大文字焼きはいつ、どこでやるの? 全国の大文字焼きの歴史や日程などを紹介

夏になると、全国各地で大文字焼きが行われます。特に京都の五山送り火が有名ですが、それ以外にもさまざまなところで大文字焼きが実施されています。大文字焼きとあわせて盆踊りや花火などが開催される場合もあり、夏の一大イベントとして楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。今回は、全国各地の大文字焼きについて紹介します。

大文字焼きの歴史・由来とは?

日本のお盆には、祖先の霊をあの世へ送るための送り火を焚く習慣があります。大文字焼きとは、松明の炎で山の中腹に巨大な「大」の字を描いて送り火とする行事です。

大文字焼きとして有名な京都五山送り火は、正式には「大文字焼き」とは呼ばれておらず、「送り火」と表現されています。京都五山送り火がいつから始まったのかについては、正確な記録が残っていません。そのため、歴史や由来なども不明となっています。

京都五山送り火はどんな行事?

京都五山送り火は京都四大行事の一つであり、送り火の行事として全国的に有名です。東山に大文字、松ケ崎に妙・法、西賀茂に船形、大北山に左大文字、嵯峨に鳥居形の火が灯されます。

2023年の京都五山送り火は、通年通り8月16日の20:00からの点火が予定されており、それぞれの場所で約30分間送り火が行われます。それぞれの場所の点火時間と見える場所は、以下のとおりです。

・大文字:20:00 鴨川堤、鴨川堤西岸、京都御苑など
・妙:20:05 北山通(京都ノートルダム女子大学付近)、宝池自動車教習所付近など
・法:20:05 北山通、高野川堤東岸など
・船形:20:10 鴨川堤東岸、北山通(北山大橋から北西)など
・左大文字:20:15 西大路通(西院〜金閣寺)など
・鳥居形:20:20 松尾橋付近、広沢池付近など

全国各地で開催される大文字焼き

大文字焼きは、京都五山送り火以外にも全国各地で行われています。ここでは全国各地の主な大文字焼きを紹介するので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

大館大文字まつり
大館大文字まつりは、秋田県大館市で行われている大文字焼きの行事です。開催日は、毎年8月11日です。昼の部と夜の部にわかれており、それぞれ異なるプログラムが用意されています。昼の部では大文字踊りやスクールバンドによる演奏、夜の部は花火大会と鳳凰山への大文字点火が行われます。

平泉大文字送り火
平泉大文字送り火は、岩手県平泉町で毎年8月16日に行われています。中尊寺からトーチで法火リレーを行い、最終的に束稲山駒形峰で大文字送り火を実施します。平泉大文字送り火の目的は、藤原泰衡と義経主従、戦没者、先祖代々の追善供養です。約100メートルの大文字が浮かび上がり、多くの人をひきつけます。

大島の火まつり
大島の火まつりは、群馬県富岡市で開催されている火祭りです。住民が先祖の霊に対して祈願するために、大島の山の中腹に火を灯します。大文字ではなく、その年の漢字一文字が点火されるところが大きな特徴です。2021年の漢字は「去」でした。

大島の火まつりは毎年8月16日に行われており、点火時間は19:30です。2023年の開催については7月27日時点で実施すると公表されていますが、点火される漢字は発表されていません。

箱根強羅温泉大文字焼
箱根強羅温泉大文字焼は、神奈川県箱根町でうら盆の送り火として行われている大文字焼きです。100回以上の歴史があり、明星ヶ岳の山頂近くに大文字の火が灯されます。箱根強羅温泉大文字焼では、同時に打ち上げ花火や仕掛け花火なども実施されるのが恒例です。打ち上げ花火は大文字の火の左側、仕掛け花火は大文字の火の下側で行われます。

毎年8月16日に開催されており、2023年は8月16日(水)の19:30に点火される予定です。

甲斐いちのみや大文字焼き
甲斐いちのみや大文字焼きは、山梨県笛吹市で行われているお盆の送り火の行事です。江戸時代に行われていた送り火を約150年ぶりに復活させ、毎年地元の消防団が点火や管理を行ってきました。ただし、2017年からは、火ではなく電気で大文字を点灯するようになっています。

点灯場所は東新居地区の大久保山中腹です。いちのみや桃の里ふれあい文化館がイベント会場となっています。甲斐いちのみや大文字焼きは、毎年8月16日の20:00から行われています。

がんがら火祭り
がんがら火祭りは、大阪府池田市で開催されている火祭りです。府の無形民俗文化財にも指定されており、火難厄除けや家内安全を願う伝統行事として地域の人々から親しまれています。

火が灯されるのは、池田市のシンボルである五月山の中腹です。また、100kgもの重さがある大松明を若者が担ぎ、市内の3㎞の道のりを巡行します。毎年8月24日に開催されていますが、2023年の開催については2023年7月時点でまだ公表されていません。

四万十の大文字の送り火
四万十の大文字の送り火は、高知県四万十市間崎地区で行われています。一條房家が父の教房と祖父の兼良の精霊を慰めるため、約500年前に送り火を焚いたのが始まりです。大文字の送り火は、地区の住民によって運営されています。十代地山の中腹を大文字に掘り、地区の各家庭から集めた松明を配して点火します。

ほかの地域とは異なり、開催日は旧暦の7月16日です。2023年の開催については2023年7月時点で8月31日開催と発表されています。

まとめ

大文字焼きとは、お盆に先祖の霊を追善供養するために行う送り火です。特に有名な京都の五山送り火は、2023年8月16日の20:00から点火予定となっています。京都以外の場所でも、全国各地で大文字焼きが行われてきました。大文字焼きは夏の伝統行事として欠かせないものとなっており、地域を盛り上げています。お盆の時期には、近くの大文字焼きの行事へ足を運んでみましょう。

(最終更新日:2023.07.27)
~こんな記事も読まれています~