カビが生えたときの対処方法は? 壁やお風呂、エアコンなど場所別に解説

家の中でカビを発見したら、どのように対処すればいいのでしょうか。対処法がわからず、カビに気づきながらも放置してしまうと状況が悪くなるばかりです。カビの撃退は一筋縄ではいかないことが多く、カビが発生した場所やモノに応じた適切な方法で対処することが大切です。今回は、カビが生えたときの対処方法を、それぞれのケース別に解説します。

カビが発生したときの対処方法

カビが発生したら、繁殖して被害が広がる前に、中性洗剤や漂白剤などを使って早めに除去することが大切です。洗剤は、カビが生えた場所やカビの状況によって使い分けるのがおすすめです。カビの除去に有効な洗剤の種類と効果をまとめたので、参考にしてください。

基本的には、布などに洗剤を付けてカビを拭き取るか、カビに洗剤や薬剤を十分に染み込ませてから拭き取ったり洗い流したりして退治します。ただし、使用する洗剤や薬剤は、使える場所や素材に制限があるため、それぞれの特徴をよく知り、誤った使い方をしないように気をつける必要があります。

カビの掃除をする際の注意点

カビを除去する際は、カビの生態や洗剤などの特徴を知ったうえで、適切に掃除しなければなりません。以下に、カビを掃除する際に特に気をつけたい注意点を解説します。

カビを広げないようにする
カビを掃除するときは、水やお湯で濡らした雑巾を絞って拭き取るだけでは不十分です。表面を拭き取ってきれいになったように見えても、カビの根(菌糸)は完全には除去できていません。単なる水拭きでは、カビの生育に必要な水分を与えただけになり、さらに増えるおそれがあります。乾拭きや掃除機の使用も、カビの胞子が空気中に舞い上がる原因になり、ほかの場所に被害を拡大させることになるため避けましょう。

カビ取り剤や塩素系漂白剤の取り扱いに注意する
カビ取り剤や塩素系漂白剤を使用するときは、使用上の注意を厳守し取り扱いに十分気をつけてください。塩素系のカビ取り剤は、酸性タイプの洗剤などと混ざると急激に有毒の塩素ガスが発生します。有毒ガスを吸い込んだことによる中毒事故の事例があるため、注意すべき洗剤のパッケージには必ず「まぜるな危険」の文字が記載されています。

塩素系や酸素系の洗剤を使ったあとはしっかりと洗い流してから、ほかの洗剤を使用しましょう。これらの洗剤の使用中は、必ず換気をすることが大切です。

マスクやゴム手袋などを着用する
カビ掃除をするときは、カビの胞子が舞って吸い込む可能性があるため、必ずマスクを着用しましょう。また、塩素系のカビ取り剤は、目やのど、皮膚に付くと強い刺激を感じます。スプレーするときは、必ずマスクやゴム手袋、ゴーグルなどで体を保護してから使うことをおすすめします。

スプレーで成分が飛び散る危険性があるため、万全を期すためには、皮膚が露出しない服装で行うと安心です。天井のカビ掃除には、目線から上に向けてスプレーせず、柄付きスポンジなどに洗剤を染み込ませてからカビに塗布してください。

カビの発生場所別に対処方法を解説

空気中にはカビの胞子が浮遊しているため、条件さえ揃えば家のあちこちにカビが発生する可能性があります。ここでは、場所ごとにカビの対処方法を紹介します。

壁紙
壁紙にカビを見つけたときは、エタノールなどの消毒用アルコールを布やティッシュに含ませて、カビの上からアルコールを浸透させるよう押さえながら拭き取ります。これでもカビを落とせないようなら、薄めた中性洗剤を布に染み込ませてこするように拭き取ってみましょう。

その後、水で濡らした布で洗剤を拭き取り、よく乾燥させます。壁紙の素材によっては拭いた跡が残る場合があるため、先に家具の裏などの目立たない場所で試してみると安心です。カビが広い範囲に発生している場合は、壁紙の交換が必要になります。

