海や山など豊かな自然を有する千葉県。千葉県のほぼ中央に位置する千葉市は、97万人超の県内最多人口を誇る市です。中心部は東京まで約40キロメートルの距離で、東京都心に通勤する人の住拠点にもなっています。その千葉市では、千葉駅周辺など再開発の動きが活発化しています。今回は、千葉市の魅力と筆者おすすめの街を紹介します。
6区で構成される人口97万人超の千葉市
千葉市は、1921年に千葉町が千葉市となり市政が始まりました。戦後、臨海部の開発、大規模住宅団地の建設、内陸工業団地の造成などによって市域を拡大。生活環境の充実した快適な街づくりを進め、高度成長期に人口が大きく増加。1992年には政令指定都市に移行し、着実に発展し続けています。
現在の千葉市は、中央区・花見川区・稲毛区・若葉区・緑区・美浜区の6区からなり、その面積は、271.78平方キロメートルと広大です。緑豊かな下総台地の平地が広がり、その一部は東京湾に面しています。気候は温暖で、豊かな緑と水辺など自然環境に恵まれた場所です。
千葉市内には、JR東日本、京成電鉄、千葉都市モノレールの3社の鉄道会社が運行しています。その中で、都心通勤者の多くに利用されているのがJR総武線とJR京葉線です。幕張新都心にあるJR京葉線海浜幕張駅からは、東京駅まで直通30分台。またJR総武線幕張駅からも津田沼駅で快速へ乗り換えれば40分程度で東京駅へアクセスできます。また、JR総武線千葉駅、JR京葉線蘇我駅からは東京方面への始発電車も出ており、東都心通勤の人が利用することも多いようです。
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海浜幕張駅 / 幕張駅 / 千葉駅 / 蘇我駅
豊かな自然と良好な住環境、価格の値頃感もあり、千葉市の人口は増加。2022年11月1日時点の千葉市の人口97万8,756人、世帯数は46万357世帯となっており、100万人近い人口を有する都市へと発展しています。
【千葉市のデータ】
総面積…271.78平方キロメートル
人口…97万8,756(2022年11月1日時点)
世帯数…46万357(2022年11月1日時点)
しかし、地域によっては高齢化によって人口が減少している場所もあり、コンパクトシティー化を進めるなど、千葉市では将来を見据えたまちづくりを進めています。
高度経済成長期に海浜エリアで3つの新都心が誕生
千葉市では高度経済成長期に良好な住宅の提供が課題となりました。稲毛、検見川、幕張といった広大な海浜エリアが埋め立て可能な場所として注目され、海浜ニュータウン計画がスタート。稲毛、検見川、幕張の海岸が埋め立てられ、新しい街が誕生しました。
幕張では、21世紀にふさわしい街として幕張新都心の街づくりがスタート。1986年の海浜幕張駅の開業以降、幕張メッセ、幕張テクノガーデン、千葉マリンスタジアム、ワールドビジネスガーデンなどが開業しました。さらに1994年からは幕張ベイタウンの分譲がスタート。小・中学校など学びの場も整備され、「職・住・学・遊」が一体となった街が実現しました。
千葉市にはこの幕張新都心に加え、千葉都心と蘇我副都心の3つの都心があり、商業・工業などさまざまな企業の事業所が集積しています。また、千葉港の2020年の港湾取扱高は、国内では名古屋に次ぐ全国2位となっています。
豊かな自然が魅力 美しい海岸や森のある公園も
千葉市の魅力は、温暖な気候と海や山の豊かな自然です。「千葉市まちづくりアンケート(令和3年度)」によれば、「市内の緑が豊かだと感じますか」という質問に対して肯定的な回答が77.8%。「市内の水辺が魅力的だと感じますか」については、48.4%が肯定的な回答をしています。
千葉市には豊かな自然があります。千葉市の海の風景であった松林は、臨海工業地域化や海浜ニュータウンの形成により埋め立てで失われました。その後、かつての風景を取り戻すべくいなげの浜に全長1.2キロメートル、幅15メートルの植栽帯を造成。人工の海浜に6万本の松苗が植えられました。成長した松林を2019年に白い砂浜でリニューアルし、美しい砂浜が誕生しました。
いなげの浜のある稲毛海浜公園は、面積約83ヘクタールの総合公園。千葉市花の美術館、プール、運動施設、ヨットハーバーなどがあり、四季を通じて楽しめるスポットです。いなげの浜、検見川の浜、幕張の浜と続く人工海浜の長さは4,320メートルにもおよび、人工海浜としては日本一の長さ。いなげの浜では遠浅の海が復活し、海岸沿いの稲毛海浜公園ではマリンスポーツを楽しむ姿も見られます。
また、豊かな森のある公園も千葉市の魅力です。花見川区にある花島公園は、花見川の自然を楽しめる河川を生かした総合公園。若葉区には、レッサーパンダなどさまざまな動物を見学できる千葉市動物公園や千葉市平和公園、総面積約43ヘクタールもある泉自然公園など広々した公園があります。
さらに中央区には青葉の森公園。緑区には千葉市昭和の森など、千葉市全域に多彩な憩いのスポットがそろっています。千葉県内にはゴルフ場や釣りのポイントも多く、その中心に位置する千葉市はアウトドア派の人にとっても魅力的な場所と言えるでしょう。
