貯蓄と貯金の違いを知りバランス良く行うことで、将来に備えよう

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貯蓄と貯金は、どちらも資産を貯めることを意味する言葉だ。ただし、まったく同じ意味というわけではない。将来に備えた資産形成をする上では、貯蓄をより強く意識する必要があるだろう。
貯金と貯蓄の意味の違いや、貯蓄を増やす具体的な方法について解説する。

 

貯蓄と貯金の違い

日頃、何気なく使っている貯蓄や貯金といった言葉だが、詳しい意味やニュアンスを知っているだろうか。貯蓄と貯金の意味の違いを知っておこう。

貯蓄:保有資産全体を示す言葉
貯蓄は、ある人の持つ保有資産全体を示す言葉だ。現金のほか、投資信託や株式など、価値が変動する投資商品も含まれる。
辞書では、「財貨をたくわえること。また、その財貨」とされる。
財貨とは、現金や品物などのことだ。資産全般を貯めることや、貯めた資産が「貯蓄」といえるだろう。

貯金:お金を貯めること
貯金は、言葉の通りお金を貯めることを意味する。投資信託や株などは含まれない。
辞書では「金銭をためること。また、その金」とされている。
つまり、貯金は貯蓄の一部ということになる。銀行預金を100万円、投資信託を100万円保有している人の貯蓄は200万円だが、貯金は100万円だ。

なお、ゆうちょ銀行やJAバンクに預けたお金を「貯金」、都市銀行等に預けたお金を「預金」と呼ぶ場合があるが、本記事では預貯金すべてを「貯金」と呼ぶ。

 

資産形成には貯蓄が重要

「お金がない」「お金を貯めたい」など、資産を築くというと「貯金」に目が行きがちだ。しかし、実際に資産形成をする上では、貯金よりも貯蓄を意識する必要があるだろう。貯蓄が重要な理由は、下記の3点が挙げられる。

貯金だけではお金を増やしにくい
2022年現在、大手都市銀行の普通預金の金利は0.001%と非常に低い。金利の高さをウリにするネット銀行でも、0.2%程度であるため、預金でお金を増やしていくのは困難だと考えられる。

しかし、お金は、運用することで増やせる可能性がある。収入と支出の差額を貯めていくだけでも、積み立てた額を着実に貯めていくことは可能だろう。しかし、それをさらに増やすためには、運用商品を取り入れていかなければならない。

インフレ対策になる
「貯金は元本割れしないため、リスクがない」というのは、あくまでも物価の上昇がないことを前提にした考え方だ。
1万円の貯金が元本割れすることはなくても、10年後の1万円と今の1万円の価値が同じとは限らない。現在、1万円でできていたことが、10年後には2万円ないとできなくなってしまっていた場合、実質的な資産は半減してしまっている。
経済情勢に応じて価値が変動する商品を資産に取り入れることで、インフレが起こった際の影響を受けにくくなるだろう。

資産を分散できる
貯金は、お金という1つの資産だけで構成される。これに対して貯蓄は、お金、株、投資信託など、複数の資産を含む。将来に向けて、どのようなポートフォリオを組むかは考え方次第だが、いずれにせよ、複数種類の資産を持つことでリスク分散ができるだろう。
例えば、インフレが起こって現金の価値が下がっても、株や投資信託、不動産などを持っていれば、その影響を受けづらくなる。反対に、景気が悪化して保有している株の株価が下落しても、当座の生活に困らないだけの現金を持っていれば、慌てずに値上がりを待つことができるといえる。

 

貯蓄を増やす方法

貯蓄を増やす方法には多くの種類がある。しかし、多くのリターンを求めてハイリスクな方法を実行しようとすると、かえって損をしてしまう可能性があるだろう。貯蓄を増やすにあたって、おすすめしたい4つの方法を紹介する。

つみたてNISA
つみたてNISAは、定期的に一定金額の投資信託を購入する投資方法だ。年間40万円の投資で得られた利益にかかる税金が、最大20年間非課税になる。
投資信託では、投資のプロが投資家に代わって運用を行う。1種類買うだけで分散投資ができて、市場の値動きをそれほど気にする必要がないことから、投資初心者にもおすすめの金融商品だ。積立形式で継続して購入することで、値動きによるリスクも軽減しやすくなる。

月1,000円などの少額から始められて、いつでも好きなときにやめられるため、気軽に始められるのもつみたてNISAのメリットのひとつだ。利用する際には、取扱商品の種類が多いネット証券を活用するのがおすすめだ。

iDeCo
個人型確定拠出年金の愛称であるiDeCoは、老後資金形成に特化した制度だ。一度始めると原則60歳まで引き出すことができないため、半強制的に老後資金づくりができる
拠出した金額は、全額が所得控除の対象になる。これは、つみたてNISAにはない大きなメリットだ。また、投資先は、定期預金や保険、投資信託などから選択できる。iDeCo口座を開く金融機関によって選べる商品が異なるため、あらかじめ確認してから申し込もう。
ただし、利用に手数料がかかる点と、解約ができない点には注意したい。

積立定期預金
積立定期預金は、給料の一部を「ないもの」として生活する癖をつけやすい貯金方法だ。給料日の翌日に一定額が自動で定期預金に振り替えられるように設定しておけば、自動的にお金を貯められる。
積立定期預金で貯められるのは貯金だが、貯金も貯蓄の一種だ。貯金だけでは資産を増やしにくいが、貯金が一切ないのもリスクがある。お金を増やしやすい貯蓄と、いざというときすぐに現金化できる貯金の両方をバランス良く行っていこう。

お金の流れの可視化
いくら貯蓄をしていても、すぐに引き出して使っていては、資産を増やすことはできない。ある月の収入が20万円で貯蓄が3万円、支出が18万円だった場合、差額の1万円は以前の貯蓄から使っていることになる。これでは、実質2万円しか貯蓄ができていない。特に、クレジットカードの使いすぎや、ボーナスなどの臨時収入の使いすぎには注意が必要だ。

給料日の前日や1年の終わりなど、一定のタイミングごとに貯蓄残高の棚卸をしよう。前回の残高との差額が、該当の期間で貯められた額だ。その間の給与の支給額と比較すれば、いくら使っていくら貯められたのかをおおよそ把握できる。
お金の流れを確認して、収入、支出、貯蓄のバランスをとれるように管理しよう。

 

貯蓄を意識して保有資産を増やしていこう

資産を増やすためには、貯金と投資を並行して行っていくのが効果的だ。iDeCoやつみたてNISA、積立定期預金などを組み合わせて、自分なりのポートフォリオを作ってみよう。
一定期間ごとにいくら貯められたのかを確認すれば、成果を実感しながら資産形成できるだろう。まずは、今の総資産を知るところから初めてみてはいかがだろうか。

 

※この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています。

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