2022年に入り、あらゆるものやサービスの値上げが続いています。光熱費も例外ではなく、世界的なエネルギー価格高騰を受け、電気料金に加えてガス料金も、これからますます負担が増える見込みです。支出を少しでも軽減するために、できることはないのでしょうか。
東京ガスが10月から「原料費調整額」の上限額を段階的に値上げ
都市ガスの原料はLNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)で、原料価格は輸入時の為替レートや原油価格の動きによって変動します。ガス料金は原油価格の値動きに合わせて調整できる「原料費調整額」をもとに、基本料金+(基準単位料金+原料価格変動による調整額)×ガス使用量で計算されています。原料費調整額には上限金額が設けられていて、ガス料金が急激に上昇することがないよう、コントロールされています。
しかし、エネルギー価格が高騰を続けている現在、原料価格が原料費調整額の上限に達してしまい、超過分は各都市ガス会社が負担している状況です。そのため、各社では上限額の引き上げや撤廃の動きが進んでいます。
東京ガスは2022年10月から、原料費調整額の上限額について段階的に値上げを実施。標準的な家庭(使用量30立方メートル)の料金は9月まで月5,886円でしたが、2023年3月には7,613円となります。ガス料金が、最大で3割近く値上げとなる可能性があるということです。
ガス料金を節約するためにできることは?
入浴方法を見直す
大量のお湯を沸かす入浴時は、ガス代が嵩みがちです。「浴槽に溜めるお湯の量を少なめにする」「お風呂の設定温度を下げる」「シャワーはこまめに止める」「家族がいる場合は間隔を開けずに入浴して追い焚きはできるだけ避ける」「入浴時は換気扇を停めてお湯が冷めるのを防ぐ」といった工夫の積み重ねで、ガス代を節約することができます。
キッチンの使用方法を見直す
キッチンでは調理の際も、洗いものをする際もガスを使用します。寒くなるこれからの季節は特に、お湯で食器を洗いたい人は多いでしょう。「食器を洗う際のお湯は設定温度を下げる」「落ちにくい汚れは漬け置きにしてからサッと落として、水を流しっぱなしにしない」「圧力鍋や保温調理器具などを使用し、鍋を火にかける時間を短くする」といった心がけでガス代を抑えることができます。
契約内容を見直す
現在契約しているガス会社やプラン内容を見直せば、1ヶ月あたり1,000円単位で節約になる可能性があります。家族の人数や活動時間帯などに合わせて、最適なガス会社・プランを選択しましょう。また、電気とガスなど複数のセット契約にすることで割引が適用されることもあります。
ガス料金の値上げで家計が苦しくなりそうだと感じたら、毎日の生活や現在の契約内容を見直し、改善点がないか考えてみてはいかがでしょうか。