また、千葉県立美術館、千葉市美術館、千葉県立中央博物館などの文化施設も。幕張メッセやZOZOマリンスタジアムなどでは、さまざまなイベントも行われます。自然やレジャー、アート鑑賞など多様な楽しみがあるのは、千葉市に住む魅力でしょう。
計画的な街づくりの京葉線、下町っぽい総武線 あすみが丘などのニュータウンも
銚子駅へとつながる総武線の千葉駅開業は1894年。一方、京葉線の海浜幕張駅などの開業は1986年。京葉線全線開業は1990年と、100年近くも開業時期が異なり、市街化も総武線沿線から始まりました。埋め立てによって誕生した海浜幕張などの京葉線沿線と総武線沿線では街の雰囲気も異なります。
京葉線沿線は街区が大きく、ゾーニングによって都市機能が集約されています。一方、総武線沿線は歴史ある沿線だけに市街化が早かったため、下町の雰囲気を感じるところも。総武線と並行して京成線が通っており、場所によっては2路線利用できるエリアもあります。
参考記事:京葉線沿線はコスパの高さが魅力! 海浜幕張・南船橋・新浦安はどんな街?
また、緑区あすみが丘やおゆみ野のようなニュータウンもあります。各戸50坪以上の敷地面積を持つ戸建て街区がつくられており、ゆったりとした戸建てライフが楽しめます。中古戸建ての流通価格も値頃感があるため、千葉市内通勤の家族の選択肢になるかもしれません。
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リーズナブルな住宅価格 築古の団地なら1,000万円台も
千葉市の住宅探しの魅力は、新築、中古ともに価格が比較的リーズナブルな手の届きやすい戸建てやマンションの供給が目立つこと。地価の高止まりや建築費の上昇で、マンション、戸建てとも東京都内では予算を抑えることが難しくなっていますが、千葉市内なら3LDKタイプのマンションで3,000万円台から十分検討可能です。
新築マンションの分譲は千葉駅を中心に活発です。海浜幕張の新街区である幕張ベイパークでは、タワーマンションの分譲も。検見川浜では、広さ70平方メートル超の3LDKタイプの新築マンションが3,300万円台から(2022年10月20日時点)。これなら子育てでお金のかかるファミリー層も十分検討できます。
中古マンションストックも豊富です。昭和40年代につくられた大規模団地や築古の中古マンションがリノベーションして売り出されることも。3LDKタイプが1,000万円台前半で販売されているケースもあります。
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こうした古い団地が、建て替えによって分譲マンションとして販売されることも。検見川浜駅から徒歩圏の築45年・総戸数500戸の「若潮ハイツマンション」は、建て替えによって1,000戸規模のマンションとして分譲が始まっています。建て替えマンション「ミハマシティ検見川浜」は、Ⅰ街区が完売。現在Ⅱ街区の分譲がスタートしています。こちらも3LDKタイプが4,000万円前後と手の届きやすい価格設定です。
新築戸建ての分譲が多いのも千葉市の魅力。総武線沿線や千葉都市モノレール沿線では、3LDKタイプが3,000万円台からの分譲も。あすみが丘などのニュータウンでも、3,000万円台で新築戸建てが販売されています。マンションも戸建ても3,000万円台から検討できるのは、千葉市で住まいを選ぶ大きなメリットでしょう。
次に千葉市内の筆者おすすめの街を紹介します。
千葉県内屈指のターミナル千葉駅では、にぎわいある街へ再開発が進行中
一つ目が駅周辺の開発が進んでいる千葉駅です。
千葉駅は、JR各線(横須賀・総武線快速、中央・総武線各駅停車、 成田線、総武本線、外房線、内房線)が利用できるほか、千葉都市モノレール1号線・2号線千葉駅および京成電鉄京成千葉駅なども利用可能。東京駅へも直通でアクセスできます。成田空港へのアクセスもスムーズで、千葉県内屈指のターミナル駅と言えるでしょう。
千葉市では、市民や企業、まちづくり団体などが相互に連携・協働し、千葉都心全体を活性化すべく「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」を策定しています。
商業コアの形成による商圏人口の確保や生活支援機能整備による都心居住の促進など、人が集まる暮らしやすい街へと誘導。駅ビルの再生による約270もの店舗が入る商業施設ペリエ千葉や、医療・保育施設などが入るウェストゲート千葉が開業するなど、にぎわいある暮らしやすい街へと進化しています。そごう千葉店、JUNNU(ジュンヌ)や高架下のショッピング街C・oneなどの生活関連施設も充実しています。
千葉駅周辺では、再開発の動きも活発です。千葉パルコ跡地では、商業施設とマンションが一体となった地上31階建ての複合プロジェクトが建設中。2023年12月中旬に完成予定で、新築分譲マンションとなるエクセレント ザ タワーの販売も堅調です。また、三越千葉店跡地では、23階建てのタワーマンションが計画中。こちらも商業施設や保育施設が入る予定で、街の景色も大きく変わっていきます。
