トレーラーハウスは住居として使える? 気になるライフラインや性能は?

トレーラーハウスとは、移動可能な建物のことです。住居としても使用できますが、その場合はライフラインや居住空間としての快適さなどをチェックしたうえで購入する必要があります。

今回は、トレーラーハウスを住居として使うために確認しておきたいポイントを解説します。購入を検討する際の注意点や費用についても説明するので、参考にしてください。

トレーラーハウスを住居として購入するには?

トレーラーハウスを住居として購入するには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、トレーラーハウスを購入する前に確認しておきたいことを紹介します。

設置スペースを確保する
住居として住むトレーラーハウスを購入するなら、トレーラーハウスを設置できる土地を事前に確保しなければなりません。自分の所有地がない場合は、賃貸借契約を結んだ土地にトレーラーハウスを設置することも可能です。トレーラーハウスは基本的にどこにでも設置できるため、利用できる場所も幅広くなっています。

トレーラーハウスは基本的には建築物として扱われず、市街化調整区域にも設置できます。ただし、農地にトレーラーハウスを設置するには、地目の変更が必要です。事前に市町村の農業委員会へ相談し、具体的にどのような対応をすべきか確認しましょう。

運搬が可能かどうか検討する
トレーラーハウスには車輪がついていますが、エンジンはありません。そのため、設置する土地へ運搬する際は、大型牽引車を用いて牽引する必要があります。大型牽引車がトレーラーハウスを牽引して走行する場合、最低でも8m以上の道幅が必要です。

道幅が狭すぎると道を曲がれないため、設置場所までたどり着けない可能性があります。また、敷地内に障害物があるなら、あらかじめ撤去しておかなければなりません。購入前に必ず運搬経路を確認し、問題なく運搬できるかチェックしましょう。

設備や性能をチェックする
トレーラーハウスを購入するときは、用途に合わせて設備や性能をチェックすることが大切です。住居として使用するには普段過ごすためのスペースだけでなく、キッチン、トイレ、バスルームなどの水回りの設備も必要になります。寒冷地でトレーラーハウスを使用するなら、断熱性や気密性が十分かどうかも重要なポイントです。

また、使用する人数に適した広さがあるかも確認しましょう。あわせて、間取りの使い勝手の良さもチェックする必要があります。

トレーラーハウスは何年住めるのか?

日本トレーラーハウス協会によれば、トレーラーハウスは車両にあたり、法定耐用年数は4年です。ただし、法定耐用年数は税法上の減価償却を行う目的で定められているため、トレーラーハウスに住める実際の年数とは異なります。設置している環境やメンテナンスの状況にもよりますが、トレーラーハウスは一般的に20年以上使用できるといわれています。

ただし、基礎がある一般的な住宅と比較すると、耐用年数は短めです。なるべく長くトレーラーハウスに住むためには、メンテナンスに多額のコストがかかる可能性があります。

出典:トレーラーハウスの税法上の取扱|日本トレーラーハウス協会

トレーラーハウスで快適に暮らすためのポイント

トレーラーハウスに住む場合、快適に暮らすにはさまざまなことを意識する必要があります。ここでは、トレーラーハウスで快適に暮らすための具体的なポイントを紹介します。

ライフラインを整備する
トレーラーハウスで生活するには、ライフラインをしっかり整備することが大切です。生活に欠かせない電気、水道、ガスなどをきちんと供給できるか確認しましょう。

電気を通すには、電気メーターとカプラーを用意する必要があります。そのうえで、車両のケーブルとカプラーを接続すると、トレーラーハウスで電気を使えるようになります。トレーラーハウスの設置場所に上下水道が通っている場合、アタッチメントを使って接続すると給排水が可能です。工具を使わずに取り外しできるため、簡単に使用できます。ガスはプロパンガスを設置して使用しましょう。

階段やウッドデッキを設置する
トレーラーハウスは、地面と出入り口の間に段差があります。そのため、出入り口の外に階段やウッドデッキを設置すると、より出入りがしやすくなります。ウッドデッキをつければ使用できるスペースがさらに広がるため、何かと便利に活用できるでしょう。

ただし、トレーラーハウスを車両として登録する場合、すぐに移動できる状態であることが条件になります。トレーラーハウスに階段やウッドデッキを取り付けるなら、簡単に取り外しできるようにしておかなければなりません。

定期的なメンテナンスを行う
トレーラーハウスの耐用年数は一般的な住宅よりも短いため、長く住むには定期的なメンテナンスが必要です。たとえば、外壁に使用しているシーリング(コーキング)は、5年に1回程度の頻度で補修したほうがいいでしょう。これにより、気密性や断熱性を維持できます。トレーラーハウスの土台であるシャーシのさび止めや塗装も、こまめにチェックすることが大切です。また、タイヤの劣化や空気圧などもよく確認してください。

トレーラーハウスの内部に設置している水回りの設備については、パッキンの交換や排水管のつまりのチェックなどを定期的に実施する必要があります。

トレーラーハウスの購入や維持にかかる費用

トレーラーハウスの本体の価格は、500~1,000万円以上と幅広いです。また、トレーラーハウスを運搬するには、15万円以上の費用がかかります。運搬費用は距離によっても変わるため、事前に確認しましょう。運搬時に使用する専用ジャッキの費用は、1基あたり1万~1万5,000円程度です。

さらに、トレーラーハウスを住居として使うには、外部電気接続や外部給排水接続のための費用もかかります。階段やウッドデッキを取り付けたり、新しい家電や家具を用意したりするなら、それらの購入費用も必要です。加えて、メンテナンスにかかる費用も考えておかなければなりません。

総額でいくらになるか正確に知りたい場合は、見積もりを取って確認する必要があります。なお、車検付きのトレーラーハウスには、自動車税や自賠責保険の保険料などもかかります。建築物に該当するトレーラーハウスなら、不動産取得税や固定資産税などの納税が必要です。

まとめ

トレーラーハウスを住居として使用する場合、そもそも設置できるかどうか確認が必要です。住居として問題なく使用できる性能が備わっているかについても、しっかりチェックしなければなりません。また、トレーラーハウスの税法上の耐用年数は4年ですが、使用環境やメンテナンスによっては20年以上住める場合もあります。

トレーラーハウスに住むためには、本体の購入費に加えて運搬費用、ライフラインの接続費用、メンテナンス費用などさまざまなコストがかかります。注意点や費用を理解したうえで、トレーラーハウスの購入を検討しましょう。

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