ガーデニングと園芸の違いとは? ガーデニングに取り組む4つのメリット

もし庭を持つことができたら、色とりどりの花やおいしい野菜を育ててみたいと思う人もいるかもしれません。植物を育てたり、庭全体をコーディネートしたりすることを「ガーデニング」や「園芸」と呼びますが、この2つの使い分けがよくわからないという人も多いでしょう。ガーデニングと園芸の違いや、ガーデニングのメリットをご紹介します。

ガーデニングと園芸の違い

ガーデニングと園芸は同じような場面で使われるため、意味を理解して使い分けをしている人はあまり多くないかもしれません。実はガーデニングと園芸には微妙な違いがあります。2つの違いについて説明します。

ガーデニングとは

ガーデニングは、自宅の庭やベランダで植物を育てて楽しむことです。庭いじりや庭の手入れ、エクステリアの一部も含まれます。ガーデニングは、あくまでも家庭で楽しむものを指し、農家が収益を得る目的で野菜や花を育てるものはガーデニングとは呼びません。土地全体を広く使うのではなく、プランター用いたり、小規模で個人が行ったりする趣味のようなものをガーデニングといいます。

また、ガーデニングは英語で庭を意味するgardenが由来です。そのため、洋風の植物を栽培する場合も、ガーデニングと呼ぶこともあります。

園芸とは

園芸には事業レベルのものも含まれる

園芸は農業の1分野で、果樹や野菜、花きなどを植えて育てること指します。植物を育てるという点ではガーデニングと同じですが、園芸には家庭で楽しむものだけではなく、事業的なものも含まれるのが大きな違いです。たとえば、大規模な畑や果樹園で農作物を育てて販売するのは、ガーデニングではなく園芸と呼びます。個人や家庭で楽しむものもあれば、農家が収益を得ているものもあるのが園芸です。

また、広義の園芸は造園・庭造りも含むので、植物を栽培しない園芸もあります。事実、日本庭園の石庭や枯山水では植物をほとんど使用しません。

ガーデニングの4つのメリット

ガーデニングには、心身ともに大きなメリットがあります。そこで、普段の生活ではなかなか得られない4つのメリットをご紹介します。

自然と触れ合う喜び

自然と触れ合う喜び

都会に住んでいると、日常的に自然と触れ合う機会は多くないかもしれません。自然と触れ合うことは癒しにつながり、心を落ち着かせてくれるため、緑のある暮らしに憧れる人も多いでしょう。

植物を育てると、視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚の五感を刺激します。色とりどりの草花による美しい眺め、自然に触れる感覚、風のそよぐ音や花の香り。そして、野菜や果物を収穫した後にはおいしさも感じられます。忙しい普段の生活で忘れかけていた5つの感覚を呼び起こし、感受性を豊かにするでしょう。

ライフスタイルの多様化に伴い、人々はさまざまな趣味を楽しむようになりました。そのなかでも、人間の感受性を豊かにし、心を癒してくれるガーデニングは、特筆すべき趣味であるといえるのではないでしょうか。

収穫できる

ガーデニングの喜びの一つは、自分で育てたものを収穫して食べられることです。花や木を植えて庭全体を華やかに彩るのも素敵ですが、野菜や果物を育てるのもおすすめです。

野菜や果物を育てると、やりがいを感じられます。小さな種や苗だった野菜が花をつけ、そして実を結ぶとき、視覚的にもわかりやすい成果を実感できるからです。おいしく実るようにと、試行錯誤しながら育てた野菜や果物が収穫できたときの喜びはひとしおです。

そして、収穫した野菜や果物は、料理して家族に振舞ったり、ご近所さんにお裾分けしたりと新たなコミュニケーションを生み出します。ガーデニングは、収穫の楽しみだけではなく人と人とのつながりへと結びつける役割も果たします。

ほどよい運動で健康になれる

ガーデニングにはあまり体を動かすイメージはありませんが、実はほどよい運動になります。立ったりしゃがんだりする動きを中心に、重いコンテナや土を運ぶこともあるでしょう。息切れするほどのハードな運動ではありませんが、運動不足を解消するには十分で、ストレス解消にもつながります。

また、ガーデニングをするときに日光を浴びると、体内でビタミンDが作られます。ビタミンDには骨を強くするはたらきがあるので、骨を丈夫にしたい人にとっても大きなメリットです。ただし、紫外線はシミやシワの原因になる可能性があるので、長袖の服を着たり、つばの広い帽子を被ったりするなどの紫外線対策をして作業するようにしましょう。

そして、ガーデニングは認知症防止にも役立つといわれています。天候や気温に合わせて肥料や水の量を調整するなど、意外と頭を使って管理をしなければなりません。頭の体操にもなるので、医療や福祉の現場でも取り入れられています。

遮光や目隠しになる

シンボルツリーを目隠しに使った例

戸建てに住むなら、南側に大きな窓を設けて、開放感のある間取りにしたいという人も多いでしょう。確かに、南側に大きな開口部を設けることで部屋全体が明るい印象になります。しかし、窓を大きくすると外からも部屋の中が見えてしまいます。そこで役立つのが植栽です。

木を植えると部屋の中が見えづらくなり、目隠しの役割をしてくれます。また、夏の暑い日差しを遮ってくれるので、家が暑くなりすぎるのも防げます。ガーデニングは、遮光や目隠しの役割も果たしてくれるので、大きな窓を設けるときは上手に植栽を取り入れてみてください。

また、植栽は玄関の目隠しにもぴったりです。玄関を開けたとき、外から室内が丸見えになるのは意外と気になるものです。玄関の周りであれば大きなシンボルツリーを植えて育てるのも人気があります。その際、シンボルツリーが大きくなりすぎたり、落ち葉が多かったりすると手入れが大変なので、ライフスタイルに合わせて最適な品種を選びましょう。

まずは一鉢から始めよう

庭全体をコーディネートしようとすると大がかりな作業になりますが、ガーデニングは一鉢からはじめられます。「ガーデニングに興味はあるけれど難しそうだし、知識のない自分にはできない」「そもそもガーデニングができるような広い庭がない」と思う人もいるかもしれません。しかし、小さな花であれば鉢で育てられますし、プランターでも野菜を育てることはできます。

まずは一鉢からはじめてみましょう。あまり手のかからない初心者向けの花もあります。用意するものはそれほど多くなく、鉢や苗、シャベル(スコップ)、じょうろ、霧吹き、軍手などを買いそろえれば十分です。春はガーデニングを始めやすい季節でもあるので、この機会にぜひチャレンジしてみてください。

~こんな記事も読まれています~