効果的なハウスダスト対策と掃除をする際の注意点

花粉の時期などに関係なく、一年を通じてアレルギー症状がある場合、ハウスダストが原因の可能性があります。ハウスダストはどこにでもあり、完全に除去することは難しいですが、効果的な対策を行うことでアレルギー症状を軽減することができます。

そこで今回は、ハウスダスト対策について、効果的な掃除方法や注意点について解説します。ハウスダストが原因と考えられるアレルギー症状にお悩みの方は、ぜひお試しください。

アレルギー症状の原因はハウスダスト?

ハウスダストとは、生物学、医学、環境科学などで統一された定義はありませんが、概ね室内にある1mm以下の見えにくいチリやホコリのことです。その中には、衣類などから出る繊維くずやダニの死骸・フン、人の皮膚片・フケ、ペットの毛、花粉、タバコの煙など多様な物質が含まれています。

住宅・不動産業界では、ダニ、カビなどもハウスダストに含めています。これらのハウスダストは、細かくて軽いため、空気中を漂い、家具や床の上などにたまりがちです。国立成育医療研究センターのWebサイトでは、ダニやハウスダストなどのアレルゲンは気管支喘息などの原因となることがあると説明されています。

出典:アレルギーについて|国立成育医療研究センター

ハウスダストがたまりやすい場所

ハウスダストは室内のさまざまな場所にたまってしまいます。日常的に掃除を行ってきれいにしているつもりでも、背の高い家具の上や隙間など、見えにくい場所にもハウスダストはたまっています。ハウスダストがたまりやすい場所は以下のとおりです。

・寝室
布団や枕などの寝具から発生する繊維くずや、人の毛髪・フケなどがたまりやすい場所です。これらのハウスダストと適度な気温・湿気はダニが生息しやすい環境を作り出すため、寝室はダニのフン・死骸なども家の中で一番たまりやすくなります。

・カーテン
大きい面積を覆う布製品のカーテンも、繊維くずの原因になります。また、窓が結露したまま放置するとカーテンにカビが発生しやすく、外からのチリやホコリなどがフィルターのように付着します。掃除をするときにはカーテンを開けたりタッセルでまとめたりするため、なかなか汚れに気づかない場所でもあります。

・本棚
家具などのツルツルした表面と異なり、本の表面はハウスダストを保持しやすくたまりやすい傾向があります。本の上のデコボコした部分や隙間のホコリは掃除の際も見逃されやすいかもしれません。

ハウスダストを掃除するときの注意点

ハウスダストを減らすには、日頃のこまめな掃除が欠かせません。ここでは、ハウスダストを取り除く際の注意点を解説します。

活動し始める前に掃除をする
ハウスダストは人の動きに合わせて空気中を移動し、常に空中に舞い続けています。ハウスダストのなかでも大きめの粒子は、人が寝ている間に家具の上や床に降りてきて付着します。ただし、人が起きて動き始めると、床にたまったハウスダストがまた空中に舞い上がって浮遊してしまうのです。

そのため、掃除をするならできれば朝一番など、人が活動する前に行うのが効果的です。あるいは、家族が外出してしばらく留守にしたあとの帰宅直後に掃除するのでもよいでしょう。

上から下に向かって掃除をする
掃除の基本は上から下。この順番はハウスダスト対策の掃除でも同じです。まずは、天井に近い照明器具のカバーやエアコンの上部、背の高い家具などの上にたまっているホコリを先に取り除きます。

ただし、ハタキなどでパタパタとホコリをまき散らすのではなく、ホコリを吸着するモップなどを使いましょう。床の掃除も、いきなり掃除機をかけてしまうと、掃除機の排気で床のハウスダストを舞い上げてしまいます。掃除機をかける前に、モップやお掃除シートでハウスダストをある程度取り除いてから、掃除機をかけるのが効果的です。