窓枠
窓枠にできる黒カビは結露が原因です。結露をこまめに拭き取らないと、水分や汚れにカビの胞子が付着して繁殖してしまいます。窓枠は、カビの除去と黒カビの色素を落とす効果が期待できる塩素系漂白剤を使用するのがおすすめです。

キッチンペーパーや布に塩素系漂白剤を含ませて、カビ部分に密着させます。15分程度放置したら、水を含ませた雑巾などで漂白剤を拭き取ります。窓枠など水洗いできない場所のカビ退治は、液だれしにくいジェル状の塩素系漂白剤もおすすめです。

フローリング
フローリングに生えたカビは、強力なカビ取り剤や塩素系漂白剤、エタノールなどを使うとコーティングが剥がれ、素材を傷めてしまうことがあります。フローリングにも使えるカビ取り剤か、または中性洗剤を水で薄めて拭き取るようにしましょう。

重曹をそのまま使うと、研磨作用があるためフローリングの表面が傷ついてしまいます。フローリングが変色する可能性もあるため使用するのは避けてください。

お風呂
浴室で黒カビを発見したら、換気扇を回して浴室をよく乾燥させてから、カビ取り剤や塩素系漂白剤でカビを退治しましょう。

パッキンなどの柔らかい部分は、キッチンペーパーに塩素系漂白剤を染み込ませて覆っておきます。天井のカビや手の届きにくい部分は、先述したように柄付きスポンジにカビ取り剤などを染み込ませて塗布します。天井から液がぽたぽたと垂れないように気をつけてください。また、洗い流すときも水滴がかからないよう取り扱いには十分注意しましょう。

エアコン
エアコンのカビが気になる場合は、電源を抜いたうえでフィルターを外して掃除します。掃除機でホコリを吸い取り、綿棒などで汚れを落とします。水で薄めた中性洗剤を布に染み込ませ、カビを拭き取りましょう。

カビが落ちたら、水拭きをして洗剤を拭き取ります。このとき、エアコンの電装部分に水や洗剤をかけると故障の原因になるので注意してください。手の届かない内部にまでカビが発生しているときは、専門業者に掃除を依頼しましょう。

洗濯機
洗濯機のカビ取りに効果的なのは、洗濯槽の掃除に特化した酸素系や塩素系の洗濯槽クリーナーです。酸素系漂白剤を使う場合は、40~50度のお湯を使用すると効果を発揮しやすくなります。洗濯槽クリーナーを入れて高水位まで給水してから、標準コースで洗濯機を回します。

つけ置きが必要な場合は、製品の使用方法を確認してつけ置く時間を守ってください。一部の洗濯機に搭載されている洗濯槽洗浄コースの機能を使えば、自動的に掃除に適した水位やコースが設定されます。

マットレス
マットレスのカビには、消毒用エタノール、またはマットレスに使えるカビ取り剤を使いましょう。カビが発生している部分に、エタノールやカビ取り剤を吹きかけ、1時間程度放置します。その後、水拭きで拭き取り、最後にドライヤーや布団乾燥機を使って乾燥させます。

ただし、エタノールはカビで黒ずんだ色素までは除去できません。カビ取り剤は漂白することにより黒ずみを除去できますが、マットレスも脱色して色落ちすることがあるため使用の際は注意してください。

まとめ

カビを発見したら、家や家族の健康を守るためにも、カビが増えて根深く定着する前になるべく早く対処しなければなりません。カビの状態やカビが発生した場所に応じて、適切な洗剤や漂白剤、掃除方法で退治しましょう。

カビの掃除をするときは、洗剤や漂白剤の取り扱いに十分な注意が必要です。必要に応じて、マスク、ゴーグル、ゴム手袋などを着用して、素肌に薬液などが付かないように保護したうえで掃除してください。また、カビ取り剤や漂白剤などを使用する際は、必ず換気を行いましょう。

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