短大の学費はどのくらい? 4年制大学と比べると? 短大生向け支援制度も紹介します

高校卒業後の進路として、短大を選ぶ人もいるでしょう。短大は2年もしくは3年で卒業できるため、4年制大学よりもリーズナブルといわれています。この記事では、短大の学費がどのくらいかかるのか気になっている人に向けて、短大の学費について詳しく解説します。

短大とは

短期大学(以降短大)とは、単に4年制大学よりも短い期間で卒業できる学校というわけではありません。4年制大学では学問の追究を目的とした教育が重視されますが、短大では資格取得や特別な技能習得など、専門知識や技術を身につけることを目標とします。そのため、授業も就職を見据えたものであり、比較的就職に強いとされています。

また、人数の少ない小規模校が多く、学生と教員の距離感が近いという点も特徴的です。わからないことがあってもすぐに教員に相談できます。

短大は、全国各地に300校ほどあり、自宅から通う学生も数多くいます。

短大の学費

次に、短大の学費がいくらぐらいなのか、公立と私立にわけて紹介します。

公立
公立の短大は全国に13校のみです。各校で学費にそこまで大きな差はなく、2021年度の学費の平均は以下のとおりとなっています。

(※)入学料は、他地域からの入学者の平均額

公立であれば、昼間部の授業料はどの学校も37万9,200円か39万円です。しかし、静岡県立農林環境専門職大学短期大学部だけは例外で、23万4,600円とほかより安くなっています。入学金は各校それぞれ異なり、地域内の進学で8万円台から17万円弱と大きな差があります。また、地域外からの入学だと、地域内からの進学と入学金の差がない短大もありますが、5万円台から20万円弱高くなるようです。

平均額から計算すると、入学料を含んだ学費の総額は以下のようになります。

※参考:文部科学省「公立短期大学授業料等について」

私立
私立短大の学費の平均は以下のとおりです。

私立の短大は公立に比べ授業料が高く、倍近くになっています。上記の平均額を基にすると、私立短大を卒業するまでにかかる学費の総額は次の表のようになります。

※参考:文部科学省「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

4年制大学との比較

続いて、私立の4年制大学の学費の平均は以下の表のとおりです。

国立大学の場合は標準額が設定されており、だいたいの大学が標準額どおりの学費となっています。国立大学の標準額は次のとおりです。

・授業料:53万5,800円
・入学料:28万2,000円

上記から、4年制大学の卒業までにかかる学費を計算し、短大と比較すると、以下のようになります。

基本的に卒業までにかかる学費は短大のほうが抑えられますが、3年制の私立短大になると、国立4年制大学のほうが、学費の総額が低いという計算になります。ただし、学校によって学費は異なるため、3年制の私立短大でも4年制国立大学より学費がかからない短大もあるでしょう。

※参考:文部科学省「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
    国立大学等の授業料その他の費用に関する省令

短大で学費以外にかかる費用

短大でかかるのは学費だけではありません。代表的なものは資格取得に要する費用で、検定試験に数万円がかかることもあります。そのほか、技能取得のための研修や留学などの費用が必要となる場合もあるでしょう。

短大は地域に根ざした学校が多く、自宅から通学する学生も多いですが、1人暮らしをするのであれば家賃や生活費も別途かかります。

短大の学費に不安があるときの対処法

もし短大の学費に不安があれば、国やそれぞれの学校で支援を受けられるかもしれません。学費の支払いが難しい場合は、以下のような方法を試してみてください。

高等教育の修学支援新制度
まず、短大や大学、高等専門学校、専門学校の進学費用を支援する「高等教育の修学支援新制度」があります。

対象は、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生です。具体的な目安年収は家族構成によって異なりますが、だいたい世帯年収270万円以下で上限額、300万円以下で上限額の3分の2、380万円以下で上限額の3分の1の支援額を受け取れます。

支援額は、学校の種類や自宅からの通学かどうかによって異なります。短大の場合の支援金額は次のとおりです。

※夜間学校は上記の約半額

ただし、この支援制度はすべての短大が該当しているわけではありません。支援の対象となる学校かどうかは、こちらのサイトを参照してください。

それぞれの短大の奨学金や特待生制度
短大によっては、独自の奨学金や特待生制度などを設けている場合があります。上記の支援対象外となるときは、奨学金や特待生制度がある短大を選んでみましょう。

具体的な例として、「大阪国際大学短期大学部」では、特待制度の選抜試験に合格すると、年間83万円の授業料が最長2年間全額免除されます。

また、東京福祉大学短期大学部では、入学試験で特に優秀な成績をおさめた人は年間授業料の半額が免除可能です。入学後に経済的に困窮し、かつ学業が優秀な人についても、授業料の全額もしくは半額が免除される制度もあります。

※参考:大阪国際大学「特待生制度」
    東京福祉大学 短期大学部「学費・奨学金」

学資ローンや教育ローン
進学においては、学費を借りる方法もあります。子どもの人数に応じて世帯年収の上限が異なりりますが、国の教育ローンは比較的低金利で学資の借り入れが可能です。入学前から契約できるうえ、日本学生支援機構の奨学金とも併用できます。

国の教育ローンは世帯年収に上限がありますが、民間の教育ローンは該当する学校の入学金、授業料であれば利用できます。奨学金や国の教育ローンと比べると金利は高めですが、審査に通過し、返済能力があるとされるなら誰でも利用可能です。

まとめ

2年制短大であれば、卒業までに公立で約100万円、私立なら約200万円の学費がかかります。4年制大学に比べれば、比較的リーズナブルといえるでしょう。もし学費の支払いが心配なら、国や各校の支援制度を利用してください。条件に当てはまらず利用できないときは、民間の教育ローンなどもあります。

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