30代といえば、社会人としての生活に慣れ、気持ち的にも金銭的にも安定してくる頃ではないでしょうか。それにともない、結婚や出産、そして住宅購入など、人生におけるターニングポイントを迎える人も少なくありません。30代で住宅購入を決断した人は、どのような家を買い、住宅ローンの頭金や住宅購入金額、借入金額はどの程度に設定をしているのでしょうか。ARUHIマガジンによる「住宅購入に関する調査2022」の結果から紐解いていきます。
30代の住宅購入は建売住宅が人気?
【30代】現在の住まい
30代の世帯では、どのような住宅を購入しているのでしょうか。住宅購入者と住宅購入検討者に現在の住まいについて聞いたところ、「建売住宅」が18.7%(全体平均12.8%)、「中古戸建て」が5.7%(同 8.2%)、「土地付き注文住宅」が5.7%(同 5.5%)、「注文住宅」が8.1%(同 8.2%)、「新築マンション」が7.7%(同 5.7%)、「中古マンション」が7.2%(同 9.7%)でした。住宅購入者全体の調査結果と比較して、建売住宅を購入している世帯の割合が高い結果となりました。
30代の住宅購入者は頭金を準備する派としない派が二極化
【30代】住宅購入時の頭金
30代の住宅購入者と住宅購入を予定している人に、「頭金」をどのくらい用意したか(用意しているか)調査をしたところ、最も多かったのが「100万円以上300万円未満」で20.6%でした。「頭金なし」が17.2%と2割近くを占めている一方、16.3%は「1,000万円以上」の頭金を用意しており、頭金を十分に準備している人としていない人の二極化がうかがえます。
【2021年・2022年比較】30代の住宅購入時の頭金
2021年度の同調査結果と比較すると、大きな変化はないものの、「頭金なし」と回答した人は、2021年時の18.5%から2022年の調査には17.2%とやや減少。「1,000万円以上」の頭金を用意した人は、11.1%から16.3%と5ポイント以上増加しました。
2021年調査時よりも住宅購入金額・借入金額はやや減少傾向
【30代】住宅購入者の平均額と中央値
30代の世帯の住宅購入金額は平均で3,613万8,000円(中央値3,500万円)、うち借入金額は平均で2,417万6,000円(中央値2,500万円)でした。「毎月の住宅ローン返済額」は平均11.9万円(中央値9万円)、「住宅ローンの返済期間」は平均値で31.1年(中央値35年)となっています。
2021年時の同調査では、住宅購入金額の平均が3,679万6,900円(中央値3,500万円)、うち借入金額は平均で2,717万2,400円(中央値3,000万円)、「毎月の住宅ローン返済額」は平均7万4,114円(中央値8万円)、「住宅ローンの返済期間」は平均32.66年(中央値35年)でした。2022年の結果と比較すると、住宅購入金額や借入金額はやや減少している一方、毎月の住宅ローン返済額の中央値は8万円から9万円とやや増加しています。
30代が選ぶ金利タイプは?
【30代】住宅ローン金利タイプ
30代が選んでいる住宅ローンの金利タイプは「変動金利タイプ」が64.5%(全体平均60.6%)、「全期間固定金利タイプ(【フラット35】)」が21.9%(同 22.7%)、「全期間固定金利タイプ(民間金融機関)」が4.7%(同 7.3%)、「当初固定金利タイプ」が8.9%(同 9.3%)でした。全体平均と比較して、変動金利タイプの利用者が30代では多い傾向がうかがえます。変動金利タイプは低金利である一方、将来の金利上昇を予測することが難しい一面があります。金利上昇時には借り換えや繰り上げ返済などを検討する手間や時間がかかりますが、若い世代は金利差のメリットを取る人が多いと考えられます。
まとめ
結婚や出産など、さまざまなライフイベントを迎えることが多い30代は「住宅購入適齢期」と言えます。どのタイミングで住宅を購入し、どのような資金計画を立てるか、今回の調査結果を参考に検討してみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査エリア:全国47都道府県
調査対象者:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2022年2月25日~3月2日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング