地方への移住を検討している人が増えており、島根に対する注目度が上がっています。島根はどのような地域なのでしょうか。今回は、島根の特徴を詳しく紹介したうえで、住みやすさや移住支援の取り組みなどについて解説します。地方移住を考える際の参考として、ぜひ役立ててください。
島根県の基本情報
ここでは、島根県の人口や気候などの基本情報について解説します。
人口・世帯数
島根県の推計人口は65万4,756人です(2023年2月1日現在)。すべての都道府県の人口を比べた人口ランキングでは、島根県は下から2番目の46位となっています。なお、島根県の人口は緩やかに減少し続けています。また、島根県の世帯数は29万3,449世帯です(2022年1月1日現在)。
全国的に見ると、島根は人口が少なく人口密度も小さい県です。地方移住を検討している人の中には、静かな場所を生活の拠点として、自分のペースで暮らしたいという人もいるでしょう。島根県は自然にも恵まれており、豊かな環境で落ち着いた生活を送れます。
気候
島根県の年間の平均気温はおよそ12~15℃です。島根県の気候は、北陸型と北九州型の中間にあたります。4~9月の暖候期は、地域による気候の差はあまりありません。ただし、10~3月の寒候期は東部の寒さが厳しくなり、日本海からの気流によって、出雲平野には特に強い季節風が吹きます。
また、島根県の年間の降水量は1,600〜2,300mm程度です。特に、山間部で多く雨が降る傾向があります。梅雨の時期は、前線の移動により集中豪雨が発生する場合もあります。年間の降水量を見ると、最も多い月は7月、最も少ない月は4月です。
産業
世界的に有名な特殊鋼ブランドである「YSSヤスキハガネ」は、島根県安来市にある日立金属(現株式会社プロテリアル)の安来工場から生まれました。特殊鋼とは、炭素以外の様々な元素を加えることによって、強靭さ、さびにくさ、熱への強さ、摩擦・摩耗への強さ、加工のしやすさなどに優れた合金鋼のことです。
また、プログラミング言語「Ruby」が島根県で誕生するなどIT産業の発展も著しく、産官学が一体となったIT技術の創造、人材育成、企業の誘致などが取り組まれています。
島根県の地域区分
島根県は、出雲地方、石見地方、隠岐地方の大きく3つに地域が分けられています。ここでは、それぞれの地方について解説します。
出雲地方
出雲地方は、島根県の東部の地域です。松江市、出雲市、雲南市、安来市、奥出雲町、飯南町で構成されています。松江市には国宝の松江城が、出雲市には縁結びの神として知られる出雲大社があるため、全国的にも有名で多くの人が訪れます。
石見地方
石見地方は、島根県の西部の地域です。浜田市、益田市、大田市、江津市、津和野町、吉賀町、川本町、美郷町、邑南町が含まれています。こちらも世界遺産の石見銀山や、小京都と呼ばれる津和野などの観光スポットに恵まれています。
隠岐地方
隠岐地方は、島根県の島しょが集まる地域です。比較的大きな4つの島のほか、180もの小島で構成されています。市町村としては、隠岐の島町、西ノ島町、海士町、知夫村が含まれています。
隠岐地方では、島根県の中でも特に雄大な自然を楽しむことが可能です。暖流と寒流が交差しており、珍しい植物も見られます。
島根県へ移住する魅力
島根県へ移住すると、どのような魅力があるのでしょうか。ここでは、島根県へ移住するメリットについてくわしく説明します。
「ちょうどいい」暮らしやすい住環境
島根県は全国的に見ても地価が安めです。そのため、持ち家率が全国平均より高い水準となっています。
また、島根県内のスーパーマーケットの数は、全国的に見ても多い傾向があります。よって、毎日の暮らしにおいても、必要なものを必要なときにすぐそろえられます。暮らしやすさを求めて地方へ移住するなら、島根県は「ちょうどいい」環境といえるでしょう。
子育て支援と教育に熱心
島根県は、子育てもしやすい地域です。島根県の保育所入所待機児童数は、2022年4月1日現在で0名でした。移住後に働きながら子育てしようと考えている場合も、保育園探しでつまずく心配はないでしょう。
また、島根県では「しまね子育て応援パスポートCOCCOLO」を発行しています。協賛店にパスポートを提示すれば、割引などのサービスを受けられる仕組みです。
さらに、島根県は教育にも力を入れています。具体的には「県立高校魅力化ビジョン」や「しまねの学力育成推進プラン」などの取り組みが推進されており、島根県の未来を担う人材の育成がしっかり行われています。
歴史と自然にふれる生活
島根県には、日本という国を語るうえで欠かせない古い歴史があります。神話の舞台である出雲大社には、今でも多くの人が訪れています。また、世界遺産の石見銀山や国宝の松江城などもあり、日本の歴史とともに文化や伝統も身近に感じられるでしょう。
さらに、島根の暮らしは、つねに豊かな自然に囲まれています。島根県の北側は日本海に面しているのに対し、南には中国山地の山々があります。日常的に自然に触れられるため、のびのびとした暮らしを実現できるでしょう。
島根県の移住支援策
島根県へ移住する場合、さまざまな支援策を活用できます。ここでは、島根県の移住支援策について解説します。
わくわく島根生活実現支援事業
わくわく島根生活実現支援事業は、東京23区に住んでいる人や通勤している人が、島根県へ移住する際に活用できる支援策です。対象となる求人へ応募して新しく就業したり、移住後に起業したりすることが条件となっています。転職せず同じ企業に勤め続けながらテレワークに取り組み、自らの意思で移住するパターンも、この事業の対象です。
条件を満たせば、一定の支援金を受け取れます。給付される金額は、家族で移住すれば100万円、単身の場合は60万円です。
しまねUIターンテレワーク支援事業
しまねUIターンテレワーク支援事業は、それまで島根県外で生活していた人が島根県内へ移住し、テレワークに取り組む場合に活用できる支援制度です。島根県内でスムーズにテレワークを行うためのサポートを受けられます。
具体的には、テレワークに必要な通信費やシェアオフィスの利用料などが助成対象となっています。助成額の上限は項目ごとに定められており、補助率は2分の1です。
まとめ
島根県には、移住先としての魅力がたくさんあります。古い歴史や豊かな自然に恵まれ、ゆったりと暮らせる環境が整っています。移住を支援する取り組みも充実しているため、島根県への移住を検討する際は条件を満たしているかよく確認しましょう。島根県へ移住し、理想の暮らしを手に入れるための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。