『ARUHIマガジン』が、住宅購入経験者と検討者を対象に実施した「住宅購入に関する調査2022」。住むエリアを決める際は、アクセス環境や生活利便性といった条件から何を優先し、どのような街で暮らすことを選択しているのでしょうか。住宅購入時に選ぶ立地や街に関する調査結果をまとめて紹介します。
コロナ禍の暮らしを経て、駅や職場の近さをそこまで重視しない人が増加
自宅から最寄り駅や職場、実家といったよく訪れる場所と自宅の距離関係を調査した結果、最寄り駅も職場も、前年の同調査と比較してある程度の距離があっても許容されている傾向が見えてきました。在宅勤務など毎日職場に行く必要がない勤務スタイルの人が増えた影響と考えられ、コロナ禍には遠方だと行き来が難しかった「実家」に関しては、同居や近居を求める人が若干増加しているようです。
また、住む街の探し方や実際に住み始めての満足度についても調査。街を選ぶ際に8割近くの人が何らかのアクションを起こしていることが分かりました。「日常の買い物の利便性」などを重視しながら街を選んだ結果、実際に住み始めても8割以上の人が満足しています。
住宅購入理由、生活環境面では「広い家に住みたい」が最多
生活環境に関する住宅購入理由
住宅購入者や住宅購入検討者は、どのような理由で家を買う決断をしているのでしょうか。生活環境の観点から理由を聞いたところ、「広い家に住みたい」が24.2%、「生活の質を上げたい」が23.0%、「立地・アクセスの良いところに住みたい」「住環境の良いところに住みたい」がともに15.3%と続き、家そのものの広さやクオリティーとともに、立地や街の住みやすさも重要であることが分かります。
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住宅購入の理由、 経済面では「家賃がもったいない」が5割以上 年代・家族構成で異なる傾向も|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
コロナ禍の生活を経て「駅近」は必須条件ではなくなりつつある?
【最寄り駅までの徒歩分数】住宅購入者の平均額と中央値
立地の良さを判断するにあたり、多くの人にとって「最寄り駅の近さ」は大きな判断基準となるのではないでしょうか。住宅購入者に最寄り駅まで徒歩何分の家を購入したか聞いたところ、平均の徒歩分数は17.5分(中央値11.5分)でした。2021年度の同調査と比較すると、2021年時の平均14.6分(中央値10分)から平均2.9分(中央値1.5分)増加しています。在宅勤務など働き方が多様化したこともあり、最寄り駅まである程度の距離があっても構わないと考えている人が増えつつあると考えられます。
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コロナ禍で「駅近離れ」が進行中? 住宅購入時に考えたい最寄り駅までの徒歩分数|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
在宅勤務ありの人は、住宅購入時に「職場の近さ」の重要度が薄れる?
【在宅勤務状況別】職場までの所要分数
最寄り駅の近さとともに、職場の近さも気になるところです。住宅購入者と住宅購入検討者に新居から職場までかかる時間を聞いたところ、在宅勤務ありの人が平均53.2分(中央値60分)なのに対し、在宅勤務なしの人が平均38.6分(中央値30分)と、在宅勤務なしの人の方が、通勤時間がかからない場所を選んでいます。
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マイホーム購入、通勤時間は約40分がスタンダード? |ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
実家の近くで暮らしたい人がやや増加の傾向
【2021年・2022年比較】新居と実家のベストな距離感
子育てや育児をサポートしてもらいたいなどの理由で、「実家の近くで暮らしたい」という人もいるでしょう。新居と実家のベストな距離感を住宅購入者と住宅購入検討者に聞くと、「0分(同居・二世帯住宅)」が8.5%(前年6.8%)、「徒歩圏内」が17.8%(前年16.7%)と、2021年度の同調査結果と比べていずれもやや増加。「実家が遠方のため、近くに住むことが難しい」が2021年時の40.3%から32.2%と、8ポイント以上減少しています。コロナ禍の暮らしを経験し、親といつでも会える同居や近居に魅力を感じた人が多いのかもしれません。
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同居や近居を希望する人が増加傾向? 新居と実家の理想的な距離とは|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
住む街に求めているのは「日常の買い物の利便性」
住宅購入者・住宅購入検討者が住む街を選ぶ際に重視した(したい)こと
立地だけでなく、住環境も重要です。住宅購入者と住宅購入検討者に、住む街を選ぶ際に重視した(したい)ことを聞くと、1位は「日常の買い物の利便性」でした。徒歩圏内にスーパーがあるなど便利な環境を求める声が大半で、「老後を見据えて便利な環境で暮らしたい」という意見も目立ちました。
2位以下には「最寄り駅までの近さ」「職場へのアクセスの良さ」「物件価格のコストパフォーマンス」「治安の良さ」が挙がっています。
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男性は通勤アクセス、女性はコスパや治安も重視? 住む街を選ぶ際に重視すること|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
住む街を選ぶために情報収集を実施した人は8割弱
住む街を選ぶ際の情報収集方法
住宅購入者と住宅購入検討者は、住む街をどのように選んでいるのでしょうか。情報収集方法を複数回答で聞いたところ、「実際にその街に行ってみた・行く」が最多で36.8%、次いで「地図で周辺施設・店舗を確認した・確認する」が35.0%という結果に。「特に何もしていない・しない」と回答した人は21.7%で、8割近くの人がどの街に住むか見極めるために何らかの情報収集を行っています。
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住む街はどう探す? 住宅購入者の情報収集、3割以上がやっているアナログな方法とは|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
8割以上の住宅購入者が今住んでいる街に「満足」
現在住んでいる街の満足度
では、住むことに決めた街で実際に生活を始め、現在住んでいる街にどの程度満足しているのでしょうか。住宅購入者に聞いたところ、「とても満足」が31.7%、「だいたい満足」が51.0%と、合わせて82.7%の人が満足している結果に。大半の人が、選んだ街に満足していることが分かります。
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「今住んでいる街」の満足度は? 利便性だけでなく、近隣住民との相性も重要?|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
まとめ
マイホームの購入は多くの人にとって、一生に幾度とない出来事です。どんな街で暮らすのか決断をすることも、簡単なことではありません。しかし、今回の調査では実際に住宅購入を叶えた人の8割以上が、現在住んでいる街に満足していることが分かりました。住宅購入に一歩踏み出せずにいる人は、気になる街の口コミや住みやすさをチェックするなど、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
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【調査概要】
調査エリア:全国47都道府県
調査対象者:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2022年2月25日~3月2日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング