海・山・島に囲まれた愛媛は魅力がたっぷり! 移住支援策を紹介

新型コロナウイルスの流行もあり、テレワークの増加など働き方が変わりつつある近年では、地方移住への流れが続いています。

さまざまな地方が人気の移住先として挙げられるなか、2022年にひときわ注目を浴びたのが愛媛県西条市です。大手の出版社による地方移住先のランキングで、3年連続で若者世代部門のトップに輝きました。

そこで今回は、愛媛県の基本情報や移住先としての魅力を紹介します。

愛媛県はどんなところか

まずは、愛媛県の基本情報をチェックしてみましょう。

人口
愛媛県の総人口は2022年12月1日現在の推計で130万5,543人、世帯にして60万1,527世帯が暮らしています。全国の都道府県と比較すると28位、四国では最多です。

愛媛県に限らず多くの都道府県にいえることですが、人口は減少傾向にあります。1985年にピークを迎えた愛媛県の人口も、今後さらに減ると予測されています。

県内総生産・県民所得
愛媛県の県内総生産(生産側、名目)は、2019年時点で5兆1,482億円です。経済成長率は名目プラス0.2%と、2年ぶりの増となりました。

住宅建設や公共工事などが増加したことで有効求人倍率が増え、景気が穏やかに回復していたものの、新型コロナウイルスなどの影響もあり、年度末からは伸び悩んだとされています。

経済活動別では、パルプ・紙・紙加工品などの製造業が前年度比2.9%増、金融・保険業が10.3%増と高水準の推移を見せています。

また、県経済全体の所得水準を表す指標である県民所得は、一人当たり271万7,000円と前年度並みでした。なお、一人当たり318万1,000円の国民所得との比率は85.4です。

出典:令和元年度 愛媛県県民経済計算

気候

宇和島市の宇和島城

愛媛県の年平均気温は16℃前後と、基本的には温暖で穏やかな気候です。

夏は沿岸部の松山・宇和島や盆地の大洲が厳しい暑さで、特に大洲では猛暑日(最高気温35℃以上)が15日ほどあります。反対に冬日が多いのは南予の宇和・近永や山間部の久万で、久万では冬日(最低気温が0℃未満)が90日に達することもあります。

降水量は瀬戸内側では少なく、宇和海側や山地に多い傾向です。積雪は中予が特に多く、2月〜3月は気圧配置の影響で、山地だけでなく平野部や島しょ部に雪が及ぶこともあります。

愛媛県の地域区分

愛媛県の地域区分は、東部の東予(とうよ)、中央部の中予(ちゅうよ)、南西部の南予(なんよ)の大きく3つです。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

東予
東予に属するのは今治市、新居浜市、西条市、四国中央市、上島町です。市区町村の合併が進んだことから、10万人規模の都市が連なっています。

四国のなかでも製造業が盛んで、新居浜は住友グループの別子銅山にはじまる工業都市として、四国中央市は最大手をはじめとする製紙メーカーが集まっていることで知られています。また、今治市の「今治タオル」は全国的に有名な地域の特産品です。

中予
県庁所在地の松山市をはじめ、伊予市や東温市、久万高原町、松前町、砥部町が属する中予は、愛媛県の商業の中心地となっているエリアです。

四国で最大の人口をもつ松山は、商業施設や文化施設、医療機関、教育機関が多く集まり、四国でも屈指の都市圏を形成しています。

南予
宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町が属する南予は、豊かな自然に恵まれ、城下町や商人町など歴史を感じる街並みが数多く残るエリアです。

松山市内からの高速道路が延伸されたことで、都市部へのアクセスも便利になりました。

愛媛県が実施している移住支援策

地方都市では、移住者に対する支援制度を設けているところも多くあります。愛媛県にはどのような移住支援策があるのでしょうか。

移住支援金
愛媛県移住支援事業では、東京23区の在住者および区内への通勤者を対象として、今治市、宇和島市、西条市、大洲市、西予市への移住希望者に対し、単身者は60万円、2人以上世帯で100万円の支援金が支給されます。

