ツリーハウスとは、地面から生えている生木を土台として建てられた小屋のことです。目線が高く、自然を楽しめる魅力的なもので、自分の庭や所有地にある木にツリーハウスを建てたいと考えている人もいるでしょう。そのときに気になる点は固定資産税といった税金関係や建築基準法ではないでしょうか。
この記事では、ツリーハウスに関する法律や税金、ツリーハウスの楽しみ方について解説します。
ツリーハウスとは
ツリーハウスとは、実際に生えている木を土台として建てられた小屋のことです。木の上の部分、高い部分に建てられたもの、というイメージを持つ人も多いでしょうが、木を土台にしていれば、低いものもツリーハウスと定義されます。
木材にした木ではなく生きている木を土台とするため、木の成長とともに微調整が必要です。自宅に設置する場合は、定期的にメンテナンスしなければならないでしょう。
ツリーハウスは建築物?
日本では、建物を建築するときには建築基準法を守らなければなりません。建築基準法における建築物とは、「土地に定着する工作物」のうち「屋根および柱もしくは壁」があるもの、またこれに付随する「門、塀、観覧のための工作物、その他の建築設備」とされています。
基本的に、ツリーハウスは生木を土台にしていて地面に接着されているわけではなく、土地に定着する工作物とはいえません。そのため、屋根や柱、壁があったとしても建築物には該当しないと考えられています。
しかし、生木を土台にしつつ土地に定着するような建て方をすると、ツリーハウスも建築物と見なされる可能性もあります。
建築物となるなら建築基準法を守らなければならない
建築物となると、建築基準法を順守した建て方をしなければなりません。しかし、ツリーハウスは建築物ではないとされるため、建築基準法を守らずに建てたとしても違法にはなりません。そのため、素人がDIYでツリーハウスを建てることもできます。
ただし、人が立ち入ること、木の上で高さがあることから、安全面にはかなり気をつけないと人の命にかかわる重大事故が起こる可能性があります。知識がないDIY初心者がツリーハウスを建てるのはおすすめできません。
建築基準法に該当しないからといって、ずさんな材料選びや建設方法でツリーハウスを作るのは大変危険です。安全面では最大限の配慮が必要でしょう。
ツリーハウスに固定資産税はかかる?
ツリーハウスが家や建物となるのであれば、固定資産税が発生する可能性があります。固定資産税とは、土地や家屋などの不動産に対して発生する地方税で、不動産の価値に応じて税額が決められます。ここでは、ツリーハウスに固定資産税が発生するのかどうか解説します。
固定資産税がかかる条件
固定資産税は土地や家屋に対してかかる税金です。固定資産税における家屋の条件は以下の3つです。
この3つの条件を兼ね備えていると、家屋として固定資産税が発生します。通常は住宅、納屋、壁付きのカーポートなどが該当します。
基本的にツリーハウスに固定資産税はかからない
ツリーハウスは外気分断性や用途性はありますが、生木を土台としているため土地への定着性はありません。そのため、固定資産税の対象とはならず、基本的にツリーハウスを新たに建てても固定資産税は発生しません。
ただし、ツリーハウスの建て方によっては家屋と見なされる可能性はあります。しかし、固定資産税は家屋や土地の価値に応じて決められるため、規模が小さなツリーハウスでは高額にはならないでしょう。
ツリーハウスで過ごすための方法
ツリーハウスは、自然を身近に感じながらゆったりとした時間を過ごせる場所です。秘密基地にいるような非日常感を味わえるため、一度ツリーハウスを体験してみたい、という人もいるでしょう。
ここでは、どこでどうすればツリーハウスを体験できるのか、その方法を紹介します。
キャンプ場に併設されていることがある
自宅に建設しなくても、ツリーハウスはキャンプ場などに併設されていることがあります。キャンプ場にあるツリーハウスは広々とした森などに建てられていることが多く、自然のなかでゆったりとした時間を過ごせます。
なかには、宿泊施設として利用できるようなしっかりとしたツリーハウスもあり、キッチンやトイレ、シャワーなどがついているものもあります。自分たちで何か準備する必要もなく、手軽にツリーハウスを楽しめるでしょう。
自分で作る
ツリーハウスは自分で建てることも可能です。ただし、自宅や自分の土地に、しっかりとした巨木があることが望ましい条件です。もちろん、公園などの公共施設に勝手にツリーハウスを建てることはできません。
また、高いところに位置するツリーハウスは丈夫に建てないと危険です。命にかかわる事故が起きる可能性もあるため、軽はずみな気持ちでDIYしないようにしてください。また、建てる木に問題がないかどうか、樹木診断士に診断してもらったほうがよいでしょう。
ツリーハウスキットとしてツリーハウス製作に必要な材料を販売するサービスもあるため、DIY初心者はそういったものを活用するのもおすすめです。その場合でも、できれば大工さんなどによるサポートをつけるようにしたほうがよいでしょう。またそのようなサービスを提供している会社もあります。
工務店に依頼する
工務店に依頼して、ツリーハウスを建ててもらう方法もあります。もちろん自分で建てるよりも費用はかかりますが、プロの手で作ってもらえるため安心です。ツリーハウスを使用する家族の不安や事故を懸念するのであれば、なるべくDIYではなく工務店に依頼したほうがよいでしょう。
ただし、ツリーハウスは建築基準法の対象外であることから安全性を担保する基準がなく、工務店側はクレームが起こったときに対処しづらいという面もあります。そのため、ツリーハウスは請け負わないという工務店も少なくありません。
ツリーハウスの楽しみ方
ツリーハウスで何をして過ごすのかは、人によってさまざまです。活発にアウトドアを楽しみたい人やゆっくり自然を感じたい人など、いろいろな使い方があります。
耐火性があるバルコニーがあり、火の取り扱いが許可されているところであれば、ツリーハウスでバーベキューもできるでしょう。天井がガラスで透けているようなツリーハウスでは、部屋の中にいながら星空観察もできます。
自宅にツリーハウスがある場合は、子どもの遊び場や、ちょっとした読書タイムのための場所としても使えます。なにより、自宅にいながらにして特別な時間を味わえるのは、ツリーハウスならではでしょう。
まとめ
樹木を土台として建設するツリーハウスは、目線が高い場所で非日常空間を楽しめます。子どもは遊び場として、大人はちょっとした休憩タイムの場所として、ツリーハウスはさまざまな年代の人が使えるものです。一般的なツリーハウスは建築物として扱われないため、基本的に建築基準法の対象外であり、固定資産税もかかりません。
ただし、建て方によっては建築物として扱われる可能性もあるため、心配な場合は管轄の相談窓口や税務署に問い合わせてみましょう。ツリーハウスをDIYする人もいますが、倒壊しないように十分な知識と技術が必要です。不安がある場合は工務店に依頼するなどして、ツリーハウスの建設中や使用中の事故を防ぐようにしてください。