春闘シーズン到来。賃上げが見込まれるものの、物価上昇率を大きく下回る予測

例年、2月頃になるとメディアを賑わせ始めるのが「春闘」に関するニュース。なんとなく見聞きしている言葉ではあるものの、詳しい内容は理解していないという人も多いのではないでしょうか。春闘とは一体何を指すのか。そして、2023年の春闘はどのような特徴があるのでしょうか。

「春闘」の意味と目的とは?

日本労働組合総連合会によると「春闘」の正式名称は「春季生活闘争」。労働組合が労働条件の改善を目的とした要求を行い、経営者と交渉を行うことを指します。多くの企業が4月に新年度を迎えるため、労働組合は2月に企業へ要求を提出し、3月に企業からの回答を得ます。
春闘で要求・交渉・決定される内容は主に賃金に関するものですが、近年はワーク・ライフ・バランスの実現に向けた労働時間の短縮や、育児や介護をしながらでも働きやすい仕組みづくりなども大きなテーマとなっており、労働条件や労働環境の改善に向けた交渉内容は多岐にわたります。

2023年の春闘はどうなる?

2023年1月17日、経団連が「経労委報告(経営労働政策特別委員会報告)」を公表しました。これは、春闘における経営側の基本方針を示すものです。経団連はこのなかで、賃上げについて「企業の社会的責務」としています。経営者側が積極的に賃上げを推奨するという例年にない流れですが、実際のところ、賃上げは実現されるのでしょうか。

2023年の春闘について、民間のシンクタンクである日本経済研究センターは、定期昇給を含む賃上げ率を2.85%と予測しています。一見、大幅な賃上げのようにも思えますが、2022年12月の消費者物価指数は4.0%上昇。ある程度賃上げが実現しても、物価の上昇率には及ばないと考えられます。

度重なる値上げで物価の高騰が続くなか、賃金はどの程度上がるのか。春闘の話題から、しばらくは目が離せない日々が続きそうです。

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