共働き夫婦におすすめの「船橋市」 都心へ軽快アクセス、予算2,000万円台からマイホームを検討できる?

船橋市は、千葉市に次いで千葉県内2位の64万人超の人口を誇る千葉県北西部に位置する市です。JR総武線・京葉線、京成線などが通り、古くから住宅地として発展してきた場所。江戸時代に船橋宿という宿場町として栄えた歴史ある街は、工場跡地などが再生され、さらに魅力的な場所に生まれ変わっています。今回は、船橋市の住宅事情と筆者おすすめの街を紹介します。

宅地化が進み、人口は64万人超に

船橋市は、千葉県の北西部に位置し、東京駅と千葉市のほぼ中間に位置します。東京駅から船橋市役所のある船橋駅は、直線距離で約20キロメートル。神奈川県の鶴見駅や東京都の調布駅が似たような距離圏になります。

船橋という名前のとおり、海上交通・陸上交通における重要なポジションにあり、海岸部は昭和20年代から工業団地の造成が進められました。また、東京へのアクセスの良さから鉄道駅を中心とした住宅の開発も進み、昭和40年代から駅を中心に多くの住宅や商業施設が造られました。

平成の中頃から令和にかけて山手地区の工場跡地に大規模な商業施設や住宅が建設され、臨海部の船橋オートレース場跡地に大型物流施設が整備されるなど、土地利用の転換が進んでいます。

西船橋駅前のマンション群
西船橋駅前のマンション群(筆者撮影)

1985年に50万6,966人だった人口は、平成以降も着実に増加。2022年4月1日時点の船橋市の人口は、64万4,697人。世帯数は、29万4,812世帯にも及びます。東京都の市区と比較すると5位の江戸川区、6位の杉並区の間にランクされる多さ。船橋市が住まいの拠点として評価されている証でしょう。

船橋市は、多くの鉄道路線で首都圏地域と結ばれています。JR総武線・武蔵野線・京葉線、京成本線、東武アーバンパークライン、新京成線、東京メトロ東西線、北総線、東葉高速線が通り、船橋市の交通を支えています。

船橋市内鉄道路線図
船橋市内の鉄道路線図(出典:船橋市ホームページ

JR総武線快速や京葉線は、東京駅など都心エリアと直通アクセス。東葉高速鉄道は、東京メトロ東西線との直通運転で日本橋、大手町へアクセスできます。また、京成本線は、JR山手線の通る日暮里を経由して京成上野駅へと往来できます。また、新京成線は、京成津田沼駅で京成本線に、東武アーバンパークラインは、船橋駅でJR総武線快速に乗り換えできます。

例えば、JR総武線船橋駅やJR京葉線南船橋駅から東京駅へのアクセスは、通勤時間帯の7時台で、乗り換えなしで最短30分以内にアクセス可能。商業・ビジネスの中心エリアへスムーズに移動できます。また、北習志野駅から大手町駅へは、通勤時に直通で40分台。千葉県にありながら、都心勤務者が通勤しやすい街が船橋市なのです。

【船橋市のデータ】
総面積…85.62平方キロメートル
人口…64万5,762人(2023年1月1日時点)
世帯数…29万7,061世帯(2023年1月1日時点)

日常の買い物に便利で豊かな自然も

ふなばしアンデルセン公園
ふなばしアンデルセン公園(画像:PIXTA)

船橋市の「令和3年度市民意識調査」によれば、船橋市の定住意向について「住み続けたい」と考える人が54.4%、「しばらくは住み続けたい」とする人が30.7%と高い定住意向を示しています。

また、船橋市が「住みよい」とする人は27.7%。「まあまあ住みよい」とする人は53.0%。「住みよい」「まあ住みよい」と答えた人の理由として、「鉄道など交通機関が多く、通勤・通学に便利だから」が69.6%。「商店などが近くにあり、日常の買い物に便利だから」が55.8%に挙げられています。交通利便性に加えて、生活利便性の高さが評価されています。

