長野県は移住先として人気のある県で、移住先ランキングでも常に上位となっています。今回は、長野県の魅力や生活環境、移住におすすめのエリアを紹介します。長野県への移住を検討している人や、どこに移住しようか考えている人は、ぜひ参考にしてください。
長野県は移住先として人気!
長野県は中部地方に位置し、日本の中心、本州のへそとも呼ばれています。飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈の日本アルプスの山々が連なる自然豊かな県です。高原野菜や果物、蕎麦の栽培などの農業のほか、精密機械や電子産業が盛んで上場企業も集まっています。温泉やスキー場が多く、国宝や名勝も豊富で観光地としても人気です。
平均寿命の長い長寿県としても知られ、2020年に厚生労働省が公表した健康寿命ランキングでは、男女ともに1位でした。こうした魅力豊富な長野県は、NPO法人「ふるさと回帰支援センター」の移住希望地ランキングで、常に上位にランクインするほど人気の移住先となっています。
出典:2021年の移住相談の傾向、移住希望地ランキング公開|認定NPO法人ふるさと回帰支援センター
出典:【公式】2022年版「移住したい都道府県」ランキング/『田舎暮らしの本』読者アンケートで調査!|田舎暮らしの本Web
移住者にとって長野県にはどんな魅力がある?
長野県への移住を希望する人、また、よそから長野県に移住してきた人たちは、長野県にどのような魅力を感じているのでしょうか。
家賃・住宅購入費が安い
長野県は、東京の都心部に比べると家賃相場や住宅購入費用が安く、固定費である月々の家賃や住宅ローンの返済の負担が軽減できる点に、魅力を感じる人は多いようです。たとえば、東京23区のワンルームの家賃が6万円台~8万円台が相場であるのに対して、長野県では半分の3万円台~4万円台が相場となっています。
新築や中古の住宅もかなり安く購入できます。たとえば、2022年4月時点の情報を見ると、東京都大田区の新築戸建ては安くても3LDKで4,000万円弱です。一方、長野市では新築戸建て3LDKが2,000万円台で購入できます。しかも、同じ3LDKでも長野市の物件のほうが土地面積は3倍以上広くなっています。東京よりも広々とした土地で、東京の半額程度の費用で持ち家が購入できるのです。
出典:新築一戸建ての購入情報探しならSUUMO(スーモ)新築一戸建て|SUUMO
レジャー施設が豊富
長野県はアウトドアレジャーで訪れる観光客も多い地域です。有名な温泉やスキー場、キャンプ場など、豊富な自然を満喫できるレジャー施設も魅力です。特に、標高が高く避暑地としても有名な軽井沢には、ショッピングや食べ歩き、日帰り温泉、カフェなどさまざまな観光スポットがあります。
穂高連峰を望む上高地は、ハイキングやトレッキングで多くの人が訪れます。野菜の収穫や乗馬、ものづくりなどさまざまな体験型のレジャー施設があり、老若男女問わず子ども連れでも楽しめるスポットが豊富です。
交通が便利
長野は東京からアクセスしやすく、短時間で行き来できるのもメリットの一つです。東京駅から北陸新幹線を使えば、長野駅まで最短1時間30分ほどでアクセスできます。また、お金をかけずに行きたいときは高速バスが便利です。約4時間で座ったまま快適に移動できます。
また、長野市や松本市などの主要都市では、JR東日本、しなの鉄道、長野電鉄、松本電鉄など鉄道路線網のほか、路線バスやコミュニティバスがあります。高速道路も整備されているため、市内や県内、観光地などのアクセスに困ることは少ないでしょう。
移住支援が受けられる
長野県と県内の65の市町村では、2022年4月1日以降に移住や就業・創業を希望する人のための支援策として、UIJターン就業・創業移住支援事業を実施しています。東京圏・大阪府・愛知県からの移住者へ、移住支援金として1世帯に最大100万円(単身世帯の場合は最大60万円)、子育て世帯には子ども1人あたりさらに最大30万円が支給されます。
また、長野県内で社会的事業の創業・事業承継・第二創業をする場合は、創業支援金として最大200万円が受け取れます。ただし、市町村や年度により支給対象の要件が異なるため、必ず事前に確認してください。
※2022年4月時点の情報なので、詳しくは県のホームページでご確認ください。
長野県に移住したらどんな暮らしになる?
長野県に移住したあとは、どのような生活になるのでしょうか。ここでは、仕事や収入・生活費、子育て支援について紹介します。
仕事
長野県には、製造業や農業などさまざまな有名企業や中小企業が、本社や事業所などの拠点を置いています。古くから精密機械メーカーをはじめ、現代では電機や一般機械の産業も定着しています。
たとえば、「セイコーエプソン」(諏訪市)や、「キッセイ薬品工業」(松本市)、「ホクト」(長野市)などは全国的にも有名な企業です。上場企業や、中小規模ながらも安定した経営の優良企業がたくさん揃っていることも、移住先として長野県が選ばれやすい要因でしょう。
また、東京などの企業に在籍したまま、テレワークで働ける企業も増えてきました。就職するにしても起業するにしても、長野県なら首都圏からのアクセスもよくおすすめです。
ただし、場所によっては公共交通機関の利便性がよくないエリアもあります。その場合は、通勤や生活用の自家用車が必要になるでしょう。冬の雪道対策として冬用タイヤも必須です。
収入・生活費
長野県に移住した場合、収入や生活費はどのようになるのでしょうか。あくまでも平均値になりますが、ここでは総務省統計局の二人以上の勤労者世帯を対象にした家計調査のデータをみてみましょう。
この場合の収入とは、世帯主だけでなく、配偶者やその他の家族の収入も含めた世帯収入を表します。また、支出とは、税金や社会保険料などを含まない生活費のことです。
2021年のデータによると、長野県を含む北陸地方の1ヶ月あたりの収入は、全国平均より高いことがわかります。また、長野県の県庁所在地である長野市の1ヶ月あたりの収入も、全国平均より高くなっています。ただし、東京都区部よりは低いため、東京から移住した場合、収入はやや低くなる可能性がありそうです。
一方、1ヶ月あたりの支出は全国平均よりも北陸地方や長野市のほうが高いですが、東京都区部よりは低くなっています。収入が少ない分、支出も抑えられている傾向があります。
子育て
長野県の各市町村では、子育て世帯にうれしい魅力的な制度が充実しています。たとえば、以下のような制度があります。
・佐久穂町:奨学金返済支援補助金
・佐久市:オールマイティ1年生事業
・坂城町:坂城町出産祝金事業
・上松町:ウェルカム祝い金
・南木曽町:保育園の通園バス運行の公費負担
・木祖村:小中学校入学祝金
また、長野県では「ながの子育て家庭優待パスポート事業」「若者・子育て世代応援共同宣言」など、少子化対策を喫緊の重要課題として、結婚支援や子育て支援に積極的に取り組んでいます。
長野県への移住におすすめのエリアは?
長野県内での就職を目指すなら、ビッグカンパニーや地元の有名企業が多い長野市、松本市、諏訪市などが、通勤や生活の利便性もよくおすすめです。住居を東京周辺に残したまま、週末だけ移住する2拠点生活を目指すなら、首都圏からのアクセスがよい長野駅や上田駅周辺、軽井沢エリアが狙い目です。豊かな自然を満喫したいという人には、人気の松本・安曇野エリアや蓼科エリア、白馬エリアなどをおすすめします。
まとめ
長野県は首都圏からの移住先として人気があり、人口が増え続けている地域もあります。移住者を歓迎するための移住支援や、就職・子育て支援など魅力的な制度も整備されているため、安心して移住できるでしょう。
地元の有名企業や中小企業へ就職するなら、長野市や松本市、諏訪市などがおすすめです。また、安曇野エリアや蓼科エリア、白馬エリアなどに移住すれば、自然豊かな環境で生活することができます。移住を検討する場合は、就職や子育てなど、具体的なプランを練ったうえで移住を検討しましょう。