空き巣が嫌がる家・空き巣に狙われやすい家とは? 有効な防犯対策を紹介

大切な家を守るためには、空き巣に侵入されないための防犯対策が必要です。今回は、警視庁(以下この記事内、出典も含めすべて。)の資料をもとに空き巣に狙われやすい家の特徴を紹介します。空き巣が嫌がる家の特徴も紹介するので、防犯対策の参考にしてください。

空き巣に狙われやすい家とは?

空き巣に狙われやすい家とは、どのような家なのでしょうか。ここでは、警視庁の資料をもとに戸建てと単独世帯(1人暮らしの世帯)に分けて解説します。

戸建て
警視庁の資料によると、2021年の住宅で発生した空き巣の認知件数は1万1,118件となっています。

空き巣の発生場所は、戸建てが7,351件、4階建て以上の共同住宅が1,226件、3階建て以下の共同住宅が2,541件となっており、戸建ての発生件数が特に多いことがわかります。

2021年からさかのぼって過去5年間の空き巣の住宅形態別認知件数は以下のとおりです。

出典:令和3年の刑法犯に関する統計資料 | 警視庁

単独世帯
同じく警視庁の資料で2021年の空き巣の認知件数を世帯構成別に見ると、その合計は1万915件(※)となっています。10万世帯あたりの空き巣認知件数の合計は20.4件で、単独世帯は28.4件、夫婦のみ世帯は16.6件、その他の世帯では17.0件となっており、単独世帯での被害が多いことがわかります。

※住宅で発生し、主たる被害者の年齢が判明しているものに限る。

10万世帯あたりの空き巣認知件数は以下のとおりです。

出典:令和3年の刑法犯に関する統計資料 | 警視庁

空き巣が嫌がる家の特徴

空き巣が嫌がる家の特徴には何があるのでしょうか。一例として、地域の人がよく通りかかる家、セキュリティー対策がしっかりしている家、在宅者がいる家があるので、それぞれ解説していきます。

地域の人がよく通りかかる
近所の人がよく通りかかる家は空き巣に狙われにくいでしょう。特に近所づきあいが多い地域では、普段見慣れない人がいると目立つため、空き巣が嫌がる可能性があります。

下見をしている最中に近所の人が声をかけてきたり、不審人物として注意を払われたりするような連帯感が密な地域の場合、空き巣は「犯行後に逃走を妨げられるかもしれない」と考えるからです。

一方で、人通りが多い繁華街など、不特定多数の人が通りかかる場所は狙われやすいともいわれています。これは人混みに紛れて逃走を図りやすいためです。

セキュリティー対策をしている
防犯カメラや補助錠、センサーライト、セキュリティーシステムなどを設置している家は狙われにくい傾向があります。防犯意識が高い家とみなされ、空き巣が警戒する可能性が高いからです。

防犯に必要なアイテムのすべてを一度に準備するのは難しいかもしれませんが、予算や必要性に応じてセキュリティー対策を考えてみてはどうでしょうか。空き巣が「この家は侵入するリスクが高い」と判断すれば、被害の確率を減らすことができます。

在宅している人がいる
警視庁が防犯対策として公開している「住まいる防犯110番」によると、侵入者が家の下見で最も気にすることが「留守」となっています。空き巣は住人が留守にしているときを狙って侵入するため、常に誰かが在宅している家は狙われにくいのです。

長期の旅行などで誰も家にいなくなる場合は、郵便受けに新聞などをためないように、事前に止めておくとよいでしょう。

出典:住まいる防犯110番|警視庁

犬を飼っている
同じく「住まいる防犯110番」によると、侵入者は家の下見で犬がいるかどうかを気にする傾向があるため、犬を飼っていることで一定の防犯効果があると考えられています。

ただし、防犯対策として犬を飼う場合は一定のトレーニングが必要ですし、犬種によっては向いていない可能性があります。番犬になりえるのは、警察犬として採用されている種類の犬です。ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、エアデール・テリア、コリー、ボクサーといった犬種が挙げられます。

出典:住まいる防犯110番|警視庁

空き巣に狙われない家にするためには?

空き巣に狙われにくい家にするための対策について紹介します。具体的には、ドアや窓の施錠、防犯グッズの活用、ホームセキュリティーの導入があります。

ドアや窓を施錠する
基本的な空き巣対策として、まずはドアや窓の鍵をしっかりかけておくことが大切です。

警視庁の資料によると、空き巣の侵入手段で最も多いのが「無締り」で、1万1,118件中4,543件となっています。そのほかの侵入手段は、ガラス破り3,652件、施錠開け1,345件、ドア錠破り196件、戸外し41件、その他368件、不明973件なので、無締りを狙っている空き巣が多いことがわかります。

また、侵入場所として最も多いのが窓で、戸建て住宅では7,351件中4,419件となっています。そのほかの侵入場所は、表出入口1,173件、その他の出入り口934件、非常口5件、その他99件、不明721件なので、窓からの侵入が非常に多いといえます。

出典:令和3年の刑法犯に関する統計資料 | 警視庁

防犯グッズを活用する
空き巣の侵入を防ぐためには、前述したように防犯グッズの活用がおすすめです。手軽に設置できる防犯グッズとして、補助錠や防犯フィルム、窓用防犯ブザー、防犯砂利、サーチライトなどがあります。そのほか、防犯ガラスや雨戸・シャッター、面格子などで建物の防犯性能を高めるという意識も大切です。空き巣が多い地域かどうかや、建物の種類などによっても緊急性は異なりますが、比較的リーズナブルな防犯グッズも多いので、そろえていくとよいでしょう。

ホームセキュリティーを導入する
ホームセキュリティーは、自分で行う方法と警備会社へ依頼する方法があります。警備会社へ依頼すると、警備機器を設置し24時間警備が行われるので、高い効果が期待できます。長期不在時や空き家の管理にも役立ちます。

空き巣の侵入や火災、ガス漏れなどの異常を検知すると、警備員が駆け付けて対応してくれるので、安心して過ごせるのではないでしょうか。費用が発生するというデメリットはありますが、必要と判断した場合は警備会社をいくつかピックアップしたうえで、サービス内容などを比較してみてください。

まとめ

戸建てや単独世帯は空き巣に狙われやすい傾向があるため注意が必要です。空き巣に狙われないようにするには、日頃から防犯意識を持ち、しっかりとした対策が重要です。まずはドアや窓の施錠を徹底し、防犯グッズの活用やホームセキュリティーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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