こまめな掃除やお手入れが欠かせず、面倒なイメージを持つ人も多い庭の管理。忙しさや天候を理由に後回しにしがちですが、放置していると、雑草や害虫などさまざまな問題が発生します。
しかし、ちょっとしたコツをおさえれば、効率的な庭のお手入れが可能です。この記事では、庭掃除のコツを紹介します。
庭掃除をしないでいると…
庭は、掃除やお手入れなしではきれいな状態を保てません。庭掃除をしないでいると、どんなデメリットが発生するのでしょうか。
見た目が悪くなる
庭を放置するデメリットとしてまず挙げられるのは、見た目が悪くなるという点です。
最初のうちは雑草がないきれいな庭でも、風や動物が種を運んで雑草が生えはじめます。雑草は生命力が強く、繁殖力も高いため「気づいたら庭が雑草だらけ」ということも少なくありません。
また、樹木がある庭は、地面や外構に落ち葉がたまったり、実が落ちてコンクリートを汚したりするため、放置していると清潔感を欠いた見た目になってしまいます。
庭は、家に入ってすぐに目につく場所にあることが多いので、来客の際には特に注意したいところです。
害虫・害獣の発生
庭を放置し続けると、害虫や害獣の発生を招く恐れがあります。
特に危険なのはシロアリ。シロアリは枯れ木や腐食した木を好んで食べるため、剪定枝や枯れてしまった庭木を放置しておくと住み着いてしまう可能性があります。そうなると、やがて住宅本体が蝕まれてしまいかねません。
ほかにも、アリやクモ、ゴキブリ、ナメクジなどの不快害虫は、湿った場所や植物の多い場所を好みます。落ち葉を放置すると、条件によっては庭土が腐葉土となり、害虫発生を誘発することもあるので注意しましょう。
また、掃除されていない庭はネズミやモグラ、地域によってはタヌキやハクビシンなど、野生動物のすみかになることも。これらの動物は庭や家屋、ごみなどを荒らし、伝染病を媒介する危険性があります。
ゴミの不法投棄を招く
手入れや掃除を怠っている庭は、ゴミの不法投棄を招く場合もあります。荒れた庭の家は空き家と勘違いされかねず、ゴミを捨てる行為への心理的ハードルを下げるためです。
反対に、しっかりと掃除されている庭は管理者の目が行き届き、人が頻繁に出入りする印象を与え、ゴミが捨てられにくくなります。
また、雑草が生い茂っていたり、落ち葉が庭を覆っていたりすれば、捨てられたゴミの存在に気づかず、悪臭など被害が大きくなる恐れもあるので注意しましょう。
ご近所トラブルへ発展
庭掃除がされていない庭は、ときにご近所トラブルに発展するケースもあります。
まず、手入れがされていない庭は、その家だけでなく近所一帯の景観を損ねてしまいます。さらに、庭で雑草が繁茂していると、近隣に種が飛散したり、発生した害虫や害獣が隣家に侵入したりすることも。また、庭木の枝やツタ植物が隣家の敷地内まで伸びると、相手の迷惑になるため注意が必要です。
こうしたことがご近所からのクレームや隣人同士のトラブルにつながる前に、庭の掃除を行いましょう。
雑草の処理
庭掃除で欠かせない作業の一つが雑草の処理。成長スピードが速く、駆除に手間がかかるイメージがありますが、以下のコツをおさえれば効果的な除草がかないます。
草むしりは雑草が小さいうちに
手で雑草を取り除く「草むしり」は、雑草が小さいうちに行うのがポイント。
草むしりは金銭的コストがかからない反面、量が多かったり、しっかりと根を張ってしまっていたりすると、大きな労力を要するようになります。見かけ次第、季節を問わずむしっておくのがおすすめです。
なお、雑草が大きくなってしまったら草刈り鎌を使う、雑草が生えている範囲が広かったり、手で引き抜けないほど強く根を張ったりしていたら刈払機を使うなど、状況に合わせて道具も活用してみましょう。
除草剤の散布
手での除去が難しい雑草や、雑草の繁殖範囲が広い場合などには、除草剤の散布も効果的です。
除草剤には、雑草の地上に出ている部分に効果のある「茎葉処理型」と、雑草が生えにくい土壌へ改良する「土壌処理型」があります。
また、芝生に生えた雑草処理にも使える専用の除草剤もあるため、用途・目的に応じて使い分けましょう。
その後の雑草対策
雑草が生えてくるのを防ぎたい場合には、除草シートがおすすめです。
庭土を覆うことで、長期間雑草の繁茂を防げます。除草シートを使用する際には、あらかじめ庭の雑草を根までしっかりと除去しておきましょう。また、砂利と除草シートを組み合わせると、より高い効果を狙えます。
土や砂とセメントなどの材料を混ぜ合わせた「土系舗装(固まる土)」もおすすめ。DIYでも比較的簡単に取り組める方法です。
落ち葉の掃除
落葉樹がある庭では、落ち葉の掃除もこまめに行う必要があります。秋冬には際限なく落ち葉が積もるため、コツをおさえつつ効率的に掃除をしたいところです。
あると便利な道具
伝統的な掃除道具である竹箒(たけぼうき)や熊手に加えて、落ち葉を空気で吹き飛ばす「ブロワー」があると便利です。落ち葉が多い庭や広い庭、砂利に落ち葉が積もるような庭では特に活躍します。
ブロワーのなかには風を出すだけでなく、バキューム機能で落ち葉を吸い込んだり、吸い込んだ落ち葉を粉砕したりできる製品もあります。大きさも持ち運びやすい小型から、パワフルな大型までさまざまなので、使いやすいタイプを選んでみましょう。
落ち葉掃除の手順
落ち葉掃除は、竹箒や熊手、ブロワーで落ち葉を一点に集め、ほうき・ちりとりでゴミ袋に入れるのが基本的な手順です。
雨の翌日などは落ち葉や小枝が地面に貼り付いてしまい、きれいに掃除できないため、地面や落ち葉が乾いているタイミングで行いましょう。掃除前に障害物を移動しておくと効率的です。
集めた落ち葉は燃えるゴミの日に出すのが一般的ですが、詳しくは各自治体のルールに従いましょう。また、落ち葉の種類によっては腐葉土などに再利用できる場合もあります。
庭木の剪定
庭木の剪定は庭の景観を保つだけでなく、枝の成長を促したり、枝の密度を調節したり、害虫の繁殖を防いだりと、樹木の健康のためにも必要です。剪定バサミなど専用の道具を用いて、木の種類に合わせて適切な時期に行いましょう。
基本的に、常緑樹は春から夏にかけて、落葉樹は葉が落ちきった冬に行います。時期や方法を誤ると、木が枯れてしまうこともあるので注意が必要です。
また、剪定枝は各自治体のルールに従って処分しましょう。庭木の剪定に時間や手間がかけられない場合は、専門業者に依頼するのもおすすめです。
その他の片付け
使わなくなった園芸道具や子どもの遊具、タイヤなどは、「いつか捨てよう」と思いながらも庭に放置してしまいがちなアイテム。庭掃除の際には、雑草や落ち葉だけでなく、こうした不用品もまとめて処分してしまいましょう。
一般的に、子どもの自転車などは自治体の粗大ごみ、タイヤは車用品店やガソリンスタンドなどで処分を請け負っています。
また、状態が良ければリサイクルショップに売却することも可能です。
まとめ
家の景観を保つ、害虫・害獣の発生を防ぐ、近隣とのトラブルを避けるなど、庭掃除にはさまざまなねらいがあります。雑草や落ち葉の掃除など、それぞれコツをおさえて効率的に行えば、日々暮らす家の庭をきれいに保てるでしょう。
また、どうしても庭掃除の時間が取れないという場合には、プロに任せるのもおすすめです。住まいに近い造園会社やハウスクリーニング会社などをリサーチしてみましょう。