パワーカップルとは? 全世帯に占める割合やメリット・課題などを解説!

パワーカップルとは、夫婦がそれぞれ働いており、ともに高収入を得ている状態を意味しています。ここでいう「高収入」とは、具体的にどのくらいの収入を指しているのでしょうか。今回は、パワーカップルの定義とともに、具体的な割合や特徴などを解説します。

パワーカップルとは夫婦ともに高収入のカップル

パワーカップルとは、夫婦の両方が高収入を得ている共働き夫婦のことです。夫または妻のどちらかだけが高収入を得ている場合は、パワーカップルの定義には当てはまりません。たとえば、夫の年収が2,000万円であるのに対し、妻の年収が200万円であれば、単に夫の年収が高い家庭です。

パワーカップルと呼ぶには、夫と妻がそれぞれ一定以上の年収を得ていることが条件になります。たとえば、夫と妻がそれぞれ年収1,000万円を稼いでいれば、パワーカップルに当てはまるでしょう。

パワーカップルの定義はさまざま

一般的に、夫と妻の両方が高年収である夫婦をパワーカップルと呼びますが、明確な定義はありません。そのため各機関は、それぞれ独自にパワーカップルについての指標を決めています。

たとえば、ニッセイ基礎研究所の定義では、夫と妻の両方が年収700万円以上ならパワーカップルです。それに対して三菱総合研究所は、世帯年収が1,000万円以上であり、夫の年収が600万円以上、妻の年収が400万円以上であればパワーカップルとしています。

夫婦ともに年収700万円以上の割合は?
夫婦がともに年収700万円以上得ている状態をパワーカップルと定義する場合、パワーカップルと呼べる世帯は約25万世帯あります。これは、全世帯の0.5%、共働き世帯の1.8%です。

近年、パワーカップルの世帯数は少しずつ増加しています。女性の社会進出が進み、結婚しても働き続ける女性が多くなったことが大きな要因の一つです。賃金減少の影響により、共働きで家庭を支えざるを得ない状況になっていることも挙げられます。また、フルタイムで働いている女性も増えている状況です。なお、妻の収入が高い家庭は、夫の収入も高い傾向があります。

出典:「パワーカップル」世帯の動向(1)-夫婦とも年収700万円超は共働き世帯の約2%でじわり増加。夫が高年収でも働く妻は増加傾向、夫婦間の経済格差拡大か。|ニッセイ基礎研究所

パワーカップルの消費傾向は?

パワーカップルが注目を集めている大きな理由の一つは、消費力の高さです。総務省統計局の2021年の「家計調査 家計収支編」によれば、世帯主が60歳未満で共働きの世帯が勤め先から得ている収入の平均は、月67万9,759円程度、年800万円程度でした。

パワーカップルの世帯年収は、上記の平均よりも200万円以上高くなっています。パワーカップルは収入が多い分、自由に使えるお金が多いです。よって、一般的な家庭よりも消費力が高い傾向があります。具体的には、貯蓄するよりも外食や海外旅行などにお金をかけたいと考えるパワーカップルが多いようです。また、夫婦ともに仕事で忙しいため、家事を効率的に進めるためにお金を使うパターンもあります。たとえば、時短家電を購入したり、家事代行を依頼したりする家庭もあります。

パワーカップルのメリットと課題

パワーカップルは収入が多いため、家計が安定するのがメリットです。しかし、夫婦ともに仕事で忙しいからこそ発生する課題もあります。ここでは、パワーカップルのメリットと課題について見てみましょう。

手取り収入が多い
パワーカップルは、夫婦の片方のみが高収入を得ている世帯よりも税負担が軽いことがメリットです。そのため、手取り収入が多い傾向があります。

たとえば、妻が働いていない家庭で夫の年収が1,000万円の場合、手取り収入は約800万円です。ここでは、夫が40歳以上で扶養家族が2人いるケースを想定しています。

一方、夫の年収600万円、妻の年収400万円の場合、手取り収入の合計は約818万円となります。夫が40歳以上で扶養家族が1人だとすると、夫の手取り収入は約490万円です。妻が40歳以上で扶養家族はいないとすれば、妻の手取り収入は約328万円となります。

夫婦がともにしっかり働いてパワーカップルになると、家計が安定して貯蓄、住居費、教育費などにより多くの資金を回せるようになります。

家族で過ごす時間が少ない
パワーカップルは、夫婦の両方が責任のある忙しい仕事に就いているパターンが多いです。具体的には、管理職や専門職などで働いている人が多いと考えられます。

仕事が忙しければ、家族でゆっくり過ごす時間は限られます。特に問題となるのは、家事や子育てなどにどう対応するかです。また、収入に余裕があるため、家計管理をおろそかにしてしまう家庭も少なくありません。その結果、高収入であるにもかかわらず、なかなか貯蓄が増えないケースもあります。

パワーカップルは夫婦で協力する意識を強く持ち、家事、子育て、家計管理などについてしっかり考えることが大切です。

パワーカップルが収入を持続させるには?

パワーカップルが収入を持続させるには、どうすればよいのでしょうか。忙しいなかでも仕事と家庭を両立するには、さまざまな工夫が必要です。ここでは、パワーカップルが収入を持続させるためのコツを紹介します。

仕事と家事・子育ての両立
夫婦の両方が正社員として働いている家庭は、家事や子育てにかけられる時間があまりありません。家庭のことにどう対応するかよく話し合い、夫婦それぞれで分担する必要があります。特に子どもがいる場合は、子どもが病気になったときにどうするかよく考えておかなければなりません。定期的に行われる学校行事への参加についても、検討が必要です。

いまのままでは家事や子育てに対応するのが難しいなら、フレックスタイム制度やテレワークなども活用して働き方を工夫しましょう。

周囲のサポート・サービスの利用
仕事と家事や子育てを両立するには、夫婦以外の力に頼るのも一つの方法です。たとえば、自分たちの両親が自宅の近くで暮らしているなら、可能な範囲でサポートしてもらうとよいでしょう。子どもが風邪をひいたときに看病してもらえれば、夫婦の両方が急に仕事を休まなくても済みます。

また、家事や子育てをサポートしてくれるサービスを利用する方法もあります。公的なサービスとして設置されている、ファミリー・サポート・センターを利用している人も多いようです。また、民間企業が提供しているベビーシッターや家事代行などのサービスもあります。

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まとめ

パワーカップルの定義ははっきりとは決まっていません。ただし、一般的には、世帯年収1,000万円以上で夫婦ともに高収入のカップルをパワーカップルと呼びます。夫婦それぞれの年収が700万円以上の世帯は、約25万世帯となっています。これは、全体の0.5%、共働き世帯の1.8%です。

パワーカップルは家計が安定しやすいものの、家庭のことに時間をかけられないという課題もあります。パワーカップルは、課題への対策をしっかり考えながら働く必要があるでしょう。

(最終更新日:2024.04.19)
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