初詣はいつまでにお参りするのが正解? 正しい参拝のやり方も解説

初詣の写真

予防策の浸透やワクチンの普及などにより新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきて、来年は初詣の参拝客増加が予想されています。正月の習慣として定着している初詣は、いつまでに行えばいいのでしょうか。そもそも「神社とお寺のどちらへ行けばいいのかよくわからない」という人もいるかも知れません。

今回は、初詣はいつまでに行えばいいかについて解説します。正しい初詣の方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも初詣とは?

初詣は、日本の正月の風物詩となっています。そもそも初詣とはどのようなものなのでしょうか。

初詣とは

初詣をしている女性
初詣の習慣は比較的最近始まった

初詣とは、新しい年になってから初めての神社やお寺への参拝を指します。今では大きくて有名な神社に詣でる人も多いですが、もともとは地域の守り神である氏神様のもとを訪れる行事でした。お寺への初詣の場合は、檀家になっている菩提寺があればそちらに参拝するのが基本です。初詣では、昨年を無事に過ごせたことを感謝するとともに、新しい年がますます良い年になるよう祈りを捧げます。

ただし、初詣の習慣は古くから根付いていたわけではなく、比較的新しい行事だといわれています。

初詣の起源

初詣の起源として有力だと考えられているのは、「年籠り」という風習です。年籠りとは、村長や家長が大晦日の夜から元旦の朝まで一睡もせず、氏神様が祀られている神社やお寺に籠る行事です。現在、年籠りそのものは日本の風習としては残っておらず、大晦日の夜や元旦の朝に参拝する習慣へ変化しました。

なお、年籠りに似た風習として、中国では春節(旧正月)の大晦日から元旦まで眠らない「守歳」が行われています。

初詣が人気になったのは鉄道会社のせい?

人々が元旦に神社やお寺を訪れて初詣をするようになったのは、明治以降です。特に、神奈川県の川崎大師が初詣の元祖といわれています。もともと、川崎大師の縁日は毎月21日に行われ、正月も21日に多くの人が参拝していました。しかし、近代化とともに正月三が日の休日が一般的になったため、元旦にお参りをする人が増えてきました。1872年(明治5年)に新橋~横浜間の鉄道が開通したことも、川崎大師の参拝客増加に大きな役割と果たしたといわれています。

そして、より多くの人が初詣を行うようになったのは、鉄道会社の戦略の結果です。各鉄道会社は1950年代から深夜運行を開始し、利用を促すために初詣の習慣を宣伝しました。各鉄道会社の集客競争が活発になり、大晦日の深夜や元旦の早朝に神社やお寺を訪れる人が増えていったのです。

初詣はいつまでに行ったらいい?

新年の初詣は、いつまでに行けばよいのでしょうか。ここでは、具体的な時期の考え方を解説します。

三が日に行くのが基本

そもそも初詣は、新しい年に初めて神社やお寺を訪れるという意味であり、いつまでに行かなければならないという決まりはありません。ただし、年が明けたらなるべく早く氏神様へ挨拶をしたほうがよいでしょう。必ずしも大晦日の深夜や元旦の早朝に出かける必要はありませんが、三が日の間に初詣を済ませるのが基本です。

松の内の間に

松飾
初詣は松飾りをしている期間に

正月は何かと忙しく、三が日の間に初詣に行くのが難しいという人もいるでしょう。その場合でも、できれば松の内の間に参拝することをおすすめします。松の内とは、正月の松飾りをする期間です。松の内の期間は地域によって異なり、関東は1月7日まで、関西は1月15日までとなっています。関東のほうが松の内の期間が短いため、注意してください。種類によっては、松の内の期間しか授与されないお札などもあるので、できるだけ早めに初詣へ行きましょう。

初詣は神社とお寺のどちらにお参りしたらいいの?

初詣は、神社とお寺のどちらへ行けばよいのかわからないという人もいるでしょう。ここでは、どちらにお参りしたらいいのかについて解説します。

神仏習合

結論からいうと、初詣は神社とお寺のどちらへお参りしても問題ありません。日本には古くから「神仏習合」という、神道と仏教を融合して捉える考え方があります。日本にはもともと神道が存在していましたが、海外から仏教が伝わった際に、それを受け入れる手段として神仏習合が生まれました。

よって、明治より昔の日本では、神社とお寺が厳密に区別されていたわけではありません。現在でもその名残があるため、初詣においては神社とお寺のどちらを参拝しても大丈夫です。

まずは氏神様・菩提寺にお参りを

初詣は、本来は氏神様や菩提寺へ参拝する風習です。そのため、基本的には、地元の神社やお寺に初詣へ行きましょう。檀家となっている菩提寺があれば、まずそちらで初詣を行ってください。

もちろん、氏神様や菩提寺に加えてほかの神社やお寺へ参拝しても構いません。この機会に、有名な寺社を訪問してみるのもおすすめです。ちょっとした旅行感覚で、普段はなかなか行かない神社やお寺に参拝すれば、さらに新しい気持ちで新年のスタートを切れるのではないしょうか。

初詣の参拝方法

初詣では、神社とお寺のどちらに行っても構いません。しかし、それぞれ参拝方法が異なるため、注意も必要です。ここでは、お寺と神社の参拝のしかたを解説します。

お寺の参拝のしかた

お寺を参拝するときは、まず一礼をしてから山門をくぐります。その後、手水舎で手や口を清めます。香炉に火が用意されているときは、線香を焚いてもよいでしょう。そして、仏様に対して一礼したらお賽銭を納め、合掌してお祈りをします。山門を出る際は、再び忘れずに一礼します。

高尾山薬王院の常香炉
高尾山薬王院の常香炉

なお、お寺のなかには境内に常香炉を設けているところもあります。体の不調がある部分に常香炉の煙をかけると改善するという言い伝えがあるので、試してみるといいでしょう。

神社の参拝のしかた

神社で参拝するときも、一礼をして鳥居をくぐります。その際、中央は避けて左右の端を通るのがポイントです。

お寺を参拝するときと同じく、神社でも手水舎で心身を清めます。お賽銭を納め、鈴があれば鳴らします。その後、二礼二拍手一礼を行ってください。最初にお辞儀を深く2回してから胸の高さまで手を持ってきて2回拍手し、お祈りをします。最後にもう一度深いお辞儀を1回すれば、参拝は終了です。

まとめ

初詣は、三が日の間に済ませるのが基本ですが、忙しい人は松の内の間に参拝しましょう。何よりも初詣は、お正月に家族や友人と集うことができる楽しい行事。この機会に初詣の意味や目的を理解して参拝すれば、より実りあるものになるではないでしょうか。

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