勤務地や就業先などに条件があるため、詳しくは行政のホームページをチェックしてみましょう。

出典:令和4年度愛媛県移住支援事業の詳細について

移住者住宅改修支援事業
愛媛県では、移住者に対して、空き家の有効活用や住宅改修などへの補助も実施しています。

概要は以下のとおりです。

5年未満に転出したり、改修した物件を売却したりすると、制限が生じることもあるので注意しましょう。

各市町村による支援制度
移住や空き家活用への援助ほかにも、子どものいる家庭への医療支援制度や住宅支援制度などが各市町によって実施されています。

移住先ごとに支援の内容が異なるため、詳細は「えひめ移住ネット」で確認してみましょう。

出典:えひめ移住ネット 支援制度

愛媛県には魅力がいっぱい

愛媛県には、移住者にとって魅力的なポイントがたくさんあります。人気の理由を次から見ていきましょう。

海・山・島の豊かな大自然

愛媛を代表する海水浴場・浅海海水浴場

愛媛県の魅力としてまず挙げられるのは、自然の豊かさです。

県内のどこに暮らしても海や山、島が近く、スポーツやレジャーが手軽に楽しめるため、アウトドアが好きな人や「自然と触れ合いながら穏やかに暮らしたい」と希望する人からは特に高い人気を得ています。

新鮮な魚介類や農作物など、おいしい食べ物が手に入りやすいのも、大自然に囲まれた地方ならではの魅力といえるでしょう。

子育て環境が整備されている
各市町で手厚い子育て支援が用意されているのも、人気の理由です。

たとえば、今治市では子育て応援ヘルパーの派遣やファミリー・サポート・センター事業に加え、第2子以降の子どもがいる世帯者には紙オムツ購入などに使える「今治市愛顔っ子(えがおっこ)応援券」5万円分が交付されるなど、子育て世帯を支える仕組みが充実しています。

就農や新事業を始めるために移住した人のなかには、移住後の暮らしで子どもを持つことを決意した例もあるほど、子育てのための環境が整っているのです。

就業支援・起業支援が充実
移住者にとって大きな課題である就業に関して充実した支援がある点も、愛媛県の魅力の一つです。

県が運営する「ふるさと愛媛Uターンセンター」では、愛媛県内での就職を希望する人への相談窓口が東京や大阪にも設けられているほか、県内企業による「スカウト制度」、愛媛での就業を体験できる「えひめ de 仕事体験!」など、多彩なプログラムが用意されています。

また、起業支援として資金・オフィスなどの実務的な相談にも応じていたり、後継者を必要とする県内事業者の紹介制度があったりと、移住者・地元事業者双方のニーズに応えています。

ここに注意! 愛媛県への移住

たくさんの魅力がある愛媛県への移住ですが、おさえておくべき注意点もあります。

本州へのアクセスが悪い

本州とつながる自動車道「しまなみ海道」

愛媛県がある四国は、瀬戸内海で隔てられているため本州へのアクセスは良いとはいえません。

本州と四国を結ぶ自動車道・しまなみ海道はあるものの、横断には車で1時間ほどを要します。時間帯や時期によっては道路が渋滞することもあるため、より移動時間が取られるでしょう。

自家用車が必要になる
愛媛県は、基本的には車社会。公共交通機関は東京などの大都市に比べると本数が少なく、自家用車やバスなど車メインの移動になる点をデメリットと感じる人もいるかもしれません。

松山市街は路面電車が巡っていて、松山空港まではバスでの移動も可能ですが、車移動と比べると所要時間に大きな差が出る場合もあります。

まとめ

豊かな自然に恵まれ、移住者への支援が整う愛媛県は、移住先として人気の高い地域です。子どものいる家庭をサポートする仕組みも充実しており、子育て世帯からも大きな評価を得ています。

今回紹介した内容をふまえて、ぜひ移住先の候補に愛媛県を入れてみてください。

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