社会人1年目の預貯金額はいくら? 20代のうちにお金は貯まっている?

産労総合研究所「2021年度 決定初任給調査」によると、各種手当を除いた2021年度の初任給は、大学卒の場合で平均21万円程度です。一人暮らしの場合はここから家賃や生活費を支払い、家計をやりくりする必要がありますが、そうしたなかで 貯蓄はどの程度行われているのでしょうか。

社会人1年目の貯蓄額は、平均58万円

出典:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2021
出典:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2021

ソニー生命保険株式会社が実施した「社会人1年目と2年目の意識調査2021」では、社会人2年生に対し、社会人1年目の生活で貯蓄した金額を調査しています。その結果「100万円以上」が最多で29.6%、次いで「50万円~100万円未満」が20.8%という結果に。平均は58万円でした。
2020年と2021年の調査結果と比較すると、貯蓄した金額の平均は、2020年が45万円だったのに対し、2021年には58万円と、13万円も増加しています。長引くコロナ禍の生活で未だ外出を自粛している人が多く、お金を使う機会も少ない状況で、浮いたお金を貯蓄に回した人が多かったのではないかと予測できます。

目標貯蓄額は740万円、でも現実は?

出典:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2021」
出典:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2021

社会人1年目で58万円の貯蓄ができるのであれば、30歳までにはまとまった金額を貯めることができそうです。同調査では社会人2年生に対し、30歳時点の目標貯蓄額も聞いています。その結果「1,000万円~2,000万円未満」が最も多く25.2%、次いで「500万円~600万円未満」が19.8%という結果に。平均の目標貯蓄額は740万円でした。
2020年と2021年の調査結果を比較すると、目標貯蓄額の平均は2020年が614万円なのに対し、2021年には740万円と126万円も増加しています。堅実に貯蓄をしたい人が多い様子がうかがえます。

20代の年収別・金融資産保有額

年収 貯金額の平均 預貯金額の中央値
なし 23万円 0円
300万円未満 72万円 8万円
300万~500万円未満 230万円 100万円
500万~750万円未満 554万円 100万円

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」※年収750万円以上は回答者が少ないため割愛

30歳に向けて目標とする預貯金額は740万円でしたが、実際のところ、20代の預貯金額はどのくらいなのでしょうか。金融広報中央委員会が2021年に発表した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」によると、20代単身者の預貯金額は、年収300万円未満の場合は中央値がわずか8万円、年収が500万円を超えていても中央値はわずか100万円という結果に。理想と現実には大きな開きがあるようです。

社会人になって間もないうちからまとまった金額を貯めるのは大変なことですが、早い段階で預貯金を始めることが、30代以降の蓄えに繋がります。結婚・出産・住宅購入といったライフイベントも見据えて、毎月少しずつでも貯める習慣をつけましょう。

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