2023年春から解禁予定の「給与のデジタル払い」とは？ そのメリットを解説

これまで、給与は毎月、銀行など金融機関の口座に振り込まれることが当たり前でした。しかし、厚生労働省を中心として「給与のデジタル払い」に関する議論が進められた結果、2023年4月から解禁となる見通しです。給与のデジタル払いが実現されたら、私たちの生活はどのように変化するのでしょうか。

「給与のデジタル払い」とは？

現在、企業からの給与は銀行などの金融機関に振り込まれ、労働者はその現金を引き出して店舗などで利用する流れが一般的です。しかし「給与のデジタル払い」が解禁された場合、金融機関を介すことなく、PayPayやLINE Payといったスマホ決済アプリをはじめとするデジタルマネーで給与を受け取ることができるようになります。

「デジタル払い」にはどのようなメリットがある？

給与がデジタル払いになるメリットは、金融機関が介在しないため、企業側が負担している振込手数料が発生しないこと。「企業負担であれば、労働者にとっては関係ない」と考えがちですが、手数料を気にする必要がなくなれば、日払いや週払いといった短期間での支払いなどに、柔軟な対応がしやすくなるでしょう。また、現金をデジタルマネー化する手間が省けることもメリットです。加えて、口座開設が容易ではない外国人労働者に給与を支払う手段としても注目されています。

今回の規制緩和にあたり、新規参入する事業者は「口座残高の上限を100万円とする」といった条件を満たすことが求められています。100万円を超える取引はできないため、スマホ決済アプリなどが銀行口座の役割をすべて果たせる訳ではありません。
それでも、「給与のデジタル払い」が実現すれば、スマホ決済アプリなどの口座に直接給与が入り、そのまま買い物などに使用できることになります。チャージする手間も、手数料の負担もなくなり、ますます便利になりそうです。

給与の受け取り方法を選べる時代が、すぐそこまで来ています。これを機に、キャッシュレス決済の自分に合った活用方法を考えてみてはいかがでしょうか。