ゲストルームとは? 便利なマンションの共用施設の魅力と注意点を解説

タワーマンションをはじめとした大規模マンションや、高級マンションなどに備え付けられていることの多い共用施設の一つがゲストルームです。

この記事では、マンションのゲストルームとはどのような施設なのかを解説するとともに、使用の流れやメリット・デメリット、利用するにあたっての注意点について紹介していきます。

ゲストルームとは

マンションの共用施設の一つ

高級マンションになるとゲストルームもホテル並みに

大規模マンションや高級マンションに設置されているゲストルームとは、マンションの住人を訪問してきた客が宿泊目的で利用できる共用施設のこと。通常はマンションの敷地内や建物内に位置していて、家具や家電など室内設備がそろっているのが特徴です。

訪問客が宿泊するための施設ではありますが、マンションによっては住民自らが利用できたり、住民同士のパーティーに使ったりできる場合もあります。

高級なマンションになるほど、内装にこだわったり高層階の眺望を楽しめたりするなど豪華な作りになっており、ゲストルームそのものが物件の魅力の一つとして打ち出されています。

ゲストルームの使用料
ゲストルームを使用する際には、マンションの住民があらかじめ定められた使用料を支払います。料金の相場は1泊3,000〜5,000円程度ですが、マンションによって費用はまちまちです。安い物件であれば1泊1,000円程度というところもあれば、高級マンションになると1万円を超えるケースもあります。

なかには、シーツやタオルといったリネン類が別料金となっている物件もあり、利用する際には確認しておきましょう。

ちなみに、ゲストルームはマンションの共用施設なので、普段の維持管理にかかる費用はマンション住民が支払う管理費から賄われます。

ゲストルームの使い方の流れ

続いては、マンションのゲストルームを使用する際の一般的な流れについて紹介していきます。

予約をとる

マンションのフロントで予約をとる

ゲストルームを使用する際には、予約を取るのが基本です。マンションによって予約方法が異なりますが、フロントや管理人室に出向いて申込用紙に記入したり、電話で申し込んだりするのが一般的です。マンションによっては、専用Webサイトから予約できる場合もあります。

予約の開始期間はマンションのルールで決められており、年末年始やお盆、近隣で花火大会やお祭りが開催される日などは予約が集中する傾向にあるため、早めに予約したほうがいいでしょう。

当日鍵を受け取る
宿泊当日は、フロントや管理人室でゲストルームの鍵と使用許可証を受け取り、部屋を利用します。鍵の受け取りはマンション住民しかできない場合も多いため、当日はゲストだけでなく、必ず訪問先の住民も立ち会うようにしましょう。

ゲストルームには一通りの設備が備わっているものの、ホテルのようなリネン類やアメニティはないケースが多くなっています。貸し出しを行っているマンションでも、鍵の受け取り時に一緒に渡されるケースがほとんどです。

使用後は部屋を片付ける
使用したら、マンションごとに決められたチェックアウト時間までに部屋を退出し、フロントや管理人室に鍵を返却します。

この際に注意すべきなのが、ゲストルームはホテルではなく、あくまでもマンションの共用施設であるということです。マンションによって運用に違いはあるものの、多くの物件で利用者自ら清掃し、ゴミは各自持ち帰るよう定められています。

ゲストルームのメリット

マンションの共用施設のなかでも人気の高いゲストルームは、住民にもゲストにも多くのメリットがあります。

まず、住民にとっては自宅の部屋数が少ない場合であっても、ゲストを泊まりに誘えるという点がメリットです。

特に遠方から親戚や友達が訪ねてきた際、時間を気にせず夜遅くまで楽しい時間を過ごしたいこともあるでしょう。マンションだと部屋数が限られているため、近隣のホテルに泊まってもらう必要があるかもしれません。また、自宅に泊まる場合も、寝具やアメニティなどを用意しなければなりません。

ゲストルームがあればこうした手間を一切考えることなく、気軽にゲストを誘えます。

ゲスト側からしても、自宅に泊めてもらう際の余計な気遣いが必要なく、気兼ねなく宿泊できるというのがゲストルームの大きな魅力です。おまけに、近隣でホテルを予約するよりもリーズナブルに宿泊できます。

ゲストルームのデメリット

住民にとってもゲストにとってもメリットの大きいゲストルームですが、もちろんデメリットもあります。

繰り返しになりますが、ゲストルームはマンションの共用施設であり、維持管理にかかる費用は、住民が月々に支払う管理費から賄われます。ゲストルームをはじめとする共用施設が充実すればするほど、管理費が高くなってしまうという面があるのです。

マンションは区分所有建物であり、共用施設は住民全員の持ち物として管理費を支払わなければなりません。ゲストルームを使用する・しないにかかわらず、等しく管理費を負担しなければならない点は、住民全員が認識しておくべきでしょう。

ゲストルームを利用するときの注意点

最後に、ゲストルームを実際に利用する際に気をつけたい注意点を紹介していきます。

利用はモラルを守って

ゲストルームの利用はマナーを守って

マンションの規則によって、ゲストルームの使い方が定められています。

ゲストルームを使用した後には片付けや清掃を行い、ゴミは持ち帰るなど、利用者はマナーを守ることが大切です。特に、今ではほとんどのゲストルームが室内禁煙となっているため、ゲストルーム内での喫煙はやめましょう。

夜中に大声で騒いだり、ゴミを共用部に放置したりといったマナー違反は、住民同士のトラブルに発展する可能性もあります。訪問先の住民が、利用するゲストに対してルールやマナーを事前に周知徹底しておかなければなりません。

アメニティグッズはないことが多い
ゲストルームには浴室や家具、家電などが設置されているものの、ホテルではありません。ホテルなどでは用意されていることの多い、シャンプー類・石けん類・歯ブラシ・かみそり・くしなどのアメニティグッズは通常備え付けられていません。

マンションによっては、タオル類も置かれていない場合もあります。

利用する前に、利用できるものと用意しなければならないものを確認しておき、足りないものは住民もしくはゲスト自ら準備するようにしましょう。

営利目的の利用は禁止
住民がゲストルームを他人に貸し出して宿泊料を徴収するなど、営利目的で利用することは禁止されています。管理規約に明文化されている場合はもちろんのこと、明記されていなかったとしても、共用施設を個人の営利目的で使用するのはルール違反です。

過去には、住民がゲストルームを民泊に転用したことが発覚して、トラブルに発展した事例もあります。こうしたルール違反が原因でゲストルームの利用自体が禁止されれば、他の住民にとっても大きな不利益となりかねません。

明文化されているかどうかにかかわらず、ゲストルームを営利目的で利用するのは絶対にやめましょう。

まとめ

充実した共用施設というのは、戸建て住宅にはないマンションならではの大きな魅力です。ゲストルームも代表的な共用施設の一つであり、マンションにおける生活シーンのなかで重宝するものです。

ゲストルームの維持管理は、マンション住民全員が支払う管理費によって賄われていることを忘れずに、マナーを守って賢く利用するようにしましょう。

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