JR山手線と都営地下鉄浅草線、東急池上線の3線が利用できる五反田駅周辺で大規模な開発が次々に行われています。中には住宅以外の開発もありますが、周辺の利便性、人気アップには大きく関わる施設も多く、注目したいところです。
鉄道、車利用で全国にアクセス
品川区内に立地する五反田駅はJR山手線、都営浅草線、東急池上線の3線が利用できる交通利便性の高い駅です。
JR山手線、都営浅草線が都心の主要なオフィス街へのアクセスを容易にしてくれるのはもちろん、JR山手線の品川駅から新幹線、浜松町駅からモノレール経由で羽田空港へと日本全国へも行きやすい立地。もちろん、成田空港へも複数ルートが利用できますから、世界中、どこに行くにも便利な場所というわけです。
また、東急池上線は沿線に戸越銀座、中延商店街など活気ある商店街があり、桜の名所洗足池や、観梅やお会式で知られる池上本門寺も立地。週末の散歩や買い物が楽しめます。
便利なのは鉄道だけではありません。駅の南側には山手通り、それと交差するように第二京浜、中原街道(中原口より都心部は桜田通り)が走っており、都心に向かうのはもちろん、横浜など神奈川方面へもアクセスしやすいのが特徴。首都高速を利用するなら2号目黒線の目黒出入口が近くて使いやすいでしょう。
こうした交通の利便性を反映して、五反田駅周辺は商業施設、飲食店なども集中しており、生活にも便利です。アトレ五反田、五反田東急スクエアと2つの駅ビルにはスーパーから衣料品店、書店、インテリアショップ、飲食店にカフェ、ホテルなど多彩なテナントが入っており、駅内だけでもさまざまな用が済みます。
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食べ歩きが楽しい活気のある街
駅から外に出ると目につくのが飲食店の多さ。周辺にはオフィスが多いため、ニーズがあるのでしょう、さまざまなタイプの飲食店が集まっており、昼間はもちろん、夜もにぎわっています。一部には風俗営業も含め、雑然とした雰囲気の地域もある大人の街でもあります。
数多くの飲食店の中には、行列のできる安くておいしい店やなかなか予約が取れない店もあるそうで、取材ではテイクアウトも含め、いくつもの行列を見かけました。外食が好きな人なら食べ歩きが楽しい街と言えそうです。
また、アクセスの良さを表すのがホテルの多さです。駅周辺を中心に、複数のホテルが点在しているのです。加えて銀行、スポーツクラブ、スーツを扱う店などが多い一方で、昔ながらの金物屋、味噌屋、呉服店などもあり、歴史もある街であることがうかがえます。
住宅からランドマークまで開発多数
その五反田では現在、複数の地点で開発が行われています。必ずしも住宅ばかりではありませんが、いずれも街に影響を与える開発でもあり、ここではそれらを順に紹介していきましょう。
時間をかけて開発されてきた五反田~大崎間
まず、五反田駅とお隣大崎駅との間の目黒川沿いで、まさにこれから開発が始まろうとしているのが東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業です。今からでは信じられませんが、古い地図を見ると明治初期のこのエリアは水田が広がっており、明治以降は目黒川の水運を利用した工場が多く立地する地域でした。
ところが戦後になって工場は徐々に郊外に移転。1970年代には老朽化した工場や空き地が目立つようになってきます。ところどころに住宅も建てられてはいるのですが、道路整備が追い付いていません。
そこで品川区は1978年の「品川区長期基本計画」で五反田・大崎・大井町を結ぶ都市軸形成を掲げ、1980年代以降このエリアの開発が徐々に進められていきます。1980年代初期に現在の居木橋から五反田駅近くまでを歩いた記憶がありますが、その当時の大崎~五反田間は工場の間に開発を待つ無人の建物、空き地もある寂しい場所でした。
その後、1983年に再開発組合が結成された大崎ニューシティを皮切りに大崎~五反田間の整備が徐々に進みました。現在のこのエリアは、タワーマンションが並ぶ現代的な風景の街になっています。目黒川沿いには遊歩道が整備され、広場、並木も設けられています。
このエリア最後の大規模開発がスタート
そんな地域のほぼ中央部にぽっかりと低層の建物、駐車場などがある区画がありますが、それが東五反田二丁目第3地区。一部進行中もあるものの、大半の地区の整備が終わっていることを考えると、この地区が当該エリア最後の大きな開発と言えるでしょう。
開発される地区面積は約1.6ヘクタールで、計画ではこれを3分割。もっとも五反田寄りの一区画を公園に、その隣に地上40階建ての住宅棟、もっとも大崎寄りの区画に地上20階建ての業務棟を建設することになっています。業務棟のある区画にも広場が設けられます。住宅は約390戸になる予定だそうです。
今後は2022年度の権利変換計画認可を経て2023年度に着工、2027年度に竣工という計画です。2022年11月時点では周囲の他地区と異なる姿の区画ですが、いずれは周辺と同じように生まれ変わるわけです。
目黒川沿いに30階建てが誕生
目黒川沿いではもう1件、マンションの建設が進められています。再開発ではありませんが、駅から約5分という立地を考えると注目が集まるはず。以前は大きな旅館があった土地で、どう使われるのか、地元では長らく関心を集めてきました。現在進んでいる計画では地上30階建て、全213戸になるとのこと。完成は2024年3月の予定です。
目黒川沿いは桜が有名ですが、遊歩道が整備されており、ところどころには公園も用意されています。都心でありながら、毎日の散歩やジョギングなども楽しめる立地というわけです。
分譲、賃貸にオフィスの複合開発
住宅では五反田駅と目黒駅の間の約2.0 ヘクタールの土地を利用、オフィスビル、賃貸マンション、分譲マンションの3棟を建てるという複合開発が進められています。このうち、オフィスビルはすでに2022年3月に完成、賃貸マンションも2022年10月に完成しており、残すは分譲マンション。こちらは2023年10月完成予定とのことで、現在工事が進められています。
五反田駅、目黒駅が両方使える上に、敷地中央には中庭があり、分譲マンション1階には会員制のオフィス、スタジオなどの会員制の共有スペースも設けられ、コミュニティー醸成が図られるのだとか。さまざまな人が入り交じる、おもしろいスペースになりそうです。
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2大ランドマークが変わる
分譲住宅だけで3棟、賃貸住宅も1棟と活発な開発が進む五反田ですが、それだけではありません。地元で大きな話題になっているのはかつてホテルや結婚式場、レストランなどの複合施設として、また、コンサートや各種イベントの舞台としても親しまれてきたゆうぽうとの建替えです。
高さ97メートル、地下3階〜地上20階建てのホテル、商業施設、シェアオフィス、ホールなどからなる大規模複合施設になる予定で現在工事が進行中。星野リゾートによるホテル運営が行われることが公表されてもいます。
建物を取り囲むように「五反田の森」を整備、緑の空間が生まれる計画でもあるそうで、以前同様街のランドマークとなるのではないでしょうか。
TOCに建替え計画が
さらにもうひとつ、五反田といえば多くの人がご存じの東京五反田TOCビル(東京卸売センター)の建替えも計画されています。現在のビルは1970年に建設されたもので、地下3階地上13階建て。オフィスやショールーム、ホール、会議室、展示場などのほか、小売りテナントや飲食店街も入る複合ビルですが、それを地上30階建てのビルにするのだとか。主な用途は事務所や店舗、催事場、住宅、駐車場などの予定です。
当初は2023年春に解体着工、2027年春の竣工と発表されていましたが、2022年になって6ヶ月から1年程度延期をすることになりました。資材その他高騰しているタイミングですから様子を見ようということでしょう。こちらも規模の大きな開発だけに街には大きなインパクトを与えそうです。
駅前、西五反田二丁目にも変化の予兆
それ以外にもまだ具体化はされていませんが、五反田駅前の西五反田二丁目地区のまちづくりに向けて品川区が動き始めています。このエリアは昭和30年代以降に開発された地域で、区画内には小規模な古いビルが多く存在しています。駅前でもあり、本来はもう少し高度利用できるエリアですが、現状はそうはなっていません。
そこで区としては細切れになっている街区を集約することで大街区化を図り、それとともに建物の更新を考えているのでしょう。プランは出てはいますが、実際にどうなるかはこれから。より良い五反田駅前となることを期待したいところです。
スタートアップが集まる、五反田バレー
開発、建物の更新以外でもうひとつ、五反田に期待したいのは近年、IT系のスタートアップ企業が集まり、活気を呈し始めていること。2019年にはそうした会社が集まり、一般社団法人五反田バレーが組織され、コロナ禍では地元の飲食店の販促支援を行っています。それを意識してか、ここまで紹介した開発のいくつかにはスタートアップ企業が利用しやすいシェアオフィスが盛り込まれてもいます。
若い企業の、若い人たちが入ってくることで街も若返るはず。今でも活気のある五反田がより若々しく、元気のある街になっていくことを楽しみにしたいものです。
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(最終更新日:2024.04.19)