愛着のある住まいに長く住み続けるには、定期的な点検やリフォームなどのメンテナンスが必要です。リフォームを計画する際、どのくらい費用がかかるのか気になるのではないでしょうか。そこで今回は、リフォーム費用の目安を部位別に解説するとともに、リフォーム資金の調達方法も紹介します。
リフォームに必要な資金の目安
ここでは、部位別のリフォーム費用の目安について解説します。リフォームにかかる費用は、工事内容や材料・設備のグレードなどによって異なります。実際にかかるリフォームは見積もりをとらないと把握できないため、注意してください。
水回り
キッチンや浴室、トイレなどの水回りリフォームで、既存の設備を新しいものと交換する場合は、選ぶ商品のグレードによって費用は大きく異なります。
さらに、水回りの場所そのものを移動させるリフォームでは、間取り変更を伴う大掛かりな工事になるため、さらに高額な費用がかかります。費用相場は以下の表を参考にしてください。
水回りのリフォームは個別よりも複数箇所を同時に行ったほうが、人件費や養生費など諸経費を軽減できます。セットプランを提案している施工会社もあるため、1つあたりの費用をおさえるためには同時にリフォームすることもおすすめです。
壁紙の張り替え
壁紙の張り替えは、施工面積と壁紙のランクによって料金が決まります。壁紙には一般的なスタンダードタイプと、調湿・防水など機能が豊富なハイグレードタイプがあります。それぞれの1平方メートルあたりの費用相場は以下のとおりです。
・スタンダードタイプ:700~1,000円
・ハイグレードタイプ:1,000~1,500円
このほかに、養生費や廃材処理費などの諸費用が追加されることが一般的です。
床の張り替え
床の張り替えは壁紙と同様、施工面積と選ぶ床材によって料金が決まります。既存の床材の上に床材を貼る「重ね張り」する場合、廃材処理が必要ないため費用が安くなる傾向があります。以下の表は、1畳あたりにかかる費用の目安です。
外壁
外壁塗装の費用は、塗装面積、塗料の種類、足場の有無等で計算されます。家の大きさによりますが、100~200万円ほどかかることが多いようです。「延床面積(平方メートル)× 1.2」で大まかな塗装面積がわかるので、計算してみてください。費用の目安は以下のとおりです。
外構
門やフェンス、カーポートなどの外構は、どこをどのようにリフォームするかで費用が大きく変わるため、一概にはいえません。
たとえば、門扉の交換といったピンポイントのリフォームなら10~20万円程度でできますが、フェンスをすべて交換するような大掛かりなリフォームになると100万円以上
かかることもあります。
また、リフォームの目的や内容が同じでも、選ぶ材料や面積などで費用が大幅に変わります。まずは複数のリフォーム業者に相談してみましょう。
フルリフォーム
フルリフォームにかかる費用の目安は、坪単価15~60万円ほどです。フルリフォームといっても、間取りはそのままに設備や内装材をそっくり交換するパターンや、間取り変更を伴うパターン、骨組み以外を解体して全面的につくりかえるパターンなどさまざまでしょう。
家の大きさにもよりますが、大掛かりなリフォームになると1,000万円を超えることも珍しくありません。なお、選ぶ設備のグレードや機能によっても金額が異なるため、坪単価はあくまで目安として参考にしてください。
リフォーム資金の調達方法
希望するリフォームが高額になりそうな場合、どのようにして資金を捻出すればよいでしょうか。ここでは、リフォーム資金の調達方法として、ローンと補助金について解説します。
リフォームローンや住宅ローン
リフォームには、民間金融機関が扱う「リフォームローン」を利用できます。住宅ローンを返済中でも、新たにリフォームローンを組むことは可能です。ただし、一般的にリフォームローンは住宅ローンよりも借入額の上限は低く、返済期間も短めです。
「中古住宅を購入して自分好みにリフォームしたい」といった場合は、リフォーム資金を組み込める住宅ローンを検討するのがよいでしょう。中古住宅購入と同時にリフォームする場合は、リフォームローンを住宅ローンとして組める可能性があります。
住宅ローンの残高とリフォーム資金を合わせた額を借り換えるという方法もあるため、自分の経済状況にあったローン商品を検討してみてください。
補助金
省エネや耐震などを目的とした増改築・リフォームを行う場合、国や自治体から補助金が受けられる可能性があります。
たとえば、国が進める「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」では、既存戸建住宅の断熱リフォームに対して費用の3分の1(上限120万円)が補助されます。また、東京都には、高断熱窓や高断熱ドアへの改修などに対する補助金制度(2022年3月7日で申請受付終了)があります。
なお、補助金制度にはそれぞれ一定の要件や申し込み期限が設けられています。自治体によって取り組みが異なるため、お住まいの地域で利用できる補助金制度がないか確認してみてください。
参考:戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業|環境省
参考:家庭における熱の有効利用促進事業(高断熱窓・ドア)|クール・ネット東京
リフォームで用意する自己資金の目安
リフォームローンを利用する場合に準備すべき自己資金は、リフォーム費用の2割程度が目安でしょう。ただ、リフォームでは、予定外の追加工事が発生する可能性があるため、貯蓄のすべてをリフォームの自己資金にあてるのは危険です。
たとえば、既存設備の撤去後に下地が傷んでいることがわかった場合には、補修工事が必要です。また、リフォームをしていくうちに、追加でリフォームしたい箇所が出てくるかもしれません。リフォームローンを利用する場合もローン手数料や印紙代などが発生するため、自己資金は少し多めに準備しておくことをおすすめします。
まとめ
リフォームにかかる費用は、規模や内容によって異なります。大規模な工事になる場合、リフォームローンで資金調達するという方法がありますが、2割ほどの自己資金があると安心です。
すべてを希望どおりにリフォームしようとすると、費用はどんどん膨らんでしまいます。まずは予算をしっかりと決めて、その範囲内におさまるよう検討していきましょう。