千葉市の中古マンション価格は、首都圏の政令指定都市の中で最も価格が安く、割安感があるものの、東京都寄りの浦安市、市川市などは千葉市より価格が高くなっています。特に浦安市は東京23区の比較的価格水準の低い区より割高で、千葉県の価格相場は地域によるばらつきが大変大きくなっています。今回はアットホームのデータをもとに、千葉市と東京寄りの千葉県主要都市のマンション市況を見てみましょう。
千葉市の平均価格は2,400万円台に
千葉市の2022年7月の中古マンション平均価格は2,448万円です。千葉県全体の平均価格2,686万円より低くなっています。千葉市は県庁所在地なので、千葉県内で最も高そうな気がしますが、東京寄りにある浦安市などの価格が東京並みに高いため、それが千葉県全体の平均価格を押し上げています。そのため、千葉市の平均価格が千葉県全体より低くなっていると考えられます。
首都圏の政令指定都市の平均価格(図表1)で比較してみると、川崎市が3,960万円と最も高く、次いでさいたま市が3,549万円、横浜市が3,516万円、相模原市が2,792万円と続き、千葉市は2,448万円と最も安くなっています。
首都圏の政令指定都市の中では一番価格水準が安く、割安感のある都市と言ってもいいでしょう。
千葉市内では中央区が2,914万円で最も高い
続いて、千葉市の行政区別の平均価格を見てみると、千葉市中央区が2,914円で最も高くなっています(図表2)。JR総武線などが利用できる千葉駅、京成電鉄の京成千葉駅があり、駅周辺には百貨店のそごうをはじめとする大型商業施設などがそろっています。また、区内には千葉県庁、千葉市役所、千葉大学亥鼻キャンパスなどがあります。
JR千葉駅は、総武線快速で東京駅から約40分。同じ県庁所在地である横浜市のターミナル駅となる横浜駅は東京駅から上野東京ラインで約25分、浦和駅も同じく約25分ですから、それに比べるとやや時間がかかります。とは言え、千葉県と千葉市の経済・社会・文化の中心の街であることから、千葉市内で平均価格が最も高い行政区であるのも当然のことでしょう。
千葉市中央区に次ぐのが、千葉市美浜区の2,575万円です。千葉市の中では最も東京寄りに位置し、埋め立て造成により計画的に街づくりが進められてきました。都市機能が充実した幕張新都心、海浜ニュータウンなどがあります。幕張メッセ、ZOZOマリンスタジアムなどの集客施設が多いのも特色です。
反対に最も安いのは千葉市若葉区の1,723万円です。千葉市中央区の東側に位置し、市内最大の面積を有する区であり、JR総武本線・千葉都市モノレール都賀駅を中心に千葉市の副都心機能の整備が進められています。都賀駅は千葉駅から2駅で、都心からの交通アクセスがさほど悪いわけではなく、価格面では割安感があるのではないでしょうか。
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千葉駅 / 海浜幕張駅 / 都賀駅
千葉市から東京寄りの都市では、そのほか市川市が3,183万円で、船橋市が2,801万円、習志野市2,893万円など、千葉市の平均価格を上回っている都市があります。
浦安市は東京23区並みか、それ以上の水準
千葉県には東京からのアクセスが良い都市がいくつかあり、交通利便性の高さから県庁所在地である千葉市よりむしろ平均価格が高くなっている都市があります。
その代表格が、千葉県内で最も平均価格が高い浦安市です。大規模な埋め立てによって都市計画に基づいた街づくりが進められ、マンションや戸建ての分譲が進み、人気を集めてきました。日本有数のテーマパークの存在も人気を高めています。
東日本大震災時に大規模な液状化被害が発生し、一時的にマンション価格なども値下がりしました。最近ではそれも一段落して価格は元に戻り、分譲マンションが東京23区並みの価格で販売され、大変な人気を集めるようになっています。
2022年7月の浦安市の中古マンション平均価格は4,554万円でした。千葉市中央区より高いのは言うまでもなく、東京23区と比較しても台東区の4,581万円、中野区の4,566万円などと肩を並べる水準です。東京23区でも3,000万円台の区がありますから、浦安市の価格は文字通り東京23区並みかそれ以上と言ってもいいほどです。
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浦安市のマンションは築古でも安くなりにくい
それでは、千葉市内で中古マンション平均価格が最も高い千葉市中央区と、千葉県内で中古マンション平均価格が最も高い浦安市を比較してみましょう。中古マンション価格は、築年数によって違ってきます。
図表3にあるように、千葉市中央区は築5年以内が3,940万円だった価格が、築10年以内は3,686万円に下がり、築15年以内はやや高くなるものの、築20年以内は3,820万円、築30年以内は3,350万円と安くなります。築浅物件は高くて簡単に手が届かなくても、築古物件に目を向ければ購入可能な価格帯のマンションが見つかるかもしれません。
ただ、人気の高い浦安市では築年数が長くなってもあまり価格が安くなりません。築5年以内は売り物件が少なく、築10年以内は5,520万円、築15年以内は5,390万円とほとんど変わらず、築20年以内は5,684万円とむしろ築浅物件より高くなります。
駅前から開発が進んできたため、竣工から間もない築年数が浅い物件は駅からの徒歩時間が長くなる傾向にあります。一方、築古物件は早くに開発された駅近にある物件が多くなっています。その分、築古物件の価格は築浅物件より高くなってしまうのでしょう。
千葉市のワンルームなら1,000万円台以下
築年数とともに、間取りによっても価格帯は大きく違ってきます。図表4は、千葉市全体、千葉市中央区、浦安市の間取り別の平均価格を示しています。
千葉市全体の平均を見ると、1R~1Kなら664万円で手に入ります。1DK~2DKでも1,457万円です。3LDK~4DKになると、千葉市平均は2,659万円で、千葉市内で最も高い千葉市中央区だと3,410万円です。若い世代やシングル、DINKSなどであれば、まずはコンパクトタイプのマンションを手に入れて、それを売却、ある程度の自己資金を用意し、ライスステージやライフスタイルの変化に合わせてファミリータイプを購入してステップアップしていくのがいいのではないでしょうか。
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さらに、千葉県でも最も価格帯が高い浦安市になると、3LDK~4DKは4,803万円、4LDK以上は5,216万円です。浦安市の場合、駅前などの一部を除いてコンパクトな間取りの物件は少なく、ほとんどがファミリータイプです。市内でのステップアップは現実的ではないので、ほかのエリアからのステップアップか、確実に自己資金を増やしてから購入するしかありません。
エリアや築年数、間取りなどに応じて価格帯は大きく異なりますから、自分たちのライフステージ、ライフスタイルに合わせて現状をしっかりとチェックして、希望物件を絞り込んでいくようにしたいところです。
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