福を呼び込み、鬼(厄)を退治する節分では、豆まきをします。楽しい行事なのですが、終った後は家の中が豆だらけで、片づけや掃除が大変です。
本記事では、節分の意味や行事の由来を解説するとともに、豆まき後の掃除を簡単にする方法についてもご紹介します。
節分の意味と行事の由来
節分にはどのような意味があり、節分の行事の由来はどのようなところからきているのでしょうか。
節分は年に4日ある
一般的に節分は2月に行うものだと認識されていますが、もともと節分とは「立春」、「立夏」、「立秋」、「立冬」といった季節の節目の前日のことを指します。つまり、本当は年に4回節分があることになります。
「立春」は暦の上で春が始まる日ということもあり、厳しい冬を乗り越え、暖かい春を迎えるという意味から、4日ある節分のなかでも特におめでたい日として位置づけられています。
立春の前日は、大晦日のようなものです。そのため、新しい年を迎えるにあたり、1年間の悪いものをお祓いし、きれいな状態に清めて新しい年を迎える儀式として行われるようになったことが、現在の節分の由来になっているといわれています。
節分では豆まきだけでなく、恵方巻きを食べるという風習も有名です。節分に恵方巻きをその年の吉となる方角に向かって食べることで、願い事が叶うといわれています。1本全部食べきるまで話してはいけないとの言い伝えもありますので、黙って最後まで食べきるようにしましょう。
2023年の節分は何日?
2023年の暦を見ると、立春は2月4日です。ということはその前日の2月3日(金曜日)が節分になります。
一般的に節分というと2月3日と思う方が多いと思いますが、節分は立春がいつになるかで変動しますので、当然2月3日でない年もあります。実際に一昨年の2021年は立春が2月3日でしたので、2月2日が節分というイレギュラーな年でした。2月3日以外の日が節分となったのは37年ぶりで、2月2日となったのは124年ぶりだったそうです。
立春は二十四節気のうちの一つですが、この二十四節気は太陽の軌道を24に分けて作られています。しかし、地球が太陽の周りを1周するのにかかる時間は365日ぴったりではなく、うるう年もあるため、カレンダーの日付と二十四節気にずれが生じます。この誤差の影響を受け、立春の日が2月3日以外になる年が何年かに1度発生するというわけです。
行事の由来
節分に行う豆まきの行事は、平安時代の宮中行事である「追儺(ついな)」から来ていると考えられています。追儺は旧暦の大晦日(12月30日)に行われる年中行事で、鬼(疫鬼や疫神)を払う儀式として行われていました。
追儺もしくは「おにやらい」とも言われており、桃の木で作った弓と葦の矢、桃の杖を持って鬼を追い払う行事として、奈良時代に日本に伝わったと言われています。そして、この追儺の行事の中に「豆うち」と言われるものが登場するようになりました。現代行われている「豆まき」は「豆うち」の名残だと言われています。
実際に節分に豆まきが行われるようになったのは、室町時代になってからで、当時は豆ではなくお米を使っていたようです。ただ、使うのがお米というだけで、鬼や病気を追い払うという考え方は現在と変わっていません。
現代の節分では、「豆まき」そして「恵方巻」、「鰯の飾り」を使うところがあります。地域によって方法が異なりますが、豆まきは「豆」という言葉には「魔を滅する」という意味があると考えられ、厄を追い払う目的で行います。
恵方巻は節分の日に吉方である恵方を向き、心の中で願い事をしながら黙って食べることで願い事が叶うと言われています。
また、鰯の飾りを玄関に飾ることもあります。鰯の飾りは鬼が嫌がることから、鬼が家の中に入ってこないようにという願いが込められています。
節分は豆まき後が大変! 掃除を簡単にするための方法
節分の行事を楽しんだ後に頭を悩ませるのが、豆まき後の掃除です。家中に撒き散らされた豆を掃除するのは大変ですが、それを簡単にするための方法をご紹介します。
小袋いりの豆をまく
豆を直接まくのではなく、小袋に入った豆をまく方法があります。豆まきが終った後は小袋を拾うだけなので、家の中に豆が散らからず、また豆をそのまま食べることもできます。最近では小袋に分けて売っていることもありますが、見つからなかった場合は、大袋に入った豆を自分でラップなどに小分けにして、節分飾りをつけるなど雰囲気を出してもよいでしょう。
ただし、本来の豆まきの雰囲気は出ませんので、物足りない感じがするかもしれません。
豆をまく部屋を1部屋にする
家中に豆をまいてしまうと、後の掃除が大変ですので、豆をまくのを1部屋限定にする方法もあります。
豆まきが終った後に集めた豆は、洗って皆で食べるか、そうでなければ捨ててしまいましょう。
このとき、ものが少ないきれいな部屋を選んで豆をまくと、後で豆を集めるのもラクですし、もともときれいな部屋であれば、そのまま食べてもいいでしょう。そしてほかの部屋には控えめにまいて、鬼を退治し、福を招きいれるようにしてください。
ビニールシートや新聞紙を敷いておく
豆をまくところにあらかじめビニールシートか新聞紙を敷いておく方法もあります。この方法なら豆まきが終ったあとの豆を集めるのも簡単です。また、集めた豆はそのまま食べても安心です。
ただし、事前準備の時間が必要ですので、余裕を持って計画的に準備しておきましょう。
掃除機で吸う
まいた豆を掃除機で吸う方法もあります。ただし、この方法を使えるのは、そのまま豆を捨ててしまう場合のみです。もし、掃除機で吸って集めた豆を食べたい場合は、掃除機のヘッドを取り、吸い込み口にガーゼを巻くなどして吸い取り、豆を集めて食べるようにしましょう。
念のため、食べる前には一度洗うようにしてくださいね。
殻付きの落花生をまく
地域によっては、大豆ではなく、殻付きの落花生を巻くところもあるようです。具体的には、東北地方より北は落花生、関東地方よりも南は大豆をまく習慣になっています。ただし、鹿児島と宮崎は落花生を使うことが多いようです。
落花生は殻付きのまま豆まきに使用しますので、拾いやすく、部屋の掃除がしやすいというメリットがあります。
関東地方よりも南に住んでいるから、絶対に豆まきには大豆を利用しなければならないということはありませんので、おもしろいと思った方は、次回から大豆ではなく殻付きの落花生を使って豆まきをしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
小さい子どもは豆まきが大好きです。普段豆をまくという行動をしないことからも、せっかくの節分くらい思い切って豆まきを楽しんでもらいたいものです。
子どもにも存分に楽しんでもらいながら、掃除も簡単にできる方法を見つけ、家族で節分の行事を楽しみましょう。