アブラムシが観葉植物にびっしり! 大量発生の原因と対処法を解説

大切に育てている観葉植物にいつの間にか大量のアブラムシが発生し、困っている人もいるでしょう。そもそもアブラムシはなぜ発生するのでしょうか。この記事では、アブラムシが大量発生する理由とともに、具体的な対処方法を解説します。早めに対処し、被害を最小限に食い止めましょう。

アブラムシが大量発生する理由

観葉植物にアブラムシが大量発生する理由は、複数あります。ここでは、アブラムシが大量発生する理由について詳しく説明します。

肥料が多過ぎる
観葉植物に肥料を与え過ぎると、アブラムシが発生する原因になります。肥料にはさまざまな種類がありますが、そのなかでも窒素が多く含まれている肥料には注意が必要です。窒素を与えられた植物はアミノ酸を生成しやすくなります。アミノ酸はアブラムシの好物で、通常よりも多くのアブラムシを引き寄せてしまいます。肥料を与える場合は量に気をつけることが大切です。

観葉植物を屋外に出した

観葉植物を屋外に出すとアブラムシがつく可能性が高まる

普段は屋内で観葉植物を育てていても、天気が良い日は屋外に出して日光をしっかり当てるようにしているという人もいるでしょう。日光は、植物の成長を促すために重要な要素です。

しかし、屋外に観葉植物を出す機会が多ければ、その分だけ虫がつく機会も多くなります。屋内でもよく日が当たっているなら、無理に屋外で日光浴させる必要はありません。不必要な日光浴は避け、虫がつく可能性を少しでも減らしたほうがよいでしょう。

受け皿の水を放置
観葉植物の受け皿に水が溜まっても、そのまま放置している人もいるかもしれません。しかし、受け皿の水を放置していると、虫が寄ってくる原因になります。アブラムシに限らず、虫は水が溜まっている場所を好む傾向があるからです。受け皿の水に虫が卵を産みつけ、大量発生する恐れがあるため、要注意です。受け皿の状態をこまめにチェックし、水が溜まっていたらすぐに捨てるようにしましょう。

アブラムシによる被害

アブラムシは害虫であり、観葉植物につくとさまざまな被害をもたらします。ここでは、アブラムシによる被害について詳しく説明します。

アリを誘引する

アブラムシが出す甘露がアリを誘引する

観葉植物にアブラムシが発生すると、アリを呼び寄せる原因になります。アブラムシは植物につくと肛門から透明な液(甘露)を出します。アリはそれを好むため、観葉植物にアブラムシが発生しているとどんどん寄ってくる可能性が高くなるのです。

モザイク病
アブラムシが発生した観葉植物は、モザイク病にかかるリスクもあります。モザイク病は、アブラムシが媒介して伝染する代表的なウイルス病です。観葉植物がモザイク病にかかると、濃淡のあるモザイク状のまだら模様が葉に現れます。

また、葉が縮れ、株全体の生育も抑制されてしまいます。観葉植物を弱らせる原因になるため、アブラムシの発生を防いで罹患しないようにすることが大切です。

すす病
アブラムシの排泄物は観葉植物をすす病に罹患させる原因になります。すす病は、枝葉が黒くなる病気です。葉や枝だけでなく、幹の表面もすすのように黒くなる恐れがあります。大切に育ててきた観葉植物の見た目を損なうため、罹患しないよう十分に注意しなければなりません。

発生したアブラムシへの対処法

観葉植物にアブラムシが発生した場合、適切に対処する必要があります。ここでは、観葉植物についたアブラムシにどのように対処すればいいのか解説します。

牛乳をスプレーする
アブラムシが発生している観葉植物に牛乳をスプレーすると、牛乳によってできた膜でアブラムシが窒息します。牛乳をそそのままかけることに抵抗がある場合は、水で少し薄めてもよいでしょう。なお、アブラムシが死んだ後は、牛乳をしっかり洗い流す必要があります。この方法が効くのは、アブラムシが発生してからすぐの時期です。

石鹸水をスプレーする
牛乳ではなく、石鹸水をスプレーで吹きかける方法もあります。500ミリリットルの水に油と台所用洗剤を2~3滴ずつ入れ、よく混ぜたものをスプレーしましょう。牛乳と同じく、最後はよく洗い流す必要があります。こちらも大量に増えたアブラムシを全滅させられるわけではないため、状態がひどい場合はより強力な方法を試しましょう。

木酢液の希釈水をスプレーする
木酢液とは、木炭を作る過程で生じる水蒸気を液体にしたものです。アブラムシをはじめとする害虫の忌避剤として使用されます。また、土壌を消毒したり、植物の成長を促したりする効果もあります。そのため、観葉植物にアブラムシが発生した際に木酢液を散布すれば、アブラムシに対処しながら植物に良い効果を与えられるでしょう。

浸透移行性剤を使う
浸透移行性剤は、植物の根や葉から薬の成分が吸収される薬剤です。一般的な薬剤は植物に吸収されても植物体内を移動しないものの、浸透移行性剤は植物の全身に行き渡る性質があります。そのため、植物の葉そのものが殺虫効果を持つようになり、アブラムシをはじめとする害虫を退治できます。効果も長く続くため、アブラムシに対してより徹底的な対策をとりたい場合におすすめです。

アルミホイル・反射テープを敷く
アブラムシに対処するうえでは、そもそもアブラムシがつかないように予防することも大切です。アブラムシは明るいところが苦手であるため、アルミホイルや反射テープを活用すると対策できます。観葉植物を植えている土の上にアルミホイルや反射テープを敷き詰めれば、アブラムシが寄ってきにくくなります。

虫がつかない観葉植物・3選

観葉植物の中には、もともと虫がつきにくいものもあります。ここでは、虫がつきにくい観葉植物を3つピックアップして紹介します。

サンセベリア

乾燥に強いサンセベリアは育てやすい観葉植物

サンセベリアは、乾燥に強い多肉質の観葉植物です。日当たりがよい場所に置くとよく育ちます。冬は特に水やりの頻度が少なくて済むため、手間もかかりません。
また、サンセベリアはマイナスイオンを発生させ、室内の空気を浄化させるという点でも人気があります。

パキラ
パキラは、成長するにつれて葉の色が変わる観葉植物です。葉の色はもともと緑色ですが、大きくなると灰緑色に変化します。日に当てるとよく育ちますが、日当たりが悪い場所でも育成は可能です。土が乾いたらそのたびにしっかり水を与えましょう。

シュロチク
シュロチクは、育てやすいという特徴をもつ観葉植物です。虫がつきにくく、暑さと寒さの両方に強いとされています。耐陰性もあり、日当たりがあまり良くない場所でも育てられます。「緑の宝石」とも呼ばれるほど美しい葉をつけるため、観葉植物として部屋に置けばおしゃれな雰囲気を演出できます。

まとめ

観葉植物は、油断しているとアブラムシの餌食になる恐れがあります。アブラムシが大量発生する原因を理解し、虫がつかないよう事前に対策しましょう。万が一アブラムシがついてしまった場合は、正しい方法で対処する必要があります。虫がつきにくい観葉植物もあるため、そういったものを選ぶのもおすすめです。

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