ガソリン代は月に平均いくらかかる? 燃費節約のためのエコドライブ方法

ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響で、ガソリンをはじめとする輸入燃料の価格高騰が報じられています。またガソリンの価格高騰は、企業だけでなく一般家庭の家計にも影響を及ぼしているため、節約方法も注目の話題です。

この記事ではガソリン代の月平均額や、おすすめの節約方法を解説します。

統計から見たガソリン代の月平均額

総務省の「家計調査 家計収支編 詳細結果表」によると、2021年のガソリン代の全国平均は1家計で年間5万9,446円。ひと月あたりおよそ4,954円の計算です。

2021年3月8日時点のガソリン代は1リットルあたり約146円でしたが、2023年1月時点でのガソリン価格は168円とさらに値上がりしています。2021年の統計の数字をこの価格に置き換えると、月約5,770円、年間約6万8,400円になります。

このことから、2023年1月時点現在でのガソリン代の平均は5,000~6,000円だといえるでしょう。国際情勢や政局に左右されやすいガソリン価格ですが、今後しばらくは不安定状態、または高止まりは続くのではないかという予測も立てられています。

出典:総務省 家計調査 「家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表」
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」

ガソリン代を節約する運転方法

ガソリン代を節約する運転方法は「エコドライブ」と呼ばれ、環境問題への配慮からも推奨されています。詳しい方法を次から見ていきましょう。

急発進をしない

「ふんわりアクセル」がポイント

まず挙げられるエコドライブは、急発進をしないということです。

車は走行中にスピードを上げるよりも、停止した状態から動くときに、より多くのエネルギーを必要とします。発進時に急にアクセルを踏み込んでもうまくスピードが乗らないため、燃料を無駄づかいしてしまうのです。

発進からある程度速度がつくまでは、やさしくアクセルを踏む「ふんわりアクセル」を意識することで、ガソリンの節約につながります。

早めにアクセルOFF
車の停止位置がわかっている場合は、早めにアクセルをOFFにしましょう。

車の減速時にアクセルから足を離せば、エンジン回転数などの条件が保たれているうちは燃料の噴射が止まる「フューエルカット」が作動します。車が動いている状態でガソリンの消費が抑えられるこの仕組みは、上手に活用したいところです。

赤信号や一旦停止など、あらかじめ停止することがわかっているにも関わらずアクセルを踏み続けると、ガソリンを無駄に消費してしまうので注意しましょう。

停止中はアイドリングストップ

アイドリングストップを心がけるとガソリン節約になる

アイドリングストップもまた、エコドライブの一つとしてよく知られている方法です。

「アイドリング」とはアクセルを踏まない状態でエンジンが作動していることを指します。たとえば10分アイドリングすると、約130ccのガソリンが消費されてしまうとされています。

待ち合わせや踏切前の停止中、荷物の積み下ろしや車内での待ち時間、短い買い物の間など、日常のさまざまな場面でこまめにアイドリングストップを行うことで、ガソリン代の削減が期待できるでしょう。

不要な荷物は降ろす
不要な荷物は車内にとどめず、こまめに積み降ろしするのも、ガソリン代の節約につながる方法の一つです。

車重が重くなれば、車を動かすためにより多くのガソリンを消費することになります。荷物を運搬したあとは、出発前に余計な積み荷が残っていないか確認しましょう。

また、スキーキャリアなど車の空気抵抗が増す装備も燃費を悪化させる原因になるので、使う予定がないならできるだけ外しておきましょう。

燃費の良い車種への買い替え

ガソリン代の高騰が続く可能性を考慮するなら、燃費の良い車種への買い替えもおすすめです。買い替えにはお金がかかりますが、長期的な視点で見ればガソリン代の節約には有効な手段だといえます。

軽自動車
軽自動車は燃費が良く、購入価格や税金、維持費などのコストパフォーマンスも高いので、人気があります。

コンパクトで小回りがきく印象が強い軽自動車ですが、近年では室内が広くゆったりと座れるものや、大きな荷物が積み込めるものなど、さまざまな強みを持つ車種が登場しています。

例として、スズキの「アルトラパン」を挙げてみましょう。実際の走行により近いとされるWLTCモードでは23.6~26.5km/Lです。

一般的なセダン車と比較すると1Lあたりの走行距離は数km長く、燃費が優れていることが読み取れます。

出典:SUZUKI「ラパン 走行・環境性能」

ハイブリッド車
燃費の良い車としてハイブリッド車(HV)も挙げられます。

ハイブリッドとは「組み合わせる」という意味で、その名のとおり2つの動力源を持つ車です。ガソリンと電気モーターが組み合わされており、燃料節約やCO2排出削減への取り組みに向けて普及が進んでいます。

例として、トヨタ・ヤリス(ハイブリッド)を挙げてみましょう。WLTCモードでは35.4~36.0km/Lと掲載されています。

出典 トヨタ「ヤリス 価格・グレード」

トヨタ・ヤリスはマイカー燃費&メンテナンス管理サービス「e燃費」による「e燃費アワード」で2年連続首位に輝いた注目の車種です。先ほど紹介した軽自動車よりさらに燃費が良い点は見逃せません。

出典:e燃費「アワード 2021-2022」

また、ハイブリッド車に外部からの充電機能をプラスしたプラグインハイブリッド車(PHV)もあります。外部給電の機会が増えればさらにガソリン消費を減らせますが、HVの車種と比べて車両価格が高めなのが課題です。

電気自動車

電気自動車ならばガソリンは不必要に

ガソリン代節約の最たる車種として挙げられるのが電気自動車です。電気を動力としているため、そもそもガソリンを必要としません。ガソリンと比較すると、電気のほうが安く済む点も大きなメリットです。

ガソリンを使わない電気自動車の燃費は、カタログ上では交流電力量消費率(Wh/km)という数値であらわされます。1kmの走行に必要な電力を示すので、数字が小さければ小さいほど高性能ということになります。

ただし、そうなるとエンジン車の燃費と数字だけで比較するのは困難です。そのため、比較用として電費(km/kWh)という指標が使われます。

電費は以下の計算式から導き出します。

電費(km/kWh) = 航続距離(km) ÷ 消費電力量(kWh)

たとえばBMW i3のスタンダードモデルなら、WLTCモードでの交流電力量消費率は127Wh/km(※1)。電費は8.5km/kWh(※2)なので1kWhが31円とすると、1kmあたりの電気代は約3.65円です。

先述したハイブリッド車のトヨタ・ヤリスが36.0km/Lですので、1kmあたりのガソリン価格は約4.66円となり、電気自動車はハイブリッド車よりもさらにランニングコストが安いことがわかります。

燃費の面でメリットが大きい電気自動車ですが、長距離に向かない、充電に時間がかかる、充電設備の数が少ないなど、まだ課題の多い自動車でもある点はおさえておきたいところです。

地球温暖化や化石燃料の依存脱却への対策として世界で普及が進みつつある電気自動車ですが、今後の日本での普及環境整備が購入の判断材料の一つとなるでしょう。

※1 出典:BMW i3 Series「BMW」
※2 出典:【2022年】電気自動車の電費(燃費)一覧「ランキング【EV】」

まとめ

ガソリンなどの燃料代の高騰が続いているなかで、家計を守るにはガソリン代の節約が必要不可欠です。アイドリングストップなどのエコドライブから、ハイブリッド車など燃費の良い車への移行まで、節約方法はさまざまなものがあります。

今回紹介した内容を参考に、ガソリン代の節約に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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