3人暮らしに必要な部屋の広さは何平方メートル? 住みやすい間取りとは?

部屋の広さは物件の価格や家賃を決める要素の一つです。ムダな費用を抑えるのは大切なことですが、快適に生活するには家族の人数に合った広さを知る必要があります。今回は、夫婦と子ども1人の3人暮らしに必要な部屋の広さについて解説します。3人暮らしが可能な間取りと注意点も紹介しますので、住まいを探すときの参考にしてください。

3人暮らしに最低限必要な面積は40平方メートル

「住生活基本計画」によると、国が推奨する「健康で文化的な住生活に必要不可欠な住宅の面積水準(最低居住面積水準)」は、3人世帯で最低40平方メートルです。そのうち1人が3~5歳の子どもである場合でも、35平方メートルは必要とされています。

※出典:住生活基本計画における「水準」について|国土交通省

ちなみに、2018年の住宅・土地統計調査では、最低居住面積水準未満で生活している世帯は約4%であることがわかりました。つまり、世帯人数に関係なく、ほとんどの世帯が水準程度あるいは水準よりも広い部屋に住んでいることになります。

※出典:平成30年 住宅・土地統計調査|国土交通省

生活しやすい広さは75~100平方メートル
「住生活基本計画」では、「豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積水準(誘導居住面積水準)」についても触れられています。

3人暮らしの場合、都心とその周辺での集合住宅に住む場合(都市居住型)は75平方メートル、郊外や都市部以外の戸建てに住む場合(一般型)は100平方メートルが望ましいということです。

3人のうち1人が3~5歳の子どもの場合の誘導居住面積水準は、都市居住型で65平方メートル、一般型だと87.5平方メートルとされています。したがって、3人暮らしで快適に生活するには専有面積75~100平方メートルの範囲での部屋探しがおすすめです。ちなみにベランダやバルコニー、ロフトは専有面積に含まれません。

※出典:住生活基本計画における「水準」について|厚生労働省

3人暮らしにおすすめの間取り

3人暮らしに必要な住宅の広さはわかりましたが、具体的にはどのような間取りが選ばれているのでしょうか。ここでは3人暮らしにおすすめの間取りとそれぞれの生活スタイルを解説します。

1LDK
「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」では、DKやLDKの表記について次のような基準を設けています。

※出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則|不動産公正取引協議会連合会

1LDKは居室1部屋+8畳以上のリビングダイニングキッチンという間取りです。1人暮らしや同棲・新婚カップルに人気の間取りですが、子どもが小さいうちは3人暮らしでも不便はありません。むしろ子どもに目が届きやすい安全な間取りといえます。ただし、個室が一つしかないためプライバシーの確保は難しいでしょう。

2DK
2DKは居室2部屋+6畳以上10畳未満のダイニングキッチンがある間取りです。夫婦と子ども1人の3人暮らしでは、1部屋が子ども部屋、もう1部屋が夫婦の寝室といった使い方ができます。

ただし、リビングがないため、家族が集まってくつろぐには窮屈に感じるかもしれません。1980年代に多く用いられた間取りで築年数の古い物件が多く、販売価格・家賃ともに抑えられる物件が多い傾向にあります。近年はリノベーション済みの物件が増えているため、そうした物件を探してみるのもよいでしょう。

2LDK
居室2部屋+10畳以上のリビングダイニングキッチンがある2LDKは、3人暮らしに特におすすめの間取りといえます。

リビングがあるので家族憩いの場ができますし、来客時にも困ることはないでしょう。2部屋を夫婦の寝室と子ども部屋に使用するケースが多く、子どもが独立してからは夫婦がそれぞれにプライベートルームを持つことも可能です。

ライフステージに応じて使い分けができ、長く住める間取りといえます。ただし、家族が増えた場合は手狭になる可能性があるため、購入するのであれば慎重に検討するようにしてください。

3DK
3DKは居室3部屋+6畳以上10畳未満のダイニングキッチンを持つ間取りです。家族3人が個室を持てるのがメリットですが、リビングがないため家族が集まる場所が作りにくいのはデメリットといえます。

来客が多い家庭では使いにくさを感じるかもしれませんが、間仕切りを開放すれば広いスペースが確保できるような間取りを選ぶという方法もあります。2DKと同じく築年数の古い物件が多く、購入費用や家賃を抑えたい場合におすすめです。

3LDK
居室3部屋+10畳以上のリビングダイニングキッチンの3LDKは、3人で暮らすには十分なゆとりがある間取りです。

家族がそれぞれ個室を持つこともできますし、趣味や仕事に使う部屋を確保することもできます。将来的に家族が増えても困ることはないでしょう。システムキッチンや浴室乾燥機など設備が充実した物件も多く、快適な暮らしが期待できます。

ただし、販売価格や家賃は高額になりがちなため、無理なく支払っていけるかどうかをしっかり考えることが大切です。

3人暮らし世帯の現状

3人暮らしにおすすめの間取りを押さえたところで、実際にはどのような間取りが選ばれているのか、3人家族184世帯を対象としたアンケートから見ていきましょう。

※出典:184世帯にアンケート!3人家族にベストな間取りと決め方の全知識|住まいの教科書

2LDKは3人暮らしに特におすすめの間取りとお伝えしましたが、やはり半数以上が2LDKに住んでいるという結果となりました。居室2部屋のうち1部屋は夫婦の寝室に、もう1部屋は子ども部屋のほか収納や書斎に使用という回答が寄せられています。子どもが小さいうちは家族そろって同じ部屋で寝る家庭が多いようです。

3人暮らしで部屋の広さや間取りを決めるポイント

これまでに紹介したことを踏まえ、3人暮らしの世帯が部屋の広さや間取りを決めるポイントと部屋選びの注意点について解説します。

長期間住む予定のときは広めの物件を選ぶ
ライフスタイルやライフステージの変化に応じて住み替えるなら、現在の状況にちょうどよい間取りを選んでも問題ないでしょう。注意しておきたいのは、賃貸物件なら気軽に住み替えができますが、購入するとそう簡単には引っ越しができないことです。家の購入後に2人目・3人目の子どもを希望するのであれば、広めの間取りを選んでおくと安心です。

子どもが住みやすいかどうか
子どもが小さいうちは間取りや広さよりも「子どもが住みやすいかどうか」を重視したいところです。木造や軽量鉄骨造のアパートでは、子どもの声や足音が近隣トラブルにつながるケースが少なくありません。防音性の高いマンションか独立した戸建てを選んだほうが、子どもには住みやすいのではないでしょうか。

予算を超えないようにする
住まい選びで間取りや広さは重要なチェックポイントですが、予算を超えてしまわないように注意してください。家賃や住宅ローンは世帯年収の20~25%程度に抑えるのが理想です。子どもが成長するにつれて教育費などの負担も増えていきます。無理のない範囲で維持できる物件を選ぶようにしましょう。

まとめ

3人で快適に生活するのに理想の面積は75~100平方メートル、夫婦+子ども1人の3人家族に最も選ばれている間取りは2LDKです。

子どもが小さいうちは1LDKでも不自由なく暮らせますが、成長すると子ども部屋が必要になります。状況に応じて住みやすい間取りの家に住み替えるという方法もありますが、同じ家に長く住み続けるのであれば、子どもの成長や家族が増える可能性も考えて、少し広めの間取りを選んでおくとよいでしょう。

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