日本は地理的に台風が多い国であり、毎年のように台風被害が起きています。台風に対して不安がある人も多いでしょう。台風被害に遭うと土砂崩れや川の氾濫などで、日常生活が送れなくなる可能性があります。そこでこの記事では、台風に備えてどのような対策をすればよいのか、詳しく解説します。
台風対策はいつまでに必要?
台風対策は常に必要なものですが、7月から10月にかけては特に台風が多くなる時期です。台風上陸のニュースがあってもなくても、なるべく7月までには準備したほうがよいでしょう。
ただし、近年では、台風がきていなくても短時間に豪雨となり、台風被害と似たような事態に陥ることも少なくありません。気象情報をチェックしつつ、いつ災害が起きてもよいように日頃から対策するようにしてください。
※参考:政府広報オンライン「大雨や台風の気象情報に注意して早めに防災対策・避難行動を行いましょう」
台風対策の五つの原則
台風対策は、家の中、家の外、避難場所の確認、情報収集、当日の心構え、といった五つの観点から行います。それぞれどのようなことをすべきか詳しく解説します。
※参考
日本気象協会「台風の接近、上陸に備えて」
首相官邸「災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~」
和歌山県新宮市「日用品の防災備蓄例」
宮古島地方気象台「台風の備え」
【その1】家の中を備える
台風が近づいているときは、飛来物が窓を割らないようにすべての雨戸を閉めておきましょう。雨戸がない場合は、窓の内側からテープやフィルムを貼り付ける、カーテンやブラインドを閉めるなどして、割れたガラスが飛散しないようにします。
また、万が一室内が浸水しても被害を抑えられるように、動かせる家具や電化製品は高い所に移動させましょう。いつ避難する状況になってもいいようにスマートフォンの充電をしておくことも重要です。
また、台風以外に地震などの災害にも有効であるため、非常食などの備蓄品や非常用持ち出し袋は常に準備しておきましょう。家の中に準備しておくべき物品は以下のとおりです。
食品備蓄は最低でも3日分用意したほうがよいですが、大規模災害時には1週間分あるのが望ましいでしょう。余裕があれば1週間分用意するようにしてください。くわしくは政府広報オンラインのページを参照してください。
【日用品の備蓄】
・トイレットペーパーやティッシュペーパー
・ウェットティッシュ
・マッチやろうそく
・カセットコンロ
・マスク
・ドライシャンプー
・紙皿、紙コップ、割り箸
・水道水を入れたポリタンク(お風呂の水を常に張っておいてもよい)
【非常用持ち出し袋】
・飲料水や食料
・預金通帳や印鑑などの貴重品
・救急用品
・ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手
・懐中電灯、ラジオ、予備電池、充電器
・衣類、タオル
・歯ブラシなどの洗面用具、ウェットティッシュ、携帯トイレ
・使い捨てカイロ
そのほか、乳児がいる家庭はミルクやおむつも入れておきましょう。
ここで紹介したものはあくまで一例です。家族構成や年齢によって必要な品は変わってくるため、家で電気や水道、ガスが使えなくなったときは何が必要か、おのおのでよく考えて準備するようにしください。
【その2】家の外を備える
風で飛ばされる可能性がある自転車や三輪車、鉢植えなどは室内に入れておきます。家の中に入れられないときは、紐などで縛って固定しておきましょう。
大雨によって側溝や排水口、雨どいに大量の水が流れてあふれることもあります。そのため、事前に掃除をして水はけを良くしておき、台風当日に水があふれにくいようにするとよいでしょう。玄関や掃出し窓など、浸水する場所には土のうを積み、水が室内に入らないように対策してください。
雨戸自体の破損を防ぐためには、ベニヤ板やテープなどで補強をするのがよいでしょう。
【その3】事前に避難場所や連絡方法を話し合う
大きな台風がくると、避難が必要になる可能性があります。いざ避難が必要になってから避難場所を調べては避難が間に合わなくなるおそれがあるため、事前に調べておきましょう。避難場所や避難経路は、国土交通省のハザードマップで確認できます。
また、学校や会社に行っている時間に避難することになると、家族がバラバラになる可能性があります。そのため、避難することになった場合、どのように連絡を取って合流するのかあらかじめ話し合っておくようにしてください。
災害時は電話やインターネットがつながらないこともあるため、災害用伝言ダイヤルの活用も検討しましょう。
【その4】台風情報を手に入れる
台風が近づいてきたら、台風の大きさや、避難が必要なのかどうかを確認するために、正しい台風情報を手に入れるようにしましょう。その際には、SNSなど真偽を確かめられない不確かな情報ではなく、気象庁や日本気象協会など公的機関の発信する情報を参考にするようにしてください。
これにより自身が住む場所が避難区域になったとわかったときは、速やかに避難するようにしましょう。
【その5】台風当日は外出を控える
台風が直撃した当日には不要な外出を控え、なるべく家の中や建物の中にいるようにしてください。台風は思わぬものが飛んでくる可能性があり、身体に当たると大怪我をするおそれがあります。
また、川の氾濫に巻き込まれる危険性もあるため、川などの水場には近づかないようにしてください。
基本的に外出は控える方針でよいのですが、避難指示が出された場合は速やかに避難場所に移動することが必要です。
避難するタイミング
台風のときに避難する目安は警戒レベル3で、高齢者はこのときに避難します。警戒レベル4になったときは全員が必ず避難するようにしましょう。
ただし、子どもがいる場合や、山の斜面や川、地下街にいるようなときは早めの避難を心がけてください。避難指示が遅れる可能性もゼロではないため、危険を感じたときにはすぐに避難することも大切です。また、外が暗くなると気がつかずに危険物を踏んでしまう可能性もあるため、まだ周囲が明るいうちに避難したほうがよいでしょう。
膝上まで浸水すると歩けなくなるため、避難できなくなります。浸水が進んできたと感じたら、警戒レベルや避難指示にかかわらず避難するようにしてください。
水害時に避難するときは、ヘルメットや帽子で頭部を守りつつ、長そで長ズボン、軍手も身に着けます。底が厚いスニーカーを履くと、危険物を踏んだときも安全です。足元が泥だらけな状態のときは棒や傘で地面をつつきながら歩くようにし、溝にはまらないようにしてください。
台風通過後にすること
台風が通過したあとは、自分の家が損壊していないか、外壁や屋根、設備をチェックしましょう。台風による被害は火災保険の補償を受けられる可能性があるため、破損箇所は写真で保存しておきます。
大きな被害に遭い家を離れるときには、火災や盗難などの二次災害が起こらないよう、ガスの元栓を閉め、財産を保護しておきます。
災害に遭ったときには精神的なダメージも懸念すべきです。後片づけや修理など、やることがたくさんある状態ですが、家族や自分のストレスケアにも心を配るようにしてください。
まとめ
日本は台風が多い国であるため、台風対策は必須であるといえます。特に台風の数が多い7月までには台風対策ができるように、準備をしておくようにしてください。ただし、食料や日用品の備蓄、避難持ち出し袋などは台風以外の災害時にも必要になるため、常に準備しておきましょう。
窓にテープを貼る、土のうで水が侵入しないようにする、といった対策を十分に行い、被害を最小限にすることも重要です。