できるだけ毎日掃除をする
ハウスダスト対策としては、できるだけ毎日掃除をすることが効果的です。ほぼ毎日掃除をしている家と、週一回の掃除をしている家とでは、アレルゲンの量に数十倍から数百倍もの差が生じます。

食べ物かすや人間のフケなどを放置することにより、それらをエサにするダニや細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまうことが原因と見られます。そのため、こまめに掃除をしてハウスダストをたまりにくくし、アレルゲンとなる物質の量を少なくすることが重要です。

効果的なハウスダスト対策を紹介

普段の掃除以外にも、ハウスダストに効果的な対策がいくつかあります。まずはできることから取り入れてみましょう。

こまめに換気をする
ハウスダストは空気中にも多く含まれるため、こまめに部屋の換気をして新鮮な空気を取り入れることも有効です。花粉、黄砂、排気ガスの心配のない場所では、ぜひ換気をして風通しをよくしておきましょう。

室内の湿度が高くなるとダニやカビなどが繁殖しやすい環境となってしまうため、換気をして風を通し、湿気がこもらないよう心がけてください。晴れて乾燥している日には、押し入れやクローゼットなどの襖やドアを開けるなどして、換気をして湿気を飛ばしましょう。

空気清浄機を使う
ハウスダスト対策には、空気清浄機がかなり有効です。花粉シーズンや風の強い日などは窓を開けて換気をするのがためらわれるものです。また、防犯上、窓を開けておくのが心配な方もいるかもしれません。そのようなときでも、空気清浄機があれば、効率よくハウスダストを除去し空気を浄化できます。

アレルギーでお悩みの家庭にはぜひ取り入れたい家電でもあります。購入する際は、部屋の広さや性能、お手入れのしやすさ、ランニングコスト、機能性などを考慮して選ぶことが大切です。

ダニ対策をする
ダニは、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎を引き起こすアレルゲンといわれています。ハウスダストにはダニの死骸やフンが含まれており、ダニは一年中見つかることから、徹底したダニ対策が大切です。

そのためには、家のなかでもダニの温床となりやすい布団やカーペットのこまめなケアが重要になります。天日干しや布団乾燥機で湿気を飛ばして高温で乾燥させるのが効果的です。ただし、乾燥させたあとは掃除機で表と裏を念入りに吸ってダニの死骸やフンを除去しましょう。こまめなケアが難しい場合は、防ダニシートや防ダニ加工が施された製品を使用するのもよいでしょう。

エアコンの掃除をする
エアコン内部の汚れにより、ハウスダストやカビなどが付着し、アレルギー症状を引き起こすこともあります。エアコンのフィルターは室内から取り込んだハウスダストが付着しているため、定期的に掃除して清潔な状態で使わなければなりません。

お掃除機能が付いているエアコンでも、自動掃除機能を過信せず、取扱説明書に記載されている定期的なメンテナンスをしましょう。また、フィルターを通過してしまう微細なハウスダストは、エアコン内部に蓄積してしまいます。

さらに、エアコン内部が結露してカビが発生することもあります。エアコンの運転直後のにおいが気になるときは、それらの汚れが原因です。そのままではカビの胞子を室内にまき散らすことになるため、エアコン内部の掃除が必要です。エアコン本体の分解掃除は、専門の業者へクリーニングを依頼することをおすすめします。

まとめ

ハウスダストが原因と考えられるアレルギー症状を抑えるには、こまめに室内の掃除をすることが大切です。空気中に浮遊する前のタイミングを見計らって、朝一番や帰宅直後などに掃除をすると、床に落ちたハウスダストを舞い上げる前に除去できるため効果的です。

掃除機をかける時間がないときは、モップや掃除シートで軽く掃除をするだけでもハウスダストがたまるのを防げます。空中に浮遊するハウスダストを除去するには空気清浄機が有効です。また、寝具やじゅうたん、ラグ・カーペットなどには、ダニ対策シートや防ダニ加工などの製品を取り入れましょう。

~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア