今、熊本移住が注目される理由とは? 豊かな自然とハイテク産業の融合

豊かな自然に恵まれている熊本県。緑あふれる土地で暮らしてみたいと考える人も多いでしょう。雄大な山々や歴史的文化のイメージが強い熊本県ですが、実は近年半導体産業の復活でも注目を集めています。熊本県に移住するとどんなメリットがあるのか、熊本県の基本的な情報から移住する際のポイントまで紹介します。

熊本県はどんなところ?

観光地として熊本県を訪れたことがある人は多いかもしれませんが、住んでみると観光とは違った側面も見えてきます。そもそも熊本県はどんな地域なのか、熊本県の基本的な姿について紹介します。

人口・世帯数
熊本県の人口は、2023年1月1日現在171万5,769人で、世帯数は73万788世帯(※1)です。47都道府県では23位(2022年10月1日の推計人口)(※2)なので、日本の都道府県のなかでは中ぐらいの規模といえます。ただ、熊本県は面積が大きいため、人口密度はそれほど高くなく、人とのほどよい距離感で暮らしていける点も魅力です。

※1 出典:熊本県「令和5年(2023年)熊本県の人口と世帯数」
※2 都道府県「人口・面積・人口密度ランキング」

産業
熊本県では、輸送用機械や電子部品・デバイスなどの産業が盛んです。品目をみてみると、光ディスク装置やモス型集積回路、ダイオード、二輪自動車(原動機付自転車、モータースクーターを含む)などの出荷額が全国トップレベルです。

最近では、台湾の最大手半導体メーカーTSMCが、ソニーセミコンダクタソリューションズともに熊本県に新工場を建設することが決まり、話題となっています。これから、日本の半導体産業を担う重要な拠点として、ますますの成長が期待されます。

住まい
熊本に移住するときに気になるのが、住まいについてです。都心では、ワンルームであっても月8万〜10万円以上の家賃がかかることがあるので、移住を考えたときに払い続けられる家賃かどうか確認しておくのも大切です。

不動産ポータルサイトSUUMOによると、熊本県の賃貸物件の家賃相場は、単身者向けの1K/1DKで4.0万~5.2万円、ファミリー向けの2LDK/3K/3DKで5.0万~7.5万円となっています。※2023年2月時点。都心の約半分程度の家賃で暮らせるため、移住もしやすいでしょう。

熊本県の気候区分

熊本県で暮らすなら、一年を通して過ごしやすい気候かどうかも気になるところです。熊本県の気候は大きく4つに区分されるのが一般的です。それぞれの気候についてみていきましょう。

熊本地方
熊本地方は熊本県の中央部から北に広がる地域で、九州のなかでも最も内陸的な気候です。熊本平野を中心として、夏は蒸し暑く、冬の寒さが厳しいのが特徴です。九州なのに、冬の寒さが厳しいというのは意外に感じられるかもしれません。しかし、最低気温が東京を下回ることもあるので、夏の暑さ対策だけではなくしっかりとした防寒対策も大切です。

阿蘇地方

熊本県のシンボル・阿蘇山

阿蘇地方は熊本県の北東部に位置する地域で、阿蘇外輪山に囲まれた世界最大級のカルデラ地形を擁しています。標高が高いため、冬の寒さは特に厳しいですが、夏場は比較的涼しく過ごしやすい気候です。夏の蒸し暑さが苦手な人は、山々からの心地よい風が感じられる阿蘇地方への移住を検討するとよいでしょう。

球磨地方
球磨(くま)は熊本県の南東部に位置する内陸の土地です。球磨川上流域から中流域に開けた人吉盆地を中心に、山地型・内陸型の気候です。やはり冬は寒さが厳しいですが、夏は内陸的気候特有の蒸し暑さが感じられるときもあれば、山地型気候の特徴で涼しく感じられる日もあるでしょう。

天草・芦北地方
熊本県の南西部に位置する天草・芦北地方は、天草灘や八代海に面している地域です。海に面した海洋性の気候のため、県内では最も温暖です。内陸部に比べて冬は暖かく、夏も比較的涼しいため、過ごしやすく感じられるでしょう。気候の良さを重視して移住先を決めるのであれば、1年を通して過ごしやすい天草・芦北地方が候補に挙がるでしょう。

