一人暮らしの部屋の広さは何平米くらいが適切? 賃貸物件を選ぶ際のポイントを解説

納得して選んだ部屋なのに、実際に住み始めたら手狭に感じたという経験はないでしょうか。物件情報には平米数が記載されていますが、それがどのくらいの広さなのかイメージしづらい場合もあるでしょう。そこで今回は、一人暮らし用の部屋を探している人に向けて、快適に過ごせる部屋の広さや間取りについて解説します。

一人暮らしをするなら何平米がいい?

はじめに、一人暮らしをするならおおよそ何平米の部屋を選べばいいのかを押さえていきましょう。

そもそも平米とは
住宅の間取り図では、部屋の広さを「平方メートル」「平米」「畳(帖)」などの単位で表しています。平米とは1平方メートルのことで、1平米は大体0.61畳(帖)、逆に1畳(帖)は1.62平米以上です。たとえば、「専有面積22平方メートル」と記載されていた場合は、「22平米」「13.42畳(帖)」くらいの広さということになります。

ちなみに、専有面積の測り方には次の2種類があります。
・壁芯(へきしん・かべしん)面積:壁の厚みの中心から測る
・内法(うちのり)面積:壁の内側から測る

壁芯面積の場合は壁の厚みが含まれるため、実際に使用できる面積が少し狭くなることに注意してください。賃貸物件では内法面積で表示されているケースが多いようですが、念のため不動産会社に確認することをおすすめします。なお、ベランダやバルコニー、床下収納、ロフトは専有面積に含まれません。

一人暮らしに適した広さとは
国土交通省では「健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積」として、単身世帯では最低でも25平米を目指すとしています。

出典:住生活基本計画における「水準」について|国土交通省

専有面積25平米前後の物件では、間取りはワンルームや1K、1DKが一般的です。また、数は少ないものの1LDKや2Kの物件も存在します。ちなみに、不動産公正取引協議会連合会では「DK」や「LDK」の広告表示について、下記のとおり最低必要な広さ(畳数)の目安を定めています。

出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則|不動産公正取引協議会連合会

たとえば、専有面積25平米の1DKでは、DKが最低でも7.29平米、残りが居室・バス・トイレということになります。あくまでも基準であり、すべての物件にあてはまるわけではありませんが、部屋の広さを想像するときの参考になるのではないでしょうか。

専有面積ごとに間取りを比較!

一人暮らしには最低25平米の専有面積が必要とされていますが、それよりも狭い部屋もあれば広い部屋もあります。ここからは、どのような間取りの部屋が借りられるのかを専有面積ごとに紹介します。

20平米以下
専有面積20平米以下の場合、間取りはワンルームまたは1Kがほとんどです。ワンルームの場合、6畳(帖)ほどの居室に1口コンロが付いたミニキッチンという間取りになります。バス・トイレ・洗面が一体になった3点ユニットといったパターンが一般的ですが、近年はトイレが独立した間取りも増えています。ただし、3点ユニットの物件に比べると居室や収納のスペースがやや狭くなりがちです。

なお、ロフト付きの物件は表示されている専有面積のほかにロフト部分のスペースが利用できるため、平米数から想像するよりも快適に暮らせるかもしれません。

20~25平米
専有面積20~25平米の範囲では、ワンルームや1Kに加えて1DK、2Kなどの物件も出てきます。居室の広さはワンルームで9~10畳(帖)ほど、1DKでは6~7畳(帖)ほどです。バス・トイレが独立した間取りや収納にゆとりのある物件が多くなり、快適な一人暮らしができるでしょう。

25~30平米
専有面積25~30平米になると、2Kの物件数が多くなります。居室の広さはワンルームで9~10畳(帖)ほど、2Kでは4.5畳(帖)+6畳(帖)が一般的です。バス・トイレ・洗面がそれぞれ独立していたり収納が充実していたりするため、生活に不便はないでしょう。システムキッチンを備えた物件も多くなるので、自炊派の人にもおすすめです。また、1階と2階が利用できるメゾネットタイプの物件も登場します。

一人暮らし向け賃貸物件を選ぶ際のポイント

専有面積が同じでも、間取りや設備によって住み心地が変わってきます。ここでは、快適な一人暮らしを実現するためにチェックしておきたい部屋選びのポイントを紹介します。

間取り
専有面積25平米前後に多い間取りの特徴を以下にまとめます。自分の好みやライフスタイルに合う部屋を選ぶための参考にしてください。

【ワンルーム】
一人暮らし向けの間取りのなかでは最も建築コストが少なく、家賃を安く抑えられるのがメリットです。居室の一角にミニキッチンが備えられているため、調理のにおいが服や寝具についてしまう可能性があります。

【1K】
キッチンと居室がドアなどで仕切られ、居室に調理のにおいがまわるのを防ぐことができます。ただし、間仕切りがある分、家賃はワンルームよりも高めになります。

【1DK】
キッチンに小さめのダイニングテーブルが置けるので、食事の場所とくつろぐ場所をしっかり分けることができます。築年数の古い物件が多いため、リノベーション済みの部屋を探すとよいかもしれません。

【1LDK】
広めのリビングがあり、一人暮らしはもちろん二人暮らしも可能です。比較的新しい間取りのため、築年数の浅い物件が多いという特徴があります。

収納スペース
ハンガーレールや棚などが付いた機能的な収納スペースがあればタンスなどの収納家具を置く必要がなく、狭い部屋でもゆったりと暮らせます。ただし、収納スペースも専有面積に含まれるので、広くなるほど居室のスペースを圧迫します。荷物が少ない場合は、収納スペースよりも居室の広さを重視して選ぶほうがよいでしょう。

ロフト
ロフト部分は専有面積に含まれないため、同じ専有面積で選ぶならロフト付きの部屋のほうがスペースを有効活用できます。天井が高く設計されていることが多く、居室にいるときに開放感を感じられるのもメリットといえるでしょう。収納に利用するのが一般的ですが、シングルベッドのサイズと同じくらいの広さ(100cm×200cm)があれば就寝スペースとしても活用できます。

一人暮らしにあると便利な設備

ここでは、間取りや部屋の広さ以外に着目したいポイントとして、一人暮らしにあると便利な設備を紹介します。

宅配ボックス
一人暮らしや共働きで日中は留守にすることが多い場合、宅配ボックスがあると便利です。宅配ボックスとは、不在のときでも荷物の受け取りができるロッカー型の設備をいいます。コロナ禍で直接の手渡しを避ける「置き配サービス」が普及し、共有施設として宅配ボックスを設置するマンションが増えています。特にインターネットでの買い物が多い人は、物件選びのチェックポイントに宅配ボックスの有無を加えることをおすすめします。

モニター付きインターホン
一人暮らしに心強いのがモニター付きインターホンです。チャイムに小型カメラが設置されていて、ドアを開ける前に室内のモニターで来訪者を確認できるため、防犯上欠かせないアイテムといえるでしょう。

ガスコンロ・IHクッキングヒーター
自炊する場合、ガスコンロやIHクッキングヒーターがあらかじめ設置されているかどうかを確認しましょう。設置されていなければ自分で用意しなくてはなりません。1口タイプのガスコンロやIHクッキングヒーターを購入するとなると、5,000円から1万円程度の出費です。あまり自炊しないのなら、電子レンジや電気ポットなどで代用するという手もあります。

まとめ

一人暮らしの部屋に必要な広さの目安は25平米前後です。ただし、間取りや設備によっても部屋の使い勝手は異なります。自分のライフスタイルや家賃負担なども考えながら、より快適に過ごせる部屋を選びましょう。

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