスやタウンハウスなら、建物の玄関から直接外へ出られるため、戸建て感覚で暮らせます。また、玄関から外へのアプローチが部屋ごとに独立していれば、玄関周りでガーデニングも楽しめるでしょう。専用庭があれば、物干し台や物置を置いて有効活用することもできます。専用庭に花壇や家庭菜園を作ったりガーデンテーブルセットを置いたりできれば、戸建てに住んでいるような暮らしが実現できるでしょう。

メゾネットに住むデメリット

メゾネットタイプの物件は希少性があり魅力的な反面、実際に住んでみると、人によってはデメリットと感じる点もあるものです。以下に、どのようなデメリットがあるか解説します。

階段の昇り降りが大変
室内に階段があるため、ワンフロアの生活に慣れている人は、階段の昇り降りに負担を感じる可能性があります。たとえば、1階に洗濯機、2階にベランダがある場合は、洗濯したものを持って2階まで運ばなければなりません。

また、寝室からトイレに行くために階段を使うケースもあるでしょう。寝ぼけて階段から落ちないように気をつける必要があります。

居住スペースがやや狭い
ワンフロアの同じ専有面積の物件と比べた場合、メゾネットタイプは内階段がある分だけ居住スペースが狭く感じられるかもしれません。階段下にトイレや収納を設ける間取りもありますが、階段下がデッドスペースになっているケースもあるようです。

また、上下にトイレがある場合も、便利な反面、その分のスペースが狭くなっているともいえます。専有面積の広さでメゾネットを選んだ場合、思っていたよりも狭かったということが起こる可能性があります。

荷物の搬入が難しいケースがある
内階段は、マンションなどの共用階段の幅よりも狭い場合がほとんどです。また、居室スペースを少しでも広く確保するため、階段をできるだけコンパクトにしている物件も見られます。

階段の幅や形状、踊り場の奥行きなどによっては、2階への荷物の搬入が難しいケースがあります。ベッドやタンスなどの大型家具は解体してから組み立てるか、吊り作業やクレーンが必要になり、搬入の特殊作業に対する手数料が高額になってしまうかもしれません。

光熱費がかかる
メゾネットタイプは、縦に2層に分かれたフロアが内階段でつながっているため、冷たい空気は下に、暖かい空気は上に移動してしまいます。吹き抜けリビングの場合、床面積に対応したエアコンではパワーが足りません。

日中は1階のリビングで過ごして、2階の寝室で寝ようとすると、こもった熱気で高温になった室温をエアコンで一気に冷やさなければならない可能性もあります。上下に生活空間が分かれていれば、それぞれに冷暖房が必要になり、光熱費も余分にかかってしまう点はデメリットです。

メゾネットが向いているケース・向いていないケース

メゾネットはそもそも物件数が少ないため、希望のエリアで入居者募集中の賃貸物件があれば選択肢に加えてみてもよいでしょう。ただし、状況によってはメゾネットに向いていないケースもあるため、そのあたりをクリアできるかどうかがポイントです。以下に、メゾネットの向き不向きについて解説します。

向いているケース
メゾネットは生活空間を分けやすく、それぞれのフロアに独立性があるため、生活時間が異なる二人暮らしや子ども部屋が必要なファミリーに向いています。また、夜勤や早朝勤務など、生活時間帯が異なる家族がいる場合にも、フロアが別なら物音もさほど気にならないため、お互いの睡眠を邪魔せずに済みます。

テレワークなどで仕事部屋とプライベート空間をきっちり分けたい人にもメゾネットはおすすめです。また、家事の物音やリビングで団らんしている声が聞こえにくい場所を子ども部屋にすれば、受験を控えていても集中して勉強できるでしょう。

向いていないケース
今まで階段のある一戸建てで暮らした経験がなければ、以下に当てはまるような人は、メゾネットでの暮らしをイメージしてよく検討してみることをおすすめします。

たとえば、乳幼児や高齢者がいる場合は、階段の昇り降りでケガをするおそれがあります。きちんとした対策で安全が確認できない限り、あまりおすすめできません。また、フラットな物件と異なりバリアフリーではないため、車椅子の人が来訪し階段を使う必要がある家庭も不向きです。

2階に大きな家具を置きたいときも、スムーズに階段で搬入できそうか、分解組み立てが必要か、窓からの吊り作業が必要かなど事前に確認したほうがよいでしょう。

まとめ

メゾネットは、1階と2階で生活空間を分けられるのが大きなメリットです。ただし、階段の昇り降りが負担になったり、光熱費が高くなったりするデメリットもあります。昇り降りが大変で、2階の物がだんだんと1階に集まってきて手狭になるケースも散見されます。

メゾネットを借りる際は、間取りや階段の使いやすさ、メリットやデメリット、向き不向きを理解したうえで契約することが大切です。

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