熊本県へ移住する魅力

熊本県は旅行先として人気ですが、移住して、その地で暮らすからこそ味わえる大きな魅力もあります。そこで、熊本県へ移住する魅力についてまとめました。

「シリコンアイランド」半導体産業が活性化

半導体産業の活性化が期待される(写真はイメージ)

熊本県は、先ほど紹介した台湾の世界最大手の半導体メーカーTSMCの企業誘致など、半導体をはじめとしたハイテク産業が盛んです。

さらに、このTSMCが呼び水となり、半導体関連企業も続々と九州に進出しています。たとえば半導体製造設備の保守管理を担うジャパンマテリアルは、半導体工場にガス設備を供給するため、熊本県内の工場を買い取りました。

熊本県には台湾から多数のTSMC従業員とその家族が移住する見込みで、道路や住宅などのインフラ整備も進んでいます。かつて「シリコンアイランド」と呼ばれた九州の半導体産業が復活の兆しをみせています。雇用の需要も拡大し、今後もさらなる発展が期待できるでしょう。

「火の国」と呼ばれる豊かな自然
有名な阿蘇山を擁する熊本県は「火の国」とも呼ばれ、自然が豊かです。

また、天草灘や八代海に面している地域ではマリンスポーツも盛んなほか、日本三大急流の一つである球磨川では、スリリングなラフティングも体験できます。休みの日に、家族でマリンスポーツやハイキングなどレジャーも楽しむのもよいでしょう。

また、「火の国」だけあって温泉も豊富です。県内には100ヶ所を超える温泉があるといわれています。観光客にも人気の黒川温泉や人吉温泉など情緒あふれる温泉街もあり、日頃の疲れを癒すのにもピッタリでしょう。

歴史と文化が息づく

日本の近代化を支えた世界文化遺産の万田坑

熊本県は歴史や文化も感じられる魅力的な土地です。日本三名城の一つ熊本城をはじめ、熊本市内には水前寺成趣園や夏目漱石内坪井旧居といったスポットがあります。また、荒尾市の万田坑や宇城市の三角西港は世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として登録されていて、近年改めて注目を集めています。

これまでの熊本の歴史や歩みを感じられる街並みが今も随所に残されていて、貴重な歴史と文化に触れながら生活ができるでしょう。

熊本県の移住サポート

熊本県へ移住するときには自治体の支援が受けられるのでぜひ活用しましょう。ここでは、どんなサポートが受けられるのかについて紹介します。

移住支援金
移住をするときにぜひ活用したいのが移住支援金です。熊本県内の市町村に転入する人で、一定の要件に該当すれば、2人以上の世帯は100万円、単身の場合は60万円の支援金が市町村から支給されます。こちらは東京23区内に在住、ないし東京圏から東京23区内に通勤していた人が対象になる支援金です。

詳しい要件については熊本県のホームページを確認してください。

熊本県:「移住支援事業について」

空き家バンク
空き家バンクとは、空き家の所有者が登録し、空き家を借りたい人や買いたい人へ情報提供するサービスです。熊本県の多くの自治体が空き家バンクを設けているので、住宅を探している人はぜひ活用してみましょう。

熊本県:「空き家バンク一覧」

お試し住宅
住んだことのない土地での暮らしには不安がつきものです。熊本県では19の市町村で「お試し暮らし」ができる支援を行っています。1泊から最長3年までお試しで暮らすことができるので、移住前に体験してみるとよいかもしれません。利用に関して制限を設けている自治体もあるため、事前に確認してみましょう。

Kumamoto Life:「くまもとで!!~お試し暮らしをしてみるモン~」

まとめ

熊本県は雄大な自然や貴重な文化に触れられ、大自然の中で暮らしたいという人にとって魅力的な移住先です。さらに、シリコンアイランド復活が話題となり、活気があふれています。道路や住宅などのインフラ整備や雇用の需要が高まる今、熊本への移住を検討してみてはいかがでしょうか。

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