ららぽーとTOKYO-BAY
南船橋駅にある大型商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」(筆者撮影)

さらに「静かさなどの周辺環境がよいから」が12.3%。「公園などの憩いの場所が多いから」が7.0%。「親しみのある自然が残っているから」が6.8%と続きます。船橋市内にある「ふなばし三番瀬海浜公園」は、干潟が広がる自然豊かなスポット。ハゼ、アサリ、カニ、ゴカイなどの底生生物が多く生息し、それらを狙って多くの水鳥が飛来します。

ふなばし三番瀬海浜公園
ふなばし三番瀬海浜公園(画像素材:PIXTA)

内陸部にある「ふなばしアンデルセン公園」は、広大な敷地で家族連れに人気の公園。船橋市の姉妹都市であるデンマーク王国オーデンセ市出身の童話作家、H.C.アンデルセンが名前の由来。たくさんの花々が植えられ、フィールドアスレチックスや芝生広場、動物ふれあい広場などさまざまなレジャーが楽しめます。

ふなばしアンデルセン公園
ふなばしアンデルセン公園(画像素材:PIXTA)

また、船橋市内には年末に有馬記念が行われる中山競馬場があるほか、南船橋駅には船橋競馬場もあります。千葉県船橋市をホームタウンとするプロバスケットボールチーム・千葉ジェッツがあるなどスポーツも盛ん。現在、南船橋駅では「(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY」が2024年の開業に向けて建設中で、完成すればバスケットボールの試合も行われる予定です。

LaLa arena TOKYO-BAY
「(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY」外観 CG(出典:三井不動産ニュースリリース

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大規模マンションの建設が進む東京湾岸エリア 戸建て中心の住宅街が広がる内陸部

船橋市は、駅を中心とした街づくりがなされ、駅前の商業施設とともに商店街が連なる街も。日常的な買い物の利便性が高いのは、船橋に暮らす魅力でしょう。そのなかでも、にぎわいのあるのが、いち早く市街化が進んだJR総武線船橋駅周辺です。

船橋駅北側のペデストリアンデッキ
船橋駅北口側のペデストリアンデッキから(筆者撮影)

JR船橋駅は、東武アーバンパークラインも利用できるターミナル駅。船橋駅から3分ほど歩いたところには、京成本線の京成船橋駅もあります。船橋大神宮の門前町としての歴史もあり、江戸時代は船橋宿という宿場町として発展しました。駅周辺はペデストリアンデッキで結ばれ、2003年にはJR総武線船橋駅と京成本線京成船橋駅の間に再開発によって複合ビルFACEが誕生しました。

船橋駅前の再開発ビルFACE
船橋駅前の再開発ビルFACE(筆者撮影)

本町通りなどの幹線道路も整備され、回遊性の高い街づくりが進んでいます。船橋駅の南口では、オフィスビルが建築中のほか、2018年に閉店した西武船橋店の解体工事が進んでいます。跡地では、再開発が検討されており、これからの街づくりが楽しみです。

ふなばし森のシティの街
ふなばし森のシティの街並み(筆者撮影)

東武アーバンパークラインの工場跡地の再開発も行われています。「ふなばし森のシティ」は、新船橋駅前に広がる千葉県船橋市北本町一丁目における環境配慮型の大規模な街づくり。新船橋駅前には、大型商業施設イオンモール船橋が立地。

「ふなばし森のシティ」では、分譲マンションや高齢者向け住宅、病院、商業施設、公園などが一体で整備され、環境配慮の美しい街並みが形成されています。

船橋総合病院
船橋総合病院(筆者撮影)

また、2021年、東武アーバンパークライン塚田駅ではかつての工場跡地に、分譲マンション、賃貸マンション、賃貸住宅、戸建住宅、複合商業施設という5つの用途で構成された、大規模複合開発プロジェクトである船橋グランオアシスが完成。複合商業施設フォルテ船橋内には、スーパーのほか医療施設や塾など生活関連のお店が入っています。こうした工場跡地などを活用した大規模な街づくりは、船橋の住拠点としての魅力を一層高めています。

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船橋市内には、高度成長期に高根台団地や習志野台団地、行田団地など内陸部中心に多くの団地が造られました。東船橋駅周辺や北習志野駅周辺などでは土地区画整理事業が施行され、整った街区の住宅街も点在しています。JR京葉線やJR総武線沿線はマンションが目立ち、新京成線などの内陸部は、戸建てを中心とした住宅街が広がっています。

また、船橋は千葉県内でも有数の農業生産地であり、野菜類を中心に果樹など多彩な食材が栽培されています。整備された落ち着いた住宅街が広がり、農業が営まれるのどかな風景が身近にあるのも船橋で暮らす魅力です。

習志野台の街並み
習志野台の街並み(画像素材:PIXTA)

船橋市で住まいを検討するメリットの一つは、通勤利便性が高い立地であるにも関わらず住宅の価格がリーズナブルであることです。例えば、東葉高速鉄道北習志野駅では、新築戸建てが5,000万円前後の価格帯で検討可能。なかには、4,000万円以下で販売されている戸建てもあります。また、西船橋駅や船橋駅などJR総武線沿線は、街の歴史もあり中古マンションストックも豊富。築年数を問わなければ、3LDKタイプのものが2,000万円台で検討可能です。戸建て、マンションの種類を問わず予算に応じてさまざまな住まいを検討できるのは、船橋で住宅を探す魅力でしょう。

近年、地価上昇や建築費アップの影響は、新築マンション価格にも反映されつつあります。とはいえ、船橋市内では、新築マンションでも3LDKタイプが4,000万円台で販売されているケースも。共働き層にとっても魅力的な立地でもあり、これからも十分検討できそうです。

次に筆者おすすめの街を3つ紹介します。

工場跡地が環境に配慮されたスケールの大きな街に 買い物施設や病院が身近にそろう新船橋

一つ目のおすすめの街は、新船橋駅です。東武アーバンパークライン利用で、船橋駅から1駅のロケーション。都心アクセスも良好な場所です。この地域を含む山手地区は、船橋市誕生後に大規模工場が相次いで進出したエリア。この跡地が、公民の連携によって、調和のとれた街づくりが進められています。

プラウド船橋
プラウド船橋の街並み(筆者撮影)

そのなかでも、新船橋駅周辺は、船橋駅へのアクセスが良好で通勤利便性も高い場所。総戸数1,497戸の分譲済マンションであるプラウド船橋を中心に、総敷地面積約17万6,000平方メートルもの新しい街区が形成されています。船橋総合病院などの医療施設や大型商業施設、大型公園、子育て支援施設、戸建住宅を整備。マンションの共用施設であるクラブハウス内には、子育て支援施設やキッズルームやライブラリーなども設けられています。

ふなばし森のシティ内の商業施設
ふなばし森のシティ内の商業施設(筆者撮影)

また、24時間利用できるスーパーや高齢者向けの賃貸住宅も用意され、3世代が同じ街で暮らすこともかなえられます。戸数規模が大きいマンションでもあり、3LDKタイプの中古マンションが5,000万円台で検討可能。街区内に公園があるなど子育て環境も良好で、ファミリー世帯にはおすすめの地域です。

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ららぽーと、IKEAに加え、駅前の市有地で商業施設が開業予定の南船橋

南船橋駅前のIKEA
南船橋駅前の風景(筆者撮影)

次におすすめしたいのがJR京葉線南船橋駅です。南船橋の魅力は、大型商業施設が集積する生活利便性の高さです。駅周辺にはららぽーとTOKYO-BAY、IKEA Tokyo-Bay、ビビット南船橋といった商業施設が立地します。ららぽーとTOKYO-BAYだけでも400店舗を超える店舗が出店。映画館などのレジャー施設も充実しています。

「(仮称)南船橋駅前商業施設計画」完成予想図
「(仮称)南船橋駅前商業施設計画」完成予想図(出典:三井不動産ニュースリリース

また、「(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY」の建設に加え、南船橋エリアの新たな顔となるライフスタイル型商業施設「(仮称)南船橋駅前商業施設計画」が2023年冬に開業予定。船橋市の市有地を活用し、スーパーマーケットなど生活利便性の向上に資する約40店舗で構成された商業施設です。約5,000平方メートルの広場も整備、地域連携を図ったイベントなども行われる予定で、さらなるにぎわいが生まれるでしょう。

南船橋の物流施設
南船橋の物流施設(筆者撮影)

2021年には物流施設の開発に伴い、遊具もある緑地スペースも誕生。若松公園などの子どもの遊び場も身近にあります。東京駅へもJR京葉線で直通アクセス可能で、共働きのファミリー層に暮らしやすい街と言えるでしょう。

南船橋の大規模マンション
南船橋の大規模マンション(筆者撮影)

南船橋駅では、2000年代以降に、総戸数1,211戸のワンダーベイシティSAZANなど大規模マンションの供給が活発化しました。中古流通も活発で、70平方メートル台の3LDKタイプが3,000万円台から4,000万円台中心に流通しています。新築マンションの分譲も2021年にありましたが、開発の期待感もあって中古流通価格は大きく上昇しています。また、「(仮称)南船橋駅前商業施設計画」が整備される駅前街区では、新築マンションの分譲も予定されています。広場に面した立地だけに注目を集めそうです。

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良好な都心アクセスと駅前再開発で街が進化 商業施設や公益施設がそろう船橋駅

船橋市役所
船橋市役所(画像素材:PIXTA)

3つ目のおすすめは船橋駅です。船橋駅の魅力は、良好な都心アクセスと生活利便性の高さ。JR総武線快速利用で東京駅へは直通20分台。京成船橋駅から京成本線快速や特急利用で京成上野駅へ30分程度でアクセスできます。駅周辺には、医療機関や東武百貨店船橋店や船橋FACE、イトーヨーカドー 船橋店などの商業施設が集積。船橋市役所などの公共施設も街にそろっています。

JR船橋駅
JR船橋駅前から京成船橋方面を望む(筆者撮影)

船橋駅周辺は西武船橋店の跡地など再開発計画もあり、街の将来性も期待できます。また、JR南船橋駅へも近く、週末のレジャーなど選択肢が多いことも魅力です。通勤利便性を確保しながらオフタイム充実できる場所と言えるでしょう。

船橋駅前のタワーマンション
船橋駅前のタワーマンション(筆者撮影)

船橋大神宮と結ばれる本町通りは、船橋駅の中心市街地で図書館などの公益施設も立地。生活利便性の高さから、周辺エリアのマンションは人気があります。新築マンションの分譲も継続的にあり、中古マンションストックも豊富なので比較して検討するのも良いでしょう。駅前のタワーマンションは中古市場で人気があり、3LDKタイプが7,000万円を超えるものもあります。70平方メートルを超える3LDKを探すなら、5,000万円超の予算は見ておいたほうが良いでしょう。

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通勤利便性や生活利便性の高い船橋市ですが、人口が増えているなかで道路整備が遅れている場所があり、幹線道路に交通が集中し道路渋滞が発生するなどの課題があります。船橋市では、優先順位をつけながら道路事情の改善に取り組んでいます。

さらに、個性豊かで魅力ある拠点の形成を通じて市内外から人が集まり活発な都市活動や交流が行われる街づくりや、交通環境が充実し日常の買い物等が便利で住みよい街づくりを目指しています。南船橋の市有地の活用など、公民の連携が深まれば、さらに住みよい街へと進化するのではないでしょうか。都心通勤の共働きの家族にとって、暮らしやすい街がきっと見つかるはずです。

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