千葉駅周辺では、新築マンションの分譲が活発で、3LDKタイプが3,000万円台から販売中。商業利便性が高い街でありながらファミリーでも十分手が届く価格設定になっています。中古マンションの流通も多く、駅徒歩圏の3LDKタイプが3,000万円台から十分検討可能です。
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海水浴もできる砂浜が広がる稲毛海岸 新築3LDKが3,000万円台から
続いては稲毛海岸駅です。
稲毛海岸駅は、東京湾を埋め立てた海浜ニュータウンの一つとして、公園や学校、商業施設などがバランスよくつくられた美しい街並みが魅力。東京駅へ直通30分台でアクセス可能と、都心通勤圏でもあります。
稲毛海岸駅前には、イオンマリンピア店、イオンマリンピア専門館などの商業施設が立地。また、ヤオコーやカスミなどのスーパーもあります。また、高洲中央医院など医療施設も充実。ニュータウンらしい、便利で安心して暮らせる住環境です。高洲公園など、街なかに公園が点在しているのも稲毛海岸の良さ。これなら、小さい子どもを住まいの近くで遊ばせられます。
そして、遊泳可能な稲毛海浜公園が近くにあるのもおすすめポイント。白い浜辺が続く居心地よい空間で、2022年4月には、海へ延びるウッドデッキがオープン。また、グランピング施設も開業しています。街にいながらリゾート気分を満喫できるのは、稲毛海岸で暮らす大きな魅力でしょう。
稲毛海岸では、住宅価格もリーズナブルです。新築マンションでは3LDKタイプが3,000万円台から、築20年程度の中古マンションなら2,000万円台から検討可能です。80平方メートル超の広いタイプも予算を抑えて探すことができるので、子どもの多い家族も快適な広さの住まいを見つけやすいのではないでしょうか。
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モノレールも利用できる千葉みなと 千葉駅も生活圏で都市と自然が共存
三つ目のおすすめは、京葉線の千葉みなと駅です。
京葉線の始発駅である蘇我駅と稲毛海岸駅の間に位置する千葉みなと。千葉都市モノレールも通り、千葉駅方面へのアクセスも良好です。
千葉みなとの魅力は、千葉ポートパークやみなと公園など、豊かな自然を享受しながら千葉駅周辺などの商業施設も利用しやすいこと。蘇我駅にある大型商業施設のアリオ蘇我などもオフタイムに気軽に利用できます。
また、街区が広くゆったりとした街づくりも千葉みなとの魅力。旅客船ターミナルなどの複合施設であるケーズハーバーが2016年にオープンするなど、港湾地域の整備も進んでいます。千葉県立美術館などの文化施設もあり、街を一望できる千葉ポートタワーも駅から徒歩圏の場所にあります。千葉ポートパーク内では、バーベキュー場なども用意されています。
物件価格は、新築マンションで3LDKタイプが3,000万円台から。中古マンションなら築20年程度の3LDKタイプが2,000万円台から検討できます。大規模マンションが多いのもこのエリアの特徴で、管理費などの維持コストがリーズナブルなマンションも。広い専有面積のものもあり、永住志向のファミリーにもおすすめです。
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2023年春には幕張豊砂駅が開業予定
2023年春、京葉線の新習志野駅と海浜幕張駅の間に、幕張豊砂駅が新しく開業予定となっています。イオンモール幕張新都心やコストコホールセール幕張倉庫店など、駅からのアクセスが良くなかった場所へも電車でスムーズにアクセスできるようになります。また、千葉駅周辺など再開発の動きも活発で、より魅力的な街へと発展が期待されています。
一方、「千葉市まちづくりアンケート(令和3年度)」によれば、「市内の道路は移動がしやすいと感じますか」の質問に対し、肯定的な回答は39.4%、否定的な回答が53.2%となっており、道路事情に不満を持っている人が多く見られます。カーライフを充実させたい人は、街選びの際に道路事情をよく確認しましょう。
こうした事情はあるものの「千葉市での生活に満足していますか」について、肯定的な回答をしている人が84.8%。「これからも千葉市に住み続けたいと思いますか」については、85.2%が肯定的に回答しています。豊かな自然が身近にあり、生活利便性の高い暮らしは満足度が高いのでしょう。
充実した住環境ながら価格はリーズナブル。3,000万円台から3LDKタイプの新築マンションが選べるのは、千葉市で住まいを探す魅力と言えます。便利で快適な暮らしに手が届く千葉市のマンション。まずは街選びから始めてみてはいかがでしょうか。
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