火災報知器が鳴ったらこう動く! 火災のときの避難方法

火災報知器が急に鳴り出したら、誰でも驚いてしまうでしょう。冷静に対処するためには、火災報知器が鳴った場合にどうすればいいか事前に理解しておく必要があります。今回は、火災報知器が鳴ったときの対処法について解説します。火災が発生した際の避難方法についてもポイントを紹介するので、ぜひチェックしてください。

住宅用火災警報器と自動火災報知設備

火災報知器は、建物の中で火災が発生した際、その事実をいち早く察知して知らせてくれる機器です。火災報知器の種類を大別すると、住宅用火災警報器と自動火災報知設備の2種類に分かれます。

住宅用火災警報器は火災によって発生した熱や煙を自動で感知し、感知器から警報音が鳴る機器です。戸建て住宅や共同住宅には設置の義務があるため、いろいろな場所で日常的に見かけます。

それに対して自動火災報知設備は、建物で火災が発生した際に警報システムへ信号を送り、建物全体で警報音が鳴るようにする設備です。

それぞれ警報音が鳴った場合の対処法が異なるため、具体的にどのように対処すればいいかよく確認しておく必要があります。

火災報知器が鳴ったときの対処法

ここでは、火災報知器が鳴ったときの対処ついて、防災協会が公開している情報をもとに流れを詳しく解説します。

参照元:一般財団法人日本防火・防災協会 「もしも住宅用火災警報器が鳴ったら」

手順1・現場確認
住宅用火災警報器が鳴ったときは、まず状況を確認する必要があります。消火器を持ち、住宅用火災警報器が鳴っていて火災が発生していると思われる場所に向かいます。ほかの人の避難をしっかり促すため、警報音はすぐに止めてはいけません。状況を確認し、火災ではないと判明した場合のみ警報音を止めましょう。

マンションなどで自動火災報知設備が鳴ったときは、管理人室に確認しないと詳しい状況はわかりません。自動火災報知設備は建物全体に警報音を鳴らす仕組みになっているため、注意が必要です。自室で火災が発生していないにもかかわらず警報音が鳴ったときは、マンション内のどこかで火災が発生している可能性があります。自動火災報知設備が鳴ったときは、基本的にすぐ避難の準備を始めてください。

手順2・119番通報
現場を確認して本当に火災が発生していた場合は、すぐに119番通報をしましょう。状況と住所を伝え、消防車の出動を依頼します。質問されたときは、正しい情報をきちんと伝えるべきです。また、通報した後に折り返しの電話がくる可能性もあるため、自分の電話番号も伝えましょう。

また、火災が発生している事実を周囲の人にしっかり伝え、避難を促す必要があります。「火事だ!」と大きな声で叫び、避難が必要だとわかるようにしてください。戸建て住宅で火災が起きたときは、家族はもちろん、近隣住民にも避難を呼びかけます。マンションなどの共同住宅であればほかの居室の入居者に火災の発生を知らせ、避難が必要だと伝えましょう。

手順3・初期消火

火が小さいうちは初期消火を行う

警報音により、早い段階で火災の事実を知ることができれば、自分で初期消火ができる可能性があります。炎や煙が小さいなら、消火器やお風呂の残り湯などを使用して消火を試みましょう。ただし、無理はせず、安全を最優先することが重要です。すでに炎が天井まで届くようになっている場合は初期消火をあきらめ、すぐに避難してください。

なお、火災警報器が鳴っている部屋の扉が閉まっている場合、安易に開けてはいけません。バックドラフト現象により、炎が一気に燃え広がる恐れがあるためです。バックドラフト現象とは、室内に新鮮な空気が急激に流れ込み、爆発的に炎が燃え広がることをいいます。ドアやドアノブが熱くなっている部屋の扉を開けるとバックドラフト現象が起きる可能性があるため、注意しましょう。

誤作動だった場合

住宅用火災警報器の誤作動だった場合はボタンを押して警報音を止める

誤作動で警報音が鳴った場合も、住宅用火災警報器と自動火災報知設備でそれぞれ対処法が異なります。住宅用火災警報器なら、機器についている紐を引っ張ったりボタンを押したりすると警報音が止まります。一方、自動火災報知設備は建物全体を制御しているため、自分で警報音を止めることはできません。管理人室に連絡し、警報音を止めてもらいましょう。

なお、基本的には、火災報知器が鳴っても自動的に消防署に通報されるわけではありません。火災報知器を誤作動させただけで処罰される心配はないため、落ち着いて対処しましょう。

ただし、なかには、住宅用火災警報器が鳴ると自動的に警備会社へ通報が入るシステムを導入している家庭もあります。その場合、火災報知器が誤作動したら、必ず警備会社に連絡する必要があります。

火災のときの避難方法

火災が発生したときは、急いで避難しなければなりません。ここでは、火災のときの避難方法について解説します。

参照:一般財団法人秋田県消防協会「火災に巻き込まれたときの避難の方法」

焦らずすみやかに逃げ始める
火災が発生するとすぐに建物全体へ燃え広がる恐れがあるため、焦らずすみやかに逃げる必要があります。貴重品や大切なものを持って逃げようとする人もいますが、火災が発生したら持ち物にはこだわらず建物の外へ避難すべきです。

また、着替えているうちに火の手が上がる可能性もあるため、服装を考えている暇はありません。部屋着やパジャマを着ている場合も、そのままの格好で避難してください。

煙を吸わない

煙を吸わないように口に布を当てて逃げる

火災で特に危険なのは煙です。煙には一酸化炭素が含まれており、人が吸い込むと意識がなくなって呼吸もできなくなります。激しい火災で空気中の一酸化炭素の濃度が一気に高くなれば、数分で死に至る恐れもあるため危険です。火災で人が命を落とす場合、一酸化炭素中毒が原因となるパターンが非常に多くなっています。

火災が発生して避難するときは、煙を吸わないよう口にタオルなどの布を当てましょう。また、低い姿勢を保って煙を避けることも大切です。

エレベーターの使用は厳禁
マンションなどの共同住宅にはエレベーターがついていますが、火災から避難するときは絶対に使ってはいけません。火災が発生すると停電が発生し、エレベーターが途中で動かなくなる恐れがあるからです。電気が通っていても機械が故障して閉じ込められてしまう可能性もあります。

避難時は階段を使用し、着実に建物の外へ出るようにしましょう。避難器具を使える場合は活用するのも一つの方法です。

逃げたら絶対に戻らない
火災の現場から逃げた後は、決して建物の中に戻ってはいけません。火災現場へ物を取りに戻ったせいで命を落とす人は少なくないといわれています。火災発生時は、自分の命を守ることを第一に考えて行動しなければなりません。

万が一、逃げ遅れた人が建物の中に残っていることに気がついたら、消防士にその旨を伝えましょう。逃げ遅れた人がいそうな場所を伝え、救助を依頼してください。

まとめ

火災はいつ発生するかわかりません。日頃から火の扱いには十分に注意する必要がありますが、それでも何らかの原因により火災が起きるリスクは少なからずあります。そのようなときに慌てないためにも、普段から準備や心構えをしっかり整えておくことが重要です。いざというときに冷静に行動できるよう、火災が発生したときはどのように対処すればいいかよく確認しておきましょう。

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