家具付きのほうがお得? それとも損? 家具付き賃貸のメリット・デメリット

家具付き賃貸は、もとから家具や家電が備えられている物件で、新生活を始めやすいというメリットがあります。一方で、借りる期間や借りる人の状況によっては家賃が割高になることもあるため、利用する際には注意が必要です。

この記事では、家具付き賃貸のメリットとデメリットを解説します。

家具付き賃貸とは

家具付き賃貸とは、家具や家電など生活するうえで必要なものが備えられている賃貸物件を指します。物件によっても異なりますが、一般的にはベッドやテレビ、ソファ、カーテン、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などが備えられていることが多いようです。

そのため、敷金や礼金が不要のウィークリーマンションやマンスリーマンションと同様に捉えられるかもしれません。しかし、家具付き賃貸は家具や家電があるかないかの違いだけで、通常の賃貸と同様、入居時には敷金や礼金、前家賃などの支払いが発生します。

家具付き賃貸のメリット

家具付き賃貸を借りるかどうかは、メリットとデメリットの双方を理解したうえで検討することをおすすめします。以下に、家具付き賃貸の主なメリット3つを紹介します。

新生活を始める費用を抑えられる
新生活を始めるときには、初期費用がかかります。敷金や礼金、前家賃だけでなく、引っ越し費用や家具・家電の購入費などまとまったお金が必要です。しかし、家具付き賃貸を利用すれば、入居前に家具や家電を買わなくてよいため、新生活のスタートにかかる費用を抑えることができます。

入居者は、布団や運びたい家財、身の回り品などがあれば取りあえずは生活に支障はありません。あとは、引っ越し先で必要なものを買い足していけば、当面困ることもないでしょう。

引っ越し費用が安くなる
引っ越しをする際、荷物の量が多ければ大きな車両を用意したり、作業スタッフの人数を増やしたりして対応しなければなりません。また、大型の家具や家電は、設置や配送にオプション料金がかかることがあります。そのため、荷物の量が多いと引っ越し費用も高額になりがちです。

しかし、家具付き賃貸なら家具や家電を運ぶ必要がなく、身の回り品などの少量の荷物で引っ越しができるため、引っ越し費用を安く抑えられる可能性があります。家財の購入費用に加えて引っ越し費用も抑えられるのは、家具付き賃貸の大きなメリットといえるでしょう。

退去時に家具や家電を処分する必要がない
結婚などで1人暮らしの賃貸物件を退去したり、学生や単身赴任者が実家に帰ったりするなど、今まで使っていた家具や家電が不要になるケースも多いでしょう。その場合、退去時に家具や家電を処分して、何もない状態で明け渡さなければなりません。

処分や撤去の際には、処分費用や家電リサイクル料金、引き取り料や運搬料がかかってきます。処分申込みのための手続きや、立ち会いなどの手間もあります。しかし、家具付き賃貸なら、あらかじめ備えられていた家具や家電はそのままで大丈夫です。

転勤や長期出張で一時的に賃貸物件を借りたり、新居へ引っ越すまでの仮住まいが必要だったりする場合にも、家具付き賃貸はおすすめです。

家具付き賃貸のデメリット

続いて、家具付き賃貸のデメリットを解説します。

自分で家具や家電を選べない
家電や家具付きの物件は、自分で購入する場合と異なり、使いたいものを自由には選べません。好みでないものを使わなければならないケースもあるでしょう。メーカーやデザイン、機能性などは追求せず、使えさえすればよいという人であれば問題ありません。

しかし、新生活に憧れがあり、自分好みのインテリアで部屋づくりをしたいこだわり派の人には不向きです。また、家具や家電は前入居者が使ったあとの中古品もあるため、潔癖症の人や新しい機能性を求める人にも向いていません。

不要な家具や家電を勝手に処分できない
家具付き賃貸であらかじめ家具や家電が備えられていても、自分で購入した家具や家電を運び込むことは可能です。しかし、備え付けの家具や家電を勝手に処分することはできません。退去するまで不要なものをそのまま置いておかなければならないため、その分のスペースを有効に使えないのもデメリットです。

また、備え付けの家具や家電を本来置いてあった位置から移動させた場合も、退去のときには元の位置に戻さなければならない点にも注意が必要です。

家賃が割高になっている
家具付き賃貸は、通常の一般の賃貸物件よりも家賃が高く設定されていることがほとんどです。家具付き賃貸は初期費用が抑えられることがメリットですが、長期的に住む場合は、かえって割高になる可能性があることも無視できません。

通常の家賃に家具や家電のリース料金を加算していると考えたにしても、家具や家電の本体価格相当分を支払ったところで自分の持ち物になるわけではないのです。それなら、通常の賃貸で好みの家具や家電をそろえたほうがよかったというケースもあることを考慮しておきましょう。

家具付き賃貸を借りる際の注意点

家具付き賃貸を借りて、備え付けの家具や家電を破損させてしまった際に、勝手に修理をすることはできません。必ず管理会社か家主に連絡して、修理や交換の手続きをしましょう。また、家具が経年劣化により壊れた場合は、基本的に家主が修理や交換の費用を負担します。

ただし、入居者の過失による破損や故障、あるいは契約書に「貸与」または「無償貸与」と記載されている場合は、借主の負担になる可能性があるため、契約内容を確認することが重要です。家具や家電が賃貸住宅の付帯設備なのか、大家さんによる貸与なのかによって、扱いが異なるためです。家具や家電が壊れたときの費用負担についても、契約時に確認するようにしましょう。

家具付き賃貸はお得?

前述のとおり、家具付き賃貸の家賃や敷金は、同じエリアの通常の賃貸に比べて高めに設定されています。そのため、転勤で一時的に住んだり、近い将来また引っ越しの予定があったりなど短期間だけ借りる場合には、引っ越しの手間や費用が抑えられてお得に感じるかもしれません。しかし、賃貸期間が長期に及ぶと、割高になる可能性があります。

また、数ヶ月だけ賃貸物件を借りたいなら、敷金や礼金が不要なマンスリーマンションのほうがお得になることもあるでしょう。つまり、借りる期間やそのときの状況によってお得の度合いが変わってくるため、どちらがどうお得かは一概にはいえません。借りる期間や予定、家具や家電の必要性などを考慮のうえ、どれが一番お得なのかを検討する必要があります。

まとめ

家具付き賃貸は、一時的な仮住まいをする場合におすすめです。新生活の初期費用を抑えられ、退去時に処分する手間や費用がかからないため、1人暮らしを始める人や期間限定の学生、単身赴任などに適しています。ただし、長期的に借りると割高になる可能性があるため、状況に合った物件を選ぶことが